訓練
「はっっ!?」ガバッッ
ベットから飛び起きる、頭がボッとする…
なんか昨日の食事から記憶が…まぁいいや
ん…?書き置きがあるな。
『魔法の練習に行ってきます。エルル』
どうやらエルルさんは訓練棟に向かったみたいだ。訓練棟には的とか練習用の武器も置いてある、俺も行ってみようかな…
自室で身支度を整えつつ今日のスケジュールを考える、取り敢えず訓練棟に行ったら魔法の調整でもしようかな…あーでも、この前は防御が疎かだったし防御の練習でもしようかな…?
ギルド内を歩き訓練棟に向かう、訓練棟までの道で飲み物をいくつか購入する。その飲み物に軽い冷却魔法を掛けながら、訓練棟に入った。魔法の訓練部屋は…
「おーい、エルルさーん…?」
「【イス】!【イス】!!」
どうやら彼女はこの前の氷魔法より、弱い氷魔法を練習してるみたいだ。訓練棟の的に対して小さい氷のつぶてが飛んでいってる。
ぶつかったつぶては、的を凍らせながら貫通してる。もしも生き物だったらひとたまりもないだろう。
「あっ!ロキオン君来たんだ!」
「えぇ、目が覚めたんで俺も練習しようかなって来ました」
「そっか、じゃあ私は少し休憩して見てるね」
「あ、これ良かったら飲んでください」スッ
「ありがとう!嬉しいよぉ!」クピックピッ
お茶を差し出し、今度は自分が中に入っていく。中に入って練習用の刃を潰した剣を手に取り、素振りをする。
「よっ、ほっ!そいっ!」シュシュッ
剣の先を意識して振る、軸足に乗ってその軸に合わせて回転して振る、遠心力を使って少ない力で大きな威力を出す。
縦に横、斜めになっても軸を意識する。どんな体勢からでもある程度の威力を持った攻撃が出来なければ剣士失格だ。
「ふぅぅ…ズァッ!!」ビュォッ
今度は突きの練習だ、相手に剣が届くまで剣が通る道筋は真っ直ぐで無ければならない、もしブレるとそこで肉が引っ掛かって威力が殺されてしまうからだ。
足を上げ前に出し、踏み込みながら剣も突き出す、剣を突き出し切った時に剣先が下がってしまわない様に握力も鍛えなければ…
「ふぅ…」
「やっぱり凄いねー!ロキオン君の剣さばき!!」
「そ、そうですか?照れるなぁ」テレテレ
「何か手伝えることある?」
「そうですねぇ…じゃあさっきの魔法を俺に撃ってくださいよ」
「大丈夫なの?怪我しちゃわない…?」
「実戦で怪我しないための訓練ですから、大丈夫です、そんなヤワじゃないですよ」
「…分かった!任せて!」
エルルさんが俺の前に来る、そして杖を構えて詠唱を始める。
「【私の願いの元、彼を凍てつかせ!】」
「【イス】!!!」
魔法陣が展開され氷のつぶてが飛んで来る、俺は剣に炎の魔力を纏わせながらつぶてに剣を振るう、魔力と魔力が相殺され剣は凍らない、そして俺は剣を少し右に傾けつぶてをそちらに逸らす
「【イス】【イス】!!」
どんどんつぶてが飛んで来る、俺は右へ左へとつぶてを受け流し、時に打ち返してつぶてとつぶてをぶつけたり、避けたりした
「ふぅ…ありがとうございました」
「全部弾いちゃうなんて凄い…!!」
「剣士の嗜みですよ、単に受けるだけだと力が強い相手に押し負けてしまう」
「ふむふむ?」
「だけど力を横に流すと例え力で劣っていても勝てる形に持っていける」
「なるほどぉ…!だからあのブラットサッカーのも受け止められたんだ!」
「そうですね、ああいう大型の魔物にはやはり力押しでは勝てませんからね」
まぁブラットサッカーの一撃をうまく流せなかったから、訓練しに来たんだけどねぇ…
それは置いといて訓練を終えた俺たちは、また自室に戻った。そして俺は、今日のスケジュールをエルルさんに相談するのだった。