表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽世の竜 現世の剣  作者: 石動
第2章 御盾
15/76

第3話 『キュウマルシキ』

揚陸から4日目

ブンガ・マス・リマ北東5㎞

2012年 12月31日 15時28分



「……これが『キュウマルシキ』であるか?」

 ケーオワラートが怪訝な顔で言った。彼の後方に控える衛士団の部下たちも、一様に胡散臭い物を見るような目をしている。質の悪い武具を売りつけに来た商人の売り口上を聞く態度だ。

 市街地の北東約5㎞付近。マワーレド川を見下ろす小高い丘の上に集まった彼らの前には、4両の90式戦車がその巨体を並べている。濃緑色と茶色に迷彩塗装された全長9.8メートルの車体からは、無駄を排した戦闘車両の凄みが現れていた。

 現代人であれば、たとえ兵器から程遠い日々を過ごしている者であったとしても、その迫力に圧倒されただろう。「戦車」とは、本来ならとても『分かり易い』兵器なのだ。


 であるからこそ──


 異世界の戦士たちに、90式戦車の水冷2サイクルV型10気筒ディーゼルエンジンが叩き出す1500馬力の素晴しさを全身全霊をかけて力説していた村上三曹は、あまりの反応の鈍さに大きな不満を覚えていた。

 口ひげを生やした細身の衛士が言った。

「戦さ車というからには動くのであろうがとてもそうは見えん。とてつもなく重いのだろう? ムラカミ殿」

「だから! こいつのエンジンは──」

「その『でぃーぜる』の魔術がよく分からん。巨大な『でぃーぜる』という魔獣に曳かせるのか?」

 再度説明しようとした村上三曹の言葉を遮って、衛士は見当外れのことを言った。


 堅太りの衛士が、ラインメタル社製44口径120㎜滑腔砲の砲身を見上げている。

「これは破城鎚か? 鋼のようだが先は尖っておらぬし、いささか細いように思えるのだが……」

 ボアサイトを済ませた砲手の根来二曹が、困った顔でそれに答えた。

「それは破城鎚ではなく大砲です。戦車はそこから弾を発射し、敵を撃つのです」

「その筒から火球を放つのか? では魔術士は何処に?」

「いえ、魔術士は──」


「それにしても、この臭いはたまらんな」

 ケーオワラートが顔をしかめた。視線はアイドリング中の機関部に向けられている。低音を響かせ振動する車体後面左右の排気孔からは、うっすらと黒い排気がたなびいていた。

「臭い、ですか?」

「うむ。こやつの吐く煙が堪らなく臭うぞ。何なのだこれは? 川向こうからでも分かるぞ」

「ケーオワラート団長。恐らくはこの『キュウマルシキ』の中に飼われている『でぃーぜる』の吐息でありましょう」

 柘植より先に、ケーオワラートの配下が答えた。口ひげを生やした中年男だ(ちなみにケーオワラートの配下は殆どが口ひげを生やしている)。

「ほう」

「これだけの巨体、馬や牛では曳くことは出来ますまい。また、破城鎚であるからには矢弾を防げなければなりますまい。従って、この鋼箱の中に巨体な魔獣を収め動かしているに相違在りませぬ!」

「面妖な」

「先ほどから臭うこの臭気。低いうなり声。中身はよほど醜悪で凶暴な獣でしょうな」

「なんと」

「しかし、いくら何でも大きすぎはせんか? とても動けるとは思えん」

 堅太りの衛士が装甲板を叩く。

「見ろ。響きもせん。よほどの厚みぞ。これを動かすとは如何なる獣か」

 それを聞いて、中年の衛士が陰気な口調で言った。

「おそらくは禁呪を用いて召喚されし妖魔よ。そういえば去年の夏、西の廃城を巡回しておったらな。不意にいやな気配がして、振り返ったのだが誰もいない。面妖なと思いつつも先へ進んだのだが、気配がついてくる。

 いやだのぅ恐ろしいのぅと思いつつも御役目を放り出すわけにもいかず。意を決して進むのだが、耳元でひったひったと音がする。あぁこれはアレだ悪霊だな、と──」


(これは、説明ではどうにもならんな)

 戦車を前にして何故か怪談話を始めてしまった衛士たちを前に、柘植は言葉でどうにかすることを諦めた。

 パラン・カラヤ衛士団の男たちにとって、目の前の物体は想像の埒外らちがいに過ぎた。彼らには目の前にある鉄の塊が地を走るなどとは、到底信じられないのだ。

 なまじ『通詞の指輪』でニュアンスが伝わるだけに始末が悪い。この世界で車を動かすには、何かで曳くか、魔術的な力を使うしか無い。彼らは自分たちが知る理で、目の前の物体を理解しようとした。

(その結果が『魔獣でぃーぜる』か)


