恋わずらい
街に漂う木犀に あなたの頬が見えたので。
私はあなたに恋をした。
人の行き交う大阪で、
あなたが握った右の手は、いつの間にやら冷めていて。
じっと眺めた造形は、気づくと既に溶けていた。
窓から入った、北風は。あなたの髪を連れてきて。
空気に混ざった、あなたを追って。私の心も宙に浮く。
ただ会いたいと思うだけ。あなたにふらりといて欲しい。
今日も曇りし、長い夜。
果実のようなその声を、そのまま齧ってしまいたい。
今日も曇りし、長い夜。
街に漂う木犀に あなたの頬が見えたので。
私はあなたに恋をした。
人の行き交う大阪で、
あなたが握った右の手は、いつの間にやら冷めていて。
じっと眺めた造形は、気づくと既に溶けていた。
窓から入った、北風は。あなたの髪を連れてきて。
空気に混ざった、あなたを追って。私の心も宙に浮く。
ただ会いたいと思うだけ。あなたにふらりといて欲しい。
今日も曇りし、長い夜。
果実のようなその声を、そのまま齧ってしまいたい。
今日も曇りし、長い夜。