3.違和感
結婚等していたら、約2年経ってました。今回は短めです。
リアムとノアが握手を交わした所で、オリヴィアが自分のパートナーを連れて2人のところにやってきた。
「ノアのパートナーはリアムなのね!」
「ああ。ノアとオリヴィアは知り合いなのか?世間は狭いな。」
「ええ、幼なじみなの。ノアのパートナーがリアムで良かったわ。貴方になら安心してノアを任せられるもの。」
「キャベンディッシュさんとオリヴィアは仲が良いのですか?」
「リアムでいい。……オリヴィアとは最下位を競い合う仲だ。まぁ、仲は悪くないな。」
「あら、仲良しだと思っていたのは私だけかしら。」
「からかうな。」
リアムが参ったというように手をあげ微笑むと、オリヴィアは楽しそうに笑った。
「ふふふ。……遅くなったけど、2人に私のパートナーを紹介するわ!テオドール。」
「初めまして。私はテオドール・スコットといいます。なんだか楽しい日々が始まりそうで、ワクワクしますね。よろしくお願いします。」
オリヴィアに名前を呼ばれた男が穏やかな笑みを浮かべて一礼し、そう言った。続けてリアムとノアも自己紹介し、和やかな雰囲気に包まれているところで景色が暗転。6人は現実に戻された。
薄暗いノアの研究室で、まだ頭がはっきりとしない6人は、黙ってその場に座ることしかできなかった。6人が見た景色は、本当に過去にあった話なのかと疑ってしまうほどに、かの有名な彼らは普通の学生だったのだから。
「……災厄の魔女と王様は、仲が良かったのね。」
ぽつりとアメリアがそうこぼした。
「それに、最下位を競い合う仲って……。災厄の魔女は天才で、王は光の大魔法使いなんじゃないのか?」
「リズ、不敬だ。」
リズの言葉をイーサンが咎め、リズは肩をすくめた。
「いや……そうなんだけどさ。あまりに私達の知っている歴史と、かけ離れているじゃないか。」
リズの言葉に全員が沈黙し、各々が何かを考え込んだ。しかし、それ以降誰も言葉を口にすることはなかった。考えても埒が明かないため、エドワードが明日図書館で過去の資料を探すことを提案し、ウンディーネに言われた通りに耳飾りを再度3回鳴らして、6人は地上に戻ってきたのであった。各々様々な思いを抱えて部屋に戻ったが、生徒会の仕事を結果的にサボることになってしまったイーサンがエブリンや生徒会の面々に怒られたことは言わずもがなである。