 柘植は、ケーオワラートたちに声をかけた。

「我が国の言葉には『百聞は一見に如かず』とあります。この90式を実際に動かしてみせるのが、手っ取り早いでしょう」

「よかろう」と、ケーオワラートも同意した。衛士たちは「動かす」という柘植の言葉に、まだ胡散臭そうな態度だ。ただ一人、従者のカルフだけが期待を隠さない表情で、ケーオワラートの背後に控えていた。

 彼は従者という立場から、戦車に触ることも質問することも出来ず、そわそわと立ち尽くしていた。


「では、ケーオワラート団長殿。ひとつこいつの乗り心地を試してみませんか?」

「こやつに乗るのであるか?」

「はい。残念ながら定員は3名なので、団長には窮屈な体勢を我慢いただくことになりますが──宜しいですか?」

 柘植の提案に、ケーオワラートは面白い、という顔をした。

「他に何名か乗ることは可能ですが……」

 柘植はそう言って他の衛士たちを見たが、彼らは団長ほど戦車に興味を示してはいなかった。「どうせ動くものか」という態度もあからさまである。ただ一人、カルフ少年だけが、大きな瞳を輝かせて柘植を見ていた。

「あー、ケーオワラート団長殿?」

「何であろうか?」

 二人の大人は、ことさら厳めしい表情を作った。互いに視線を合わせ、心中で密かに苦笑する。

「我が『90式戦車』の馬力ならあといくらか乗せられるのですが、どうも部下の方々は乗り気では無いようですな」

「うむ。そのようであるな」

「──!」

 カルフは、一生懸命に視線で訴えている。従者である彼は勝手に名乗り出ることは許されていない。ただ、彼の顔を見れば「ぼく乗りたいです!」と墨で大書されたような有り様だ。

「うーん。では、お一人だけですか」

「まぁ、やむを得まい。いささか得体の知れぬ代物であるからな」

「誰か志願者はいませんかねぇ」

 意地の悪い大人二人は白々しい会話を交わしている。カルフはぴょこぴょこと跳ね始めた。柘植は駐屯地祭を思い出した。根来二曹が、いい加減にしたらどうです? という表情で言った。

「柘植一尉、意見具申。ここは従者の彼に体験してもらうのはどうです? 未来の衛士に我々を知ってもらうのは良いことだと思います」

「なるほど」

 柘植は、ケーオワラートを見て「宜しいですか?」と視線で尋ねた。彼は白い歯を見せ大きく頷いた。

「ふむ。カルフがもし乗りたいと申すのであれば、よかろう。ただ、乗りたがるかどう──」

「し、志願します! 異国の魔獣に乗れるとは光栄ですし、わたくしは団長の従者でありますので、常にお側に控えるべきであり、その、あの!」

 顔を真っ赤にして、間髪入れずカルフは志願した。その尻尾があったら全力で左右に振っているだろう姿に、周囲で眺めていた偵察隊員たちが爆笑する。

 ケーオワラートも、笑いを堪えながらしかつめらしく許しを与えた。見かけより面白みの有る御仁だな、と柘植は思った。



 90式戦車のエンジンが出力を上げる。大きな音と共にひときわ濃い排気煙が吹き出した。周囲で眺めていた衛士たちがとっさに身構える。一人は手を腰の曲刀に伸ばした。彼らには目の前の戦車が眠りから目覚めた魔獣に見えているのかもしれない。

 ごろりと起動輪が回る。履帯が軋む金属音が鳴った。50トンの車体が、じわりと前に進む。最初はゆっくりだった速度は、村上三曹の慎重な操縦を受け、徐々に力強さを増していった。

