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ルール

私には、『ブラックジャック』の二次をなろうで書けるようなコネも金もない。

が、二次をOkの所に投稿しても、何もおこらない。

それが最高にうまい作品になろうと、ドラえもんの最終回と同じくネットミームとして時の川を流れるだけだ。


出版社へ正面突破を目指してこそ、バカさ加減が輝くし、権利者にも認めてもらえるに違いない。

ついでに、他の作品の参考にもなる。


では、どうするか、


ここで考えた。

ブラックジャックが登場しない、ブラックジャックの物語を。


基本、それほど難しくもなかった。

『あるスターの死』は、短編で、どちらにしても相当物語を加えないといけない。

ふと、『ゴルゴ13』を思い出した。

この作品の映画版もゴルゴが凄腕すぎて話が短く終わるから、依頼者が途中まで話を膨らませてゆく。

それでなかなか、面白くできていたから、そんな構成にしようと考えた。


私は『スター』の役を日本の女優をモデルに考えたから、ここで、彼女が依頼をするまでの物語は問題にならないと思う。


ここまで考えて、ブラックジャックの扱いの面倒くささに気がついた。

何しろ、髪は半分白髪で、顔には傷、時代遅れの…50年代風味のスーツに印象的な大きなリボンタイを着けた人物を、リアルな…命のやりとりをするようなドラマに自然に溶け込ませる…それは難しいのだ。


漫画は人物をデフォルメして描かれる。昭和初期の漫画はとくにそうだ。

だから、ドラマにする際にはそこを改編しなくてはいけない。

が、それはとても難しい…。人気作になればなるほど、ファンのこだわりは強いからだ。


ある意味、ドラマ化する監督さんは凄いんだわ。


私は今年の新作に思いを馳せる。

まず、前評判がダメだしから始まるんだから、大変だ。

どちらかと言うと、不安な方の意見の私も、さて、自分が考えるとなると、泣きたくなるほど大変なのがわかった。


『ブラックジャック』は、主人公はブラックジャックで、派手な姿で、ダークヒーロなのだけれど、そのわりには始めから登場しっぱなしなのだ。

ついでに、ピノコちゃんと言う、見た目が幼女を連れている。

彼女の後頭部についた4つのリボンに…


こんな髪形、流行ってなかったよな。


と、この物語が少年漫画立った事を思い出しながら見つめていた。


ドラマにするには…相当面倒なキャラだわ。


本来なら、この髪形も、もう少し、昭和少女のキュンを誘うものを描きたい。

それに、ブラックジャックも現代には浮きすぎる。

無免許医なんて犯罪だ。

昭和の時代は、終戦後の混乱を知る大人が見守る世界だから、これは馴染んだ。

が、不法移民が社会現象になる現代、仮に、外国籍の無免許医が日本で医療行為をしていたら捕まる。

救命救急士ですら、面倒な規則に囚われていると言うのに、これ見よがしのあの格好はうまくない。


案外、ブラックジャック、使えない方が楽なんじゃない(´-`).。oO


ふと、そう考えて、気がついた。


漫画原作の落とし穴を。


漫画が原作の場合、確かに、台詞や背景を考えるのが楽チンではある。

が、楽ではあるが、役者が決まった作品になってしまうのだ。


例えるなら、『男はつらいよ』だ。

この物語は人気がある。今でもBSでなんども放送されるほどだ。

海外でも同じく人気はあるけれど、これはリメークは難しいのだ。


主人公の寅次郎を好演された渥美清さんが、この役をもっていってしまったのだ。


皆、見たいのは、渥美清さんが演じる寅次郎であって、これは、もう、原作者も脚本家も…それを覆すなんて出来ないほど、渥美清さんの寅次郎は愛されているから。


役者が、物語のナンバーワンになった例である。


ここで、漫画が原作の場合も、この現象がおこっているのではないか、と、気がついた。


本来、ドラマや芝居は、役者がどう演じるかを見るものだ。


小説家の江戸川乱歩の明智小五郎の場合、様々な明智小五郎が同時に存在していた。

そして、それは受け入れられていた。


某局で夏にスペシャルがあると言われれば、その局のおかかえの役者がいて、その役者が明智小五郎の正解であり、われわれ視聴者はそれを空想し、放映を待ちわびた。


が、漫画の場合、既に視覚のイメージが出来上がっているので、そのイメージが支配する世界を…既に十八番の役者が決まった状態でのスタートなので、どんな役者が演じても、それは『正解』ではなく、そこで作画のイメージから、視聴者が『間違い探し』をはじめる…地獄のスタートになるのだ。


とは言え、ブラックジャックが登場しない話は作れない…公式では。


ここで、素人の利点があるのに気がついた。

私は、コネも金もないから、こうしてネットでボヤくしかない。

ブラックジャックの使用許可なんて買えないから、登場させるわけには行かない。


切ない…立場である。


だからこそ、逆に客は、ブラックジャックのいない物語を納得し、受け入れてもくれる。


彼が私の物語に登場するのは…二次選考を通過して、入選を果たしたその先なんだから。


諦めずにかき続ける…思いの熱があるかぎり、読者はブラックジャックのいないブラックジャックの物語を受け入れてくれるはずなのだ。


昔、海外の役者さんが、CMで寅さん風味の役を好演されて評価を受けたように。

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