ギルドマスター
ピヨヨ……ピヨピヨ……
「んっ…朝か」ガバッ
鳥の鳴き声で目が覚めた、部屋はまだ少し薄暗いからきっとエルルさんは寝ているのだろう。
それにしても昨日ガジドラさんに言われたもののやっぱり今回の件は気になる…一応エルルさんに確認して賛同してくれたら、討伐されたトゲうさぎを見に行こう……
「んんぅっ……」
「あっ起きましたか?」
「んぅ…」コシコシ
寝顔のエルルさんマジ天使だが、寝起き直ぐの寝ぼけ眼エルルさんも最高ゴプァァァッ
「……ロキオン君大丈夫?」
「はっ!?だだ大丈夫です、何でもないです!」
「それなら良いんだけど……」
「そ…それよりも昨日の件はどうしますか?」
「それはどういう意味で…?」
「端的に言うなら、首を突っ込むか突っ込まないかです」
「……正直私はちゃんと調べたい…かな?」
良かった……エルルさんも一応同じ考えを持ってくれてるみたいだ、これなら一緒に行動してくれる筈だ
「ただ……」
「ただ?」
「何と無くなんだけど、結構危険なことに巻き込まれる気がする……」
「それは……」
それは確かにそうだ、おそらく禁止されている魔法やその類を使っている、と言うことはそれだけ高位の魔導師か魔術師が介入している筈……きっとワイズマンクラスを軽く超えた実力を持っているだろう、そんなやつらと敵対するって言うことはあのトゲうさぎ以上の魔物を送ってきたりするかもしれない……トゲうさぎならまだ良いがきっとあれは別な魔物や人にも掛けられるはず……もしもっと強い奴が掛けられたらヤバイな……
「だからね、キチンとギルドマスターとかに話しておいた方が良いと思うの」
「そうですね…もし俺達が原因でギルドが狙われたりなんかしたら嫌ですしね」
「うん、それにこの問題の解決の引き金も必要だからね」
「それもそうですね、誰かがやり始めれば自ずと情報も集まるでしょうしね」
これからの方針も決まり、これからギルドマスターに会いに行ってその流れでデカイトゲうさぎを見せてもらいに行くことにした。ギルドマスターはギルドのてっぺんに、トゲうさぎは制作練の素材置き場に一時的に置いているらしい。
ーーギルドマスターの部屋前
ギルドの中心の建物を登りギルドマスターの部屋の前にやって来た、いつ見ても尊厳がある大きな扉だ。
「そういえばエルルさんはギルマスにあったことはありますか?」
「んー無いかなぁ…ギルド登録の時も副ギルドマスターがやってくれましたし」
「そうですか、じゃあ少しびっくりするかもしれませんね…ふっ」
「んっ?それってどう言うーー」
ーー扉を開けると豪華な椅子に座っている「幼女」が居た
「ふふっこんにちは」
「こんにちはマスター」
「ァ……ェト……」(口をパクパクさせる)
「どうしたのかしら?ウフフ」
「エルルさん?どうしました?」
「ぇ…えと……あのナイスバディな……お姉さんがマスターですか?」(小声)
ん?ナイスバディ……?俺はどストライクな「幼女」にしか見えないのだが……幼女のギルマスだからビックリすると思ったんだけど……?
「俺には小さい女の子みたいに見えるんですが……」
「えっ?物凄くあの……大きいと言いますか……とにかく小さい女の子では無いと思うんだけど…」
「むむっ…??」
2人で悩んでいるとギルドマスターがニコニコしながら喋り出した
「ウフフ、からかっちゃってごめんね。多分2人が思ってる姿は私の魔眼によるものよ」
「「えっ!?」」
「私の名前はエレンノーラ、ここのギルドのマスターをやっているわ」
名前を聞いた途端に彼女の姿が一瞬ぼやけて、また同じ姿の幼女が現れた。
「どう?これが私の本当の姿よ」
「えっ……子供……」
「子供じゃないわ!!おほんっ……私はこう見えて貴方の倍の倍ほど生きてるわ」
「ええっ!?それはとんだ無礼を……」(あたふた)
「良いのよ、分かってくれれば」
「あのぉ……俺は何にも変わったように見えないんですけど」
「そんなはずは……!?もしかして貴方幻術かからない体質なのかしら?」
「いやぁ……?そんな事は無いとは思うんですけど」
「となると……もしかして貴方ロリコン?」
え?
「私の魔眼は【相手の理想とする自分】を見せる物なの、だからそうかなーって」
「ねぇねぇロキオン君、ロリコンって何?」
「それは私が教えてあげるわ、ロリコンって言うのはーー」
「わぁー!!?ロリコンって言うのは子供好きのお兄さんっていう意味だよぉぉ!!」
「もごもご」
とっさにギルドマスターの口を押さえて掻き消してしまった……
「えーこほんこほん、この話はこれで終わりにしましょう」
「ロキオン君は子供が好きなんだねー」ニコニコ
「多分違う意味での好きなんだけど……まぁいいわ」
「それで本題なんですが、最近の凶暴化した魔物について知ってますか?」
「えぇ、私にも依頼がいくつか来てたわ」
「その魔物達について調べたいなと思いここに来ました」
「わかったわ、これからそういう類の依頼はあなた達を積極的に紹介するわ、あとこのギルドに入った情報も教えてあげる」
「ありがとうございます!」
良かった……これで情報も入って来るし直接調べる事も出来るな
「じゃあ早速だけど情報をあげるわ、ガッジ達の捉えた巨大トゲうさぎは今制作練の素材置き場に仮置きしてるわ、そこで調べてるらしいからあなた達も行ってらっしゃいな」
「分かりました!行って来ます!」
俺たちはマスターに別れの挨拶をして制作練に行くのだった。
長らく投稿せずすみませんでした!




