オーディエンス
原作者の権利は強い。が、ここで意見を言える人物がいるのに気がついた。
作中の職業にリアルに従事している人の意見である。
これは、原作者も無下には否定は出来ない。
それを考えて、『ブラックジャック』の物語をドラマ化するなら、やはり、『あるスターの死』ではないかと思う。
多分、このエピソードは人気もあったはずだ。
主人公はマリリン・スワンソンと言う引退した女優である。
多分、1970年代の発表作品だから、マリリン・スワンソンは1960年代のハリウッドスター設定だと思う。
海外の女優が主人公で短編だから使われなかったのだと思う。
この話の主人公は女優。だからこそ、ドラマ製作側のアイディアを入れやすいし、視聴者も納得してくれるに違いない。
私はこれを改編してみようと思う。
女優は、日本人の女優をモデルに作る。
ドキドキするけど、名前をあげる。
もう、分かったと思うけれど、沢口靖子さんだ。
沢口靖子さんと内藤剛志さんのしっとりと大人の淡い恋愛話を目指してみる。
うん!
視聴者として、希望を言うのは大丈夫だよね?
いわなきゃ、絶対、ドクターキリコの話になるんだもん。
こんな希望、実在する女優さんは…沢口靖子さんは嫌かな?なんて思いもよぎるけれど、『科捜研の女』ファンで、この展開を思う人は私だけではないはず。
沢口さんも、やりたくなくても、この意見で酷く不快にはならないと、思う。
でも、書いてみると、実際の役者や人間関係は、ワイドショーとかで番宣に並ぶ笑顔と同じなのか、心配にもなる。
でも、まあ、和気あいあいとやってると、何かで見た気がするから、それを信じて話を作ってみようと思う。
勿論、手塚治虫の著作権は切れてないから『あるスターの死』を模して作品をなろうで発表は出来ない。
が、アイディアは使っても大丈夫なはずだから、その範囲で書く。
この話のテーマは『アンチエイジング』そして、『女優』である。
最近は、女優と言うのもはばかれるらしいけれど、心は女性と言うのは認識されているらしいから、私はなんで悪いのか、良くわからなくなる。
女の心を表現する役者。それが女優ではダメなのだろうか?
逆に、男優を俳優とする方が違和感あるんだけれどなぁ。
まあ、それはともかく、この話は、年老いて、醜くなった大女優が、生涯、最期の舞台に美しい姿でたちたいと頑張る話である。
この大まかなストーリーまでは、まず、使えるはずだ。
時代は変わった。60年代のハリウッド女優を主人公にしても、視聴者には響かない。
と、言うわけで、私は沢口靖子さんをモデルに考える。
『お婆ちゃんの役なんて、私、嫌だわ。』
なんて言われたらどうしよう?なんて、少々びびるけど、この物語は、アンチエイジングの話なので、17才から、80才くらいの広い人物の役を演じ分ける物語なので、そこは許してもらいたい。
実在の女優さんの名前を出すのは心配だけど、でも、実在するからこそ見える事もある。
小説や漫画は、その世界のみの一次元の話だけれど、芝居の場合、演者の人生がここに加わる。
その女優は、コンテストで選ばれたシンデレラガール。
とても整った、上品な顔立ちで、少し、はにかむ笑顔に当時の若い男性は心を奪われる。
時代は高度成長期からバブルへ…
演劇会も華やかで、贅沢な映画撮影がされ、クリスマス時期や夏休みにはロマンチックな映画が人気を博する。
彼女は…誰もが愛さずにはいられない、そんなキュートな女優で、冒険ものから、時代劇のお姫様まで、演じ分ける実力派でもある。
しかし、時代と共に彼女の露出が消えて行き、そして、人々の話題にものらなくなった…
令和の現代…突然、彼女の名前がネットの検索のホットワードにのる。
それは、今をときめく俳優のお薦め映画で注目を浴びたのだった…
出だしはこんな感じだろうか?
ここまで書いていて、沢口靖子さんの作品が頭をよぎって行く。
懐かしい気持ちになる。
そう言えば、昔は、スペシャルドラマが決まった時点で、あの物語を役者が、どう演じるのか?
これについて話し合ったりした。
演目は、同じで、よく知った内容でも、役者が違うと世界が変わるのだ。
いつから、そんな事を考えなくなったのだろう?
少し、寂しい気持ちになった。