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エイプリルフールネタ「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」

お久しぶりです 三嶋与夢 です!


最近まったく更新をしておりませんが、元気にやっております。


今回はエイプリルフールと言うことで、Twitterでアンケートを求めたところ「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」のSSを書くことにしました。


Twitterのアンケート機能って便利ですね。初めて使いましたよw


さて、嘘のような本当の話をさせていただきます。


BookLive様で「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 1巻」が本日4月1日限定で 100円で販売されています。※嘘じゃないよ。


電子書籍になりますが、この機会に書籍版も読んでみたいという読者の方には丁度良いのではないでしょうか? 面白かったら続刊も買ってね!


そして、今月9日には「コミカライズ版 乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 3巻」が発売となります!!


こちらもご予約していただけると嬉しいです。


それでは、今後ともよろしくお願いします。


 四月一日はエイプリルフールだ。


 嘘を吐いてもいい日、となっている。


 しかし、実はその由来は諸説あると言われている。


 午前中に嘘を吐き、午後にばらすというルールも世界共通ではないようだ。


 そもそも、この話自体がエイプリルフールの嘘という説もある。


 何が本当で何が嘘なのか。


 何とも不思議なのがエイプリルフールだ。


「ルクシオン、今日はエイプリルフールだぞ」


『――そうですか』


「嘘を吐いてもいい日。だが、悪意のある嘘は良くない。可愛い嘘が好まれると思わないか?」


『以前に俺は嘘を言わない男だ、みたいな台詞をマスターは言っていましたが?』


「覚えてないな」


『本当にいい性格をしていますね。それで、誰にどんな嘘を吐くのですか?』


「決まっている。こういうのは人選が大事だからな。俺が嘘を吐いても笑って許してくれるのは、リビアとアンジェだ」


 婚約者である二人になら、可愛い嘘を吐いても許されるだろう。


 問題はどの程度の嘘がいいのか、だ。


 こういうのは塩梅が大事だ。


 ただ騙せばいいというのは、三流の考えだ。


 騙された相手が笑えるくらいがいい。


『あの二人に、ですか?』


「そうだ」


『――まぁ、いいでしょう。どうせ失敗するでしょうけどね』


「は? しねーよ。俺、こういうのは得意だし」


『普段から嘘ばかり吐いていますからね』


「お前は本当に口が悪いな」


『マスターほどではありませんよ。それで、どんな嘘を吐くのですか?』


「二人が幸せになる嘘がいいな」


『幸せな嘘、ですか。何とも意味深ですね。マスターは嘘ばかりなので、今更一つくらい嘘が増えても面白みがないのでは?』


 相変わらず俺に辛辣だな。


 だが、俺は他人のためを思う嘘は大好きだ。


 世の中、真実の方が残酷ということもある。


 いや、待てよ――ならば、いっそ真実を嘘にしてしまうのはどうだろうか?


 俺が転生者である事を二人に告げてみるのは?


 その後に冗談だと言えば、驚かせる程度で済むのでは?


「ルクシオン、思い付いたぞ」


 俺が笑みを浮かべると、ルクシオンの丸い瞳が怪しげに見つめてくる。


『どうせろくな話ではないのでしょうね。――で、どのような嘘を?』


「嘘は真実を混ぜると真実味が増すって知っているか? 俺が転生者だと打ち明けて、その後に嘘だというのさ」


『それは可愛い嘘なのでしょうか?』


「ちょっと面白いだろ。二人がどんな反応をするか見て見たいし」


 それでは、早速二人に真実を嘘として告げてみよう。


 ウキウキしている俺を見て、ルクシオンは一つ目を横に振っていた。



 俺は二人をお茶に誘った。


 俺が用意したお茶を飲む二人は、急な呼び出しにも笑顔で喜んでくれる。


 これを他の女子にしようものなら、罵声を浴びせられるところだ。


「リオンが急に呼び出すとは珍しいな」


 アンジェが俺を見て何かあったのかと、予想していた。


「そうですね。でも、その割にはお茶やお菓子の準備も整っているというか」


 リビアはテーブルの上のお茶やお菓子が充実しており、前もって準備をしていたのではないかと疑っているようだ。


 それは誤解だ。


 俺は常にお茶の準備をしている。


 だって好きだから。


「実は、二人には伝えていないことがあるんだ」


 深刻な顔をする俺に、アンジェも表情が変わる。


「リオン――女か?」


「へ!? い、いや、違います。実は、俺の生まれについてのことで」


 いきなり女性の話になり慌てると、リビアが俺の顔を覗き込んでくる。


「生まれですか?」


「そ、そうなんだ。実は俺――前世の記憶を持っているんだ」


 そこから俺は、前世の話をする。


 大地は浮かんでいないし、今よりも発展していた世界に暮らしていた、と。


 真実を混ぜた嘘というのは、真実味が増す。


 ペラペラと話をする俺の話を聞いている二人は、以外にも真剣な顔をしていた。


「あ、あれ? 二人とも、どうしたの? ここは普通、そんなのはあり得ないとか言わない? もしくは、俺を心配するとか」


 すると、アンジェが紅茶を一口飲んでから、驚きの真実を語りはじめた。


「そうか。お前も転生者だったのか。実は私も同じなのだ」


「え!?」


 驚くと、リビアが笑顔でアンジェの手を握る。


「アンジェも同じだったんですか! 実は私も転生者です。良かった~。一人じゃないんですね」


「え!?」


 リビアまでもが転生者だと言いだし、俺は混乱してしまった。


 アンジェが目を閉じて前世の話をし始めた。


「私の前世は、ある男性と来世で出会うと約束していたな。生きている間は結ばれなかったが、死ぬ直前に互いの気持ちを確認したのさ。もっと早くに告白しておけば良かったと、後悔していた」


 リビアが涙を拭う仕草をする。


「そうなんですね。私も前世である男性を捜していました。結局会えなかったんですけど、来世では必ず巡り会うように願っていました」


 二人の話しに理解が追いつかない。


 俺はガタガタと震えてきた。


 だって、今まで信じていたものが、全て幻であるかのように崩れ去っていくのだ。


 え? 二人とも転生者だったの?


