片足を突っ込む
訓練を終えた俺たちは、自分達の部屋で今日の予定について話し始めた。ちなみに同じ部屋で寝てるぞ、やましいことは無いのでセーフ!部屋にはお風呂が付いてるが覗いたことも当然無いぞ!俺は健全ロリコンだからな!
「エルルさん今日の予定はどうします?」
「んーとね、実は行きたい店があるの」
「どこですか?」
「魔法薬の材料がなくなったから、その材料の買い出しに材料屋さんに行きたいな」
「分かりました、ではそこに向かいましょう!」
「はーい!準備するねー」
そういってエルルさんは財布や小物をバックに詰めていた、俺は特に何も買う気は無いけど財布と入れ物としてのバックは持って行こう。
「では行きましょうか」
「うん、行こう!」
ギルドを出て、魔法薬などの材料屋に向かう。ギルドの前の大通りを少し歩いたところに材料屋がある。
「それで今日は何が必要なんです?」
「まずは薬草かなぁ…あと毒消し草とか良く使うのは減ってるし、そんなところかな」
「なるほど…おっと?」ヒュッ
歩きながら会話をしてると間を小さな子が走って通っていった。
「なんだったんでしょ?」
「急いでたんだろうねぇ…」
「全く、ぶつかったらどうするんだ…」
結構速かったし危なかったな…とか思っていると大通りでも活気のある場所に入っていた、周りは客寄せや雑談で盛り上がっている。
ざわざわ……ざわざわ……
『クェーストからきた最新魔導銃…』
『おい!聞いたかあの…」
『ああ、聞いたぜ小さいグリーンドラゴン…』
『お兄さん、ちょっと寄ってかないか…』
『スピノーの水で出来た…』
いつ来ても賑わっているなぁ…俺たちの住む国は【スピノー】って呼ばれる。
水の都と言われているように普通の道にも川が流れている。なんでも国の中心のスピノリア城って所から全て流れていて、もし敵国が攻めて来たら、その川が水ゴーレムになって守ってくれるらしい。
しかも、国全体の水は王様の魔力だけで供給してて、しかもその水ゴーレムのお陰で、この国は軍を保有しなくても良いらしい。王様の魔力量凄すぎる…
「新しい剣でも新調しようかな…」
「次は魔剣にしてみない?…っと着いたよ!」
材料屋についた、扉には今日の買い取り額が書いてあった、恐らく薬草などを持ち込んで換金する人用だろう。
「おじゃましまーす…っと」
中に入ると色んな薬品の匂いがする、材料屋と呼んでいたが魔法薬屋でもあるみたいだ。
「カラズさーん!」
「おや?エルルちゃんじゃないか!どーもねぇ」
どうやらエルルさんはここの店長と顔見知りみたいだ、店長は如何にもな魔女…で恐らくはエルルさんより歳上、でも長命な種族じゃないただの人っぽい…まぁ魔法かなんかで命を伸ばしてるのだろう。
「カラズさん、いつものお願い!」
「はいはい、もちろん取ってますともええ、薬草に毒消し草、その他諸々セットね!」
「うわーい!ありがとうございます!お幾らですか?」
「最近は薬草も毒消し草も大量発生してるから安くしとくよ」
「ありがとうございます!」
なんてなごましい風景だ…いくらでも見れてしまう。
「おや?そちらに居るのはロキオンかね?」
「はい、いつもお世話になってます」
「そんなかしこまらなくてもええよぉ…あっそうだ、2人でいるなら頼まれごとしてくれないかい?」
「ふぇ?頼み事ですか?」
「そうそう、今夜満月だろう?だからこの盃にウテロの湧き水を汲んで、満月の光を取って来て欲しいんだ」
「満月の光をですか、ふむエルルさんどうします?」
「もちろん受けますよ!任せてください!」
「そうかい?んじゃ持って来てくれたら報酬としてこれをあげよう」スッ
「これ!?レッドムーンハーブじゃないですか!?!?」
エルルさんがかなり驚いてる、どうやらこの赤い小さな葉っぱが凄い価値のあるものらしい。
「これそんなに凄いものなんですか?」
「の、のどかりゃ手が出るほど欲しい…本当に貰っても良いんですか?」
「ええよぉ〜、その代わりちゃんと持って来ておくれよ」
「わっかりました!ロキオン君!早くいくよ!!」タッタッタ
そう言ってエルルさんは走って行ってしまった。
「そ、それでは行って来ます」
「よろしく頼んだぞぉー!」手フリフリ
俺も走ってエルルさんを追いかける、こうして今日の目標は決まった様だ…
ここから事件が始まるかもしれません…