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00.始まりの前のはなし

地味でも頑張ればなんとか…ならない?



この地に生まれて早18年。地味と言われてそろそろ何年だろう。

今日も朝起きて鏡を見れば、いつもと同じ顔がそこにある。当たり前なのだけれども。


美容に力を入れてみてもそんなに変わらないのは腕のせいなのか、元々の顔のせいなのか。


そんな私が整形をしたいって思っても普通じゃない??



「韓国行かない?」

日曜日の午後、一緒にカフェでお茶をしていた友人の莉緒からの誘いに私はすぐに飛び乗った。

「いく!行きたい!いこう!いつ?!」

「ちょ、勢い良すぎるから!なに?何か行きたいとこでもあるの?」

ん?韓国でしょ?

そりゃあなた…


「あるある!私、プチ整形したい!」

「は?整形?マジで?どこを?」

「出来るなら本当は全部したいとこだけど、二重とか、シミ消しとか、アゴをシュッとしたりもしたい!」

「要らないでしょ。ていうか私、整形とか反対だし。」

「そりゃ莉緒はかわいいから要らないでしょうね。でも私はかわいくないし、整形でもしなきゃ…」

「うるさい。かわいいかどうかなんて主観でしかないんだから。気にするから気になるんだよ。」


ぐぅ。正論。

莉緒さま…中身までかっこいい。


「それにかわいくないとなんでダメなわけ?わたしにとってはあんたがかわいいんだけど、どうせどんだけ言っても信じないじゃない。ていうか、私は韓国料理が食べたいんだけど」

莉緒さま…話が変わってます…


私が無言を貫き始めると莉緒は韓国料理について話し出した。


そりゃ、私だって莉緒くらい可愛かったらそんなことも言えるよ。

でも実際可愛くないじゃない!

彼氏もいたことないし、自信なさすぎで告白だってできない。

告白されたことなんてもちろん無いし。

って、自分で言ってても悲しくなってきた。


「ちょっと、聞いてるの?!」

…聞いてませんでした。

熱く韓国料理を語っていたらしい莉緒は、怒りながら右手の人差し指で机をコツコツと叩く。


圧迫面接なのか。


「まぁいいや。とりあえずパスポート用意ね」

「そ、そうね。とりあえずパスポート取りに行くよ」


時間も遅くなってきたのでとりあえず解散になった。

帰り道、トボトボ歩く。


莉緒は可愛いからあんなに自信がある言い方ができるんだよ…

でも、韓国で本当にプチ整形とか出来たらちょっとは気分上がるかな。

ネットとかで調べてみよ。


わたしは歩きながらスマホを取り出す。


少し画面を見ようとした瞬間。

踏み出した右足が地面を踏む感覚がないまま沈み込んでいく。


あれ?


そのまま身体ごとまえのめりになって地面に吸い込まれていく…



ええええええ?!!



「わああああああああああああああ…」

韓国に行こうとしたらパスポートがない。

自分に自信もない。


地面踏んだら地面が無い。


ナイナイ尽くしの主人公です



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