食事②
「さてと...」
俺は料理ができるまでの間、ギルドの外に出て近くの雑貨屋に向かった。この国は水の都と言われるだけあって小さな川が道にあって、どこでも涼しげだ。
「ここのにしようかなっと」
俺はある程度進んだ先にある雑貨屋に入った。中に入るとさまざまな雑貨が並んでいた。提灯とよばれるらしい不思議な異国の灯り、動物のお面、光ってるお菓子、様々なぬいぐるみ、とても面白い物が沢山置いてあるようだ。
「あの〜すみません」
俺は店員らしき人物にカピバルのぬいぐるみの場所を訪ねた。
「はい!なんでしょう?」
「すみません、カピバルのぬいぐるみってどこにありますか?」
「それでしたらあっちにありますよ!」
指差す方向には様々なサイズのカピバルのぬいぐるみがあった。
「ありがとうございます。因みにおいくらでしょうか?」
「手のひらサイズの物が5F、次のサイズは20F、さらにその次は50Fで最大サイズは100Fとなります」
「そうですか、重ね重ねありがとうございました」
「いえいえー!」
最大サイズ…カピ丸さんには及ばずとも普通のサイズのカピバルよりは全然大きい…
こんなの買ったらすごい喜んでくれるだろうなぁ……
ーー妄想
「ほら、約束のカピバルだよ」キリリッ
「わぁぁ大きい!ありがとうロキオンくん大好きぃぃぃ!!」ギュゥゥ
「はっはっは!礼には及ばないよ!」キラーン
ーー妄想終わり
「へ、へへっこれにしよう…おっと鼻血が…」タラァッ
ちょっと邪な気持ちを抱きながら俺は最大サイズのカピバルのぬいぐるみを持って、会計に向かった。
「すみませーん、これ下さい」
「はーい、100Fになりまーす」
「よいしょっと…あとプレゼント包装をお願いします」
「分かりました、少々お待ち下さい」
店員さんがカピバルのぬいぐるみを杖で小突いて、赤色のリボンも小突くとみるみるうちにぬいぐるみが包まれていった。
「ありがとうございました!またお越しください」
俺はぬいぐるみを抱えながらギルドに戻っていった。
ギルドの食堂に戻ると自分たちの席に既に料理が運ばれていた。
「もうロキオン君どこいっ…そ!そりぇは!!!」
来たっっ!!ここだ!!!
「ほら、約束のカピバルだよ」キリリッ
「わぁぁ大きい!!ありがとうロキオン君大好きぃぃ!!」ギュゥゥ
「はっはっは!礼には及ばゴプェドプォォ!!!」ゴポポォッ
「ロ、ロキオンくぅぅぅぅぅん!?」
なんてこった...妄想をはるかに超えた可愛さに俺が耐えきれなかった…我が生涯に一片の悔い無し…
「ゴフッゴフッ…冗談ですよ…二割くらい」
「ロキオン君大丈夫…?」
「あなたの可愛さで全回復…ゲフンゲフンッ大丈夫ですよ、それよりそれで良かったですか?」
「うん!とっても嬉しい…でも高かったんじゃないの?」
「まぁ少々掛かりましたが、なに臨時収入のお陰でまだまだプラスですから安心してください」
「わーい!やったやった!」
「ふふふ…さて、ご飯にしましょうか」
「そうだね、冷めないうちに食べよう!」
俺たちは目の前のテーブルに目を落とす、相変わらずとっても美味そうな料理が並んでいる。
俺の方はステーキ、ドラゴンの尻尾を輪切りにして焼いたステーキだ、肉厚でとてもボリュームがある、味付けは塩コショウとカシハの葉が少し使われてるみたいだ。
エルルさんはサラダとシチュー、サラダはマギフラワーをメインに色んな薬草や野菜がのってる、ドレッシングはメモンをベースにしたサッパリした物だな。シチューの方はターキィを使った濃厚なシチューだ、ターキィから出た出汁が良い味を出してそうだ。
「それじゃ!」
「「いただきまーす!」」
ガツガツ…モニュモニュ…パクパク
このステーキ美味いな…味付けに使われてるカシハの葉が絶妙にバランスを取ってる…味付けがシンプルな分、ドラゴンの本来の味と言うか野性味と言うか…とにかく物凄く充実した気分になる
「美味しいですね」
「うん!とっても美味しいねー」
「一口食べますか?」
「えっ?良いの!じゃあこっちも一口ね!」
互いのを一口ずつ食べる。
なるほど…マギフラワーのサラダはこのメモンの酸っぱさを軸にした爽やかな一品…対してシチューはターキィの出汁でこってりじっくりな味の一品…交互に食べる事でもたれず食べられると言うことか…
「とても美味しいですね、今度は俺もバランス考えてみようかな…」
「サラダも良いものでしょ?そっちのステーキも美味しいね!」
ん?待てよ...今スプーンを間接...キ....キスを....!!!!
「ヘプッッッ」ブシュゥゥッ
「ロキオンくぅぅぅん!!?また鼻血が凄い出てるよ!?ロキオンくぅぅぅぅぅん!? 」
こうして(色んな意味で)幸せな食事は終わった。
ロキオンは失血死しません(真顔)