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とある公爵令嬢の生涯  作者: ゆう
メトロ学園と新たな出会い
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14心配

エステルが去った後、緊張の糸が切れる。


(なんて殺気でしょう…)



一瞬エステルから圧倒的な威圧感を感じた。



「おい眼鏡!お前言い過ぎだろ」


「エステルさん、すごく怒ってましたね」



今日一日で解ったことがある。

エステルは氷のように冷たいと思われているがその逆だった。



「はぁー」


「サブローさんを守る為ですね」



二人はエステルが冷たい性格ではないなんてことは解っているのだが、貴族に対していい感情を持ってないジークフリートは否定した。


「ポイント稼ぎでは?姑息なですね」


きっと裏があるのだと思っているが…



「お前色眼鏡で見るなよ」


「差別です」


「貴族の人だからってすべての人を悪いと言うのは良くないと思います」


口を閉じていたアリスも頷く。



「僕は事実を言ったまでです」


「あっそ‥」


言葉で言っても無駄だと判断したユランはジークフリートに対して何かを言うつもりもない。



「とりあえず…」


「うぉぉぉぉぉ!!」


ユランがサブローに声をかけるも大声をあげる。



「嬉しか!エステルさんはそげん俺んこつば!」


「泣いているし…」


「感極まって泣いていますね」



とにかく単純な男だった。

自分の感情に素直すぎるサブローを少しだけ羨ましくなるユラン。



「演技かも知れませんよ」


「にしゃはほんなごと性格の捻くれとるな!」


「通訳がいないから解らねぇ」


怒っているのは確かだった。


「ばってん、エステルさんとの約束だから喧嘩はせん」


「サブロー!お前はなんていい男なんだ」


「僕も惚れそうです」


「素敵です」



三人はサブローを褒めちぎる。

エステルとの約束を守るべく我慢をする。


「俺も大人げなかったっちゃ」


「やってられませんね?僕は部屋に戻ります」


「眼鏡!」


「誰が眼鏡ですか!」



ちゃんとした名前があるのに既に眼鏡で定着していた。





「なんか面倒なことになったな」


「そうしてあんなことを…」


「地方によっては貴族に虐げられた平民は多いからな」


ジークフリートを庇うわけではないが、ユランも解らなくはない。



「だからって何の関係もないエステルを責めていい理由にならなぇし」


「そうですよ」


「エステル様はどうしてあんな言い方をなさったのでしょう?」


アリスはジークフリートにあんな冷たい言い方をした理由が解らない。



「予防線だろ?後は相手が敵対心を持っているからだな」


「そんな…」


相いれないとわかっている相手に手を差し伸べても逆効果だから仕方ないが、他にもやりようがある。


「エステルは最初から敵を作ってるよな」


「仲良くはなれませんか?」


「眼鏡は一方的にエステルを嫌っているからな…まぁ、危害を加えるタイプに見えないしな」


今の段階では何とも言えないがジークフリートはエステルに嫌味を言っても卑怯な手で嫌がらせをしたり暴力をするようなタイプには見えない。



「真っ正面から嫌味を言うタイプだな」


「男らしくないですよ」


「お前に言われたくねぇよ」


「そんな!」



女の子よりもかわいい容姿をしているルークはある意味男らしくないと思った。



「まぁ、どっちが先に折れるか」


「仲良くして欲しいです」


「こればっかりは難しいだろ」


周りが仲を取り持ってもさらに拗れる。


ならば下手に口出しをしないで見守るのが一番だと二人に言い聞かせ、ユランも見守ろうと思った。






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