 もしかして、転生者って珍しくない?


 俺が驚きつつもルクシオンに助けを求めるため視線を向けると、何やら嬉しそうにしていた。


『これは意外な真実でしたね、マスター』


 声色がしてやったり! みたいな感じだったから即座に気が付いた。


「お、お前、まさか」


 二人の顔を見れば、楽しそうに笑っている。


 アンジェとリビアがハイタッチをしていた。


「リビア、どうやら成功したらしいぞ」


「やりましたね、アンジェ」


 俺はここで気が付いた。


 嘘を吐こうとしたら、嘘を吐かれていたのだ、と。


 転生者の話は嘘だった。


 脱力する俺は、二人に事情を聞く。


「どうして俺が嘘を吐くと分かっていたの? いや、大体予想はつくけどさ。そこの裏切り者が教えたんだよね?」


 アンジェが正解だと言い、それから俺を優しく叱ってくる。


「そう怒るな。笑って許すのもエイプリルフールなのだろう?」


 リビアが嬉しそうにしているのだが、どうにも様子がおかしい。


「でも、嘘を吐いてもいい日って凄いですね。私の地元にはありませんでした」


「――え?」


 驚いている俺に、ルクシオンが小声で解説してくる。


『異世界にエイプリルフールがあると本当に思っていたのですか? 私がフォローしなければ、今頃は誤解を解くために大変なことになっていましたよ』


「お、おぅ、感謝しとくわ」


 まさか、初手で間違っていたとは思わなかった。


 これではルクシオンを叱れない。


 アンジェが俺に微笑んでくる。


「それにしても前世か。もしも本当にあるのなら、私はお前とどこかで関わっていたのかもしれないぞ」


「そ、そうだね」


 ないと思うけど、断言すると角が立つので頷いておいた。


 リビアもアンジェの考えに共感する。


「きっと三人で出会っていたと思いますよ。そう思うと、何だか運命的ですよね」


 運命――俺がこの世界に転生した経緯は、話さない方がいいだろうな。


 だって酷いし。


 マリエにゲームをやらされた疲れで、階段でこけて死亡って――うわ、笑えない。


 二人と運命的な関わりなんてあり得ないだろう。


 しかし、真実を告げるのが正しいとは限らない。


 運命を感じてくれるなら、そっちの方が俺としても嬉しいから黙っておこう。



 エイプリルフールが失敗した俺は、自室でベッドに横になっていた。


「お前も酷いよな。人工知能なのに人を裏切るなんて。いや、人工知能だからか?」


 創作物で人工知能が裏切るのは定番だ。


 そう思うと、ルクシオンも怪しいな。


 そんな疑問を投げかけると、ルクシオンが――。


『そうですね。実際、いつマスターの寝首をかいてやろうかと、狙っていたこともありますし』


「――え?」


『――嘘ですよ。エイプリルフールです』


「お、おま、それ少し本気だっただろ! まさか、本当に俺を裏切るつもりだったの!?」


『嘘だと言ったじゃないですか。嘘を笑って許すのもエイプリルフールですよ』


 ――信じられるか。


 冷や汗をかいてしまったよ!


「嘘にも良い嘘と悪い嘘があるだろうが! お前のは笑えないんだよ!」


『今はそんなことは考えていませんよ』


「今!? 今、って言ったか!」


『聞き間違いでは?』


「いいや、聞こえたね!」


 くそ――ルクシオンに弄ばれている。


 俺の華麗なるエイプリルフールの計画が、全て台無しだ。


若木ちゃん( ゜∀゜)「みんな、久しぶり! みんなのアイドル苗木ちゃんよ。モザイクって呼んだら、夢に出てやるからね!」


若木ちゃん('∀`)「エイプリルフールだけど、苗木ちゃんは真実しか話さないわ。実は、BookLive様で【乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 1巻】が本日4月1日限定で 100円 で販売されているわ。電子書籍になるけど、興味がある人は是非ともチェックしてね」


若木ちゃん( ゜∀゜)ノ「そしてコミカライズ版3巻の発売は 4月9日 よ! こっちも予約してくれると嬉しいわ。今回もカバーを外すと お色気? シーンがあるわよ。是非とも買ってチェックしてみてね」


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― 新着の感想 ―
[良い点] やっぱルクシオンだわ… うん、この感じが好きだよ
[一言] ルクシオンの毒のある会話が懐かしすぎる
[良い点] ルクシオンんんん〜〜〜(´;Д;`) [一言] 開発者の女性はアンジェだったのか。。。 リビアは誰だったんだろう??? もう一度176ページ読み直さなければ。。。
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