「う、動きよった」

「おお、タィヤーグ・ノ・リヴスの護り在れ」

 衛士たちの驚く声はたちまち後方に流れていった。履帯がマルノーヴの大地に爪を立て、泥を跳ね上げた。地面の凹凸をものともせず、90式戦車が前進する。

 柘植は車長席のケーオワラートを見た。その顔は、さすがに驚きを隠さない。

「真に動いておるな、このような重く大きな車が。信じられんが、我が身は確かに此処にある」

 カルフはといえば言葉も無いようだ。口をぽかんと開いて、あちこちを見回していた。

「操縦手、前方1000のボサを回って戻る」

『了解』



「ツゲ殿、これが『センシャ』か。凄まじきものであるな」

 ケーオワラートは感に堪えないという様子だ。身に纏う長衣が合成風にたなびいている。

「まるで鉄の竜だ。かくも巨大な代物をこのような速さで走らせるその魔術、我には想像もつかん。貴殿の国は余程魔導が進んでおるのだな」

「はい」柘植は素直に頷いた。ニヤリと笑う。

「ケーオワラート団長殿。この戦車は今の3倍速く走れますよ」

「何!? 3倍だと? 軽騎兵並みではないか……うむぅ、この巨体が騎馬並みの速度で迫れば、重装歩兵の戦列など薄絹よりも容易く破られよう」

 90式戦車は時速約20キロで丘を下る。低木の茂みを履帯が噛み砕く。大きな窪みもものともしない。柘植はサービスとばかりに砲塔を左右に旋回させた。

「いかがですか?」柘植が尋ねた。

 キューポラの縁に手をかけ彫像のように微動だにしなかったケーオワラートは、前を見つめたまま答えた。

「この眺め、まるで我が身が巨竜になったかと思うほどだ。ツゲ殿、一つ伺いたいのだが、貴国にこの『センシャ』はどれほどあるのか?」

「我が国全体では、およそ数百」柘植は曖昧に答えた。

「数百! この鉄竜が数百か?」

「ええ、私の中隊には18両あります」

「そうか……」

 ケーオワラートは黙り込んだ。下を向き肩を震わせている。柘植はその態度を訝しんだ。

「……フフ」

「ケーオワラート団長殿?」

「グァハハハハハハハッ!」

 突然ケーオワラートは大声で笑い出した。愉快で仕方がないかのようだった。

「ツゲ殿よ。貴殿の国は何ということを考えるのだ。鉄の竜が地を駆け、あらゆるものを薙ぎ倒す。それが数百頭だと?  見よカルフ、この景色を。帝國の重装歩兵も、重騎兵も、魔術士の放つ雷や火球でさえもものの数では無いぞ。学べよ!」


 戦車の威力を少しは分かってもらえたようだ。この時柘植はそう思った。直後に車体が岩に乗り上げ小さく跳ねたため、そちらに気を取られた柘植はケーオワラートが碧空を見上げ静かにつぶやいたことに気付かなかった。


「あの時、この『センシャ』が我らにあれば……」

 ケーオワラートの顔は、寂寥感と自責に暗く沈んでいた。一人、カルフだけが気遣うように彼を見つめていた。




 硬質な音を内包した轟音が、見る者の耳朶を激しく打った。一拍遅れて生暖かい空気と共に、衝撃波が眼球を歪ませる。初めて見る戦車砲の射撃は、彼らの目を眩ませるのに充分な威力を持っていた。

 90式戦車から放たれた120㎜多目的対戦車榴弾は、標的とされた1500メートル先の廃馬車を容易く貫通し、背後にあるバックストップ代わりの丘で炸裂した。轟音と共に土砂が噴き上げられる。

 土煙が晴れると、廃馬車はバラバラに砕けていた。


「おおおおお、なんたる威力!」

「こ、腰が抜けた。何ちゅう音だ」

 すでに衛士たちは戦車の威力に心を奪われていた。団長を乗せ軍馬より速く駆ける90式戦車の姿は、彼らに衝撃以上の何かをもたらしていたのだった。

 そして、射撃訓練が始まった。

 ある者は轟音に腰を抜かし、ある者はその威力に目を見張った。ケーオワラートですら、二、三度頭を振り「信じられん」と呟いたほどだった。カルフに至っては、惚けたような顔で地面に座り込んでしまっていた。


 衛士たちは喜び、口々に戦車を讃えた。乗員たちも愛車を褒められ嬉しくない筈がない。すぐに両者は打ち解け、飯を食いながらの交流が始まった。


「おーい、カルフ君」根来二曹がカルフを呼んだ。

 カルフは、車体側面のスカートをのぞき込むのを止め、振り返った。

「何でしょうか?」

「君、戦車は好きかい?」

「はい! 今日一日でとても好きになりました。どれだけ見ていても飽きません」

 子供らしい素直な答えに、根来は笑顔を浮かべ雑嚢から何かを取り出した。インスタントカメラだ。


「じゃあ、良い物をあげよう。ちょっと戦車の前に立ちなさい」

「? こうですか?」カルフは小首を傾げつつもちょこんと戦車の前に立った。

「皆さんも写真、いかがです?」

「何だそれは? なに写し身?……いや、遠慮する」

 根来の誘いは、腕組みした衛士たちに断られてしまった。カルフもやや恐ろしいようだ。根来はカメラを構えた。

「じゃあ、撮るぞ。ほらもっと笑えよ。そうそう──チーズ」

 カシャリ。

 チープな音がして、小さな写真が繰り出された。根来は指で摘まんだそれをパタパタと振りながら、カルフの所に歩く。


「根来さん、何でそんなものを?」村上が尋ねた。

「同期に聞いたんだ。海外でモテるにはコイツがいいんだと──ほい」

 根来から写真を受け取ったカルフは、怪訝な顔をして彼を見上げた。

「黒い紙? 何ですかこれは?」

「いいからいいから。暫く眺めてごらん」

「は、はぁ」

 すると、暫くして徐々に画が浮かび上がってきた。90式の隣で固い笑顔を見せる少年の姿。カルフはそれに気付くと震える手で写真を持ち、もう一度根来を見上げた。

「こ、これは私ですよね!? ネゴロさまは魔術士だったのですか? 凄い! 私が『センシャ』と写っている」

「あげるよ」

「え?」

「君にあげる。記念になるだろ?」

 固まった。数秒間の後、根来二曹の言葉が彼の脳細胞に浸透しきると、カルフは華のような笑顔を満面に浮かべ、飛び上がって喜んだ。

「ありがとうございます! 凄い凄い! 家宝にしよう! 見てくださいジュンジーヤさま。これ私なんですよー」

「ほ、ほう。これは……」


 遠巻きにしていた衛士たちも、写真を覗き込んで驚きの表情を浮かべた。根来は満足気にその様子をみている。村上が言った。

「凄い威力っすね」

「だろう? ここまで喜ばれるとは思わなかったけどな」

「魔術士扱いですよ? 見てくださいカルフ君尊敬の眼差しでこっちを見てます。今度貸してください」

「ナンパに使う気だろ」


 カルフはクルクルと回りながらいつまでも喜んでいる。根来がそんな姿を眺めていると、ふと90式の前に三人の人影が立ったのに気付いた。

 衛士たちであった。何かを訴える目つきでこちらをじっと見ている。ヒゲ面の三人が黙って立っている姿に、根来は気圧された。だが、衛士たちは何も言わない。

「……えっと」

 堅太りの衛士が左手を曲刀に添え、右手を腰に当てて立っている。

「……その」

 細身の衛士は両腕を組み胸を張っている。

「もしかして」

 ジュンジーヤと呼ばれた中年の衛士は、口ひげを撫でつけ、90式の車体に肘を置き、片手を顎に添えた。

「……撮ってほしい、とか?」


 こくり。


 三人の衛士は揃って恥ずかしそうに頷いた。



「パラン・カラヤ衛士団というのは、つまり『パラン王国衛士団』なのですよね。王国はどの辺りにあるのですか?」

 柘植は、大騒ぎする部下たちを眺めながら、ケーオワラートに聞いた。ケーオワラートは少し逡巡する素振りを見せた。やがてゆっくりと話し出した。

「その通り。我らはパラン王国近衛衛士団であった。王国はブンガ・マス・リマより遥か南方にある豊かな島国、であったよ」

「であった?」



「王国は滅びたのだ」



「! それは……」柘植は絶句した。ケーオワラートは苦い笑顔を浮かべ静かに言った。

「良いのだ。今より十年前、聡明なるカラ・マレファ陛下の元、王国は平和に栄えていた」

 そこで、ケーオワラートは小刻みに震えだした。気が付けば額にびっしりと脂汗を浮かべている。

「だが、あの日。あの忌まわしい『ものども』が、冥い海より王国を襲った。我らは何も出来なかったよ。国と国王陛下をおめおめと喪った我らは、辛うじて大陸までたどり着いた。思えば何故生き延びてしまったのか……」

「……」

「生き恥を晒した我らは、屍に等しかった。だが、そんな我らを救って下さったのが、先代のブンガ・マス・リマ参事会議長閣下だ。彼は我らを励まし、叱咤し、目的を与えてくれた」

 ケーオワラートの瞳に力が戻る。彼は柘植の目を真っ直ぐ見つめて言った。

「ツゲ殿、貴殿の軍は臣民を護るためにあるのであったな?」

「はい。我々自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国民の生命と財産を守る為に存在しています」

 柘植が答えると、ケーオワラートは大きく頷いた。

「我らも同じだ。我らは恩に報いる為にも、身命を賭してブンガ・マス・リマを護る」

 ケーオワラートのゴツゴツした両手が柘植の両肩に置かれた。

「貴殿の軍は強い。だが心せよ。喪うは容易く、護るは難い。ひとたび喪えば取り返しはつかぬ。貴殿にはそのような思いをして欲しくないでな。努々油断は禁物ぞ」



「義勇軍が北へ向かうぞ!」

 誰かが叫んだ。その声に導かれ街道に目をやると、そこには北へ向けて進軍を開始した、ブンガ・マス・リマ市義勇軍の姿がある。兵の隊列と荷馬車が長蛇の列を組んでいた。

 側面を守るべく、馬に乗った冒険者たちがパーティー単位で左右を固めている。彼らは手を振る自衛官たちに応え、手にした得物を振りかざすと、北へ向けて歩みを進めていった。


「彼らは勝てますかね」

 柘植がふと漏らした言葉に、ケーオワラートが返した言葉は、微かに震えているようだった。



「──勝つ。彼らは勝たねばならんのだ」




 知らない人が見たときの『兵器』の姿。よく見る状況ですが、実際のところどのように感じるものなのでしょうね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