【乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です SS】 タイトル 「クリスマス用特別SS」
イブの日にね。
読者の皆さんに喜んでもらおうとSSを書いたんです。
え、予定?
――SSを書いてたよ(血涙)
――自分へのプレゼントはブクマとポイントでいいです。あと、書籍版を買ってください。
※こちらは自作品のクロスオーバーになっており、メタ的な内容になっております。
作品の雰囲気を大事にされたい方は、読まないことをお勧めします。
【登場人物】
「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」 マリエ
「セブンス」 シャノン
「俺は星間国家の悪徳領主!」 ロゼッタ
「マリエと!」
「シャノンと!」
「ロゼッタの!」
「クリスマス特別SSゥゥゥ!」
ロゼッタが注意事項を説明する。
「このSSは“乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です”からマリエさんが。そして“セブンス”からはシャノンさんが。“俺は星間国家の悪徳領主!”からはダーリンの妻であるロゼッタが参加しているわ。メタ的な内容になるから、それが嫌なら黙って「戻る」を選択してね」
サンタコスをしたマリエ、シャノン、ロゼッタの三人が楽器をパフパフと鳴らしている。
場を仕切るのはマリエだ。
「いや~、それにしても今年も色々とあったわね」
しみじみと語るマリエに、シャノンが頷いている。
「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です、は完結したものね」
マリエは笑みを浮かべる。
「私、イケメンたちと幸せな結婚をして終了したの。これって勝ち組よね? ごめんね、一人だけ幸せになって」
シャノンが額に青筋を浮かべた。
「はぁ? 何それ? 私のことを馬鹿にしているの?」
「だってあんたの旦那って、ハーレム野郎よね? 他の女に手を出す男とか、本当に最低だと思うわ」
「旦那を何人も囲っているあんたに言われても説得力ないわよ。大体ね、あんた本当に幸せなの?」
「はぁぁぁ!? 幸せに決まっているでしょ! 生活の心配もなく、イケメンの旦那たちに囲まれているのよ。どこが不幸だって言うのよ!」
シャノンがニヤリと笑みを浮かべる。
「え~、だって――あんた、前世のお兄さんに、未だにお世話になっているじゃない。生活費を送ってもらっているのよね?」
「だ、誰から聞いた!」
「イケメンでも、生活能力に不安がある男って駄目よね~」
二人がつかみ合って喧嘩を始める。
「お前の旦那はヒモだろうが!」
「ヒモじゃねーよ! たとえヒモだったとしても、一流のヒモよ! お前の旦那たちもヒモみたいなものじゃない!」
「みんな、一応は働いていますぅ~」
醜く争い合う二人を見つつ、ロゼッタが宣伝を開始する。
「セブンスも乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です、も既にWeb版は完結しているわ。でも、書籍版はどちらも続いているから、気になる読者さんはチェックしてね。セブンスは一から八巻までが好評発売中で、乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です、は一から四巻までが好評発売中よ。こちらはコミカライズが一から二巻まで発売しているから、そちらも楽しんでね」
マリエとシャノンが息を切らしながら、争いを止めた。
「はぁ~、はぁ~、何でこんな小娘と喧嘩したのかしら? 私、作品で屈指のヒロインなのよ。こんなのおかしいわ。ハーレムメンバーの一人でしかない小娘と喧嘩するなんて、よく考えると大人げないわね」
その言葉にシャノンが激怒する。
「私だって人気でしたぁ~。感想欄でもよく名前が出て来たもん!」
「もん、なんて使う奴にろくな女はいないのよ! それに、私はちゃんと人気投票で一位を取ったわ」
オホホホ、と高笑いをするマリエをシャノンが悔しそうに見ている。
ただ、ここでロゼッタがマリエのフォローをしようとして――。
「そ、そうですね。四巻ではマリエさんが一位だったそうですよ。凄いですよね。単巻でも一位を取るなんて。主人公のリオンさんと僅差でしたけど」
「ごふっ!」
マリエが咳き込む。
「あ、あんた、味方のふりをして私を責めるの? 確かに人気投票では兄貴がずっと一位だったわよ。トータルで考えれば兄貴が一位よ。でもいいじゃない。せっかくの見せ場なのよ。私の見せ場だったのよ!」
シャノンが鼻で笑う。
「ご自慢のイケメン旦那たちに苦労させられるのが、最大の見せ場ですって。――かわいそ」
「お前、表に出ろ! ギッタンギッタンのボコボコにしてやるよ!」
「やってやろうじゃない! 先輩舐めんなよ! 作品の順番的に、私の方が先輩だからね!」
二人が喧嘩するのを、ロゼッタが困ったように見ていた。
またも二人が疲れて喧嘩を止める。
すると、マリエとシャノンが顔を見合わせる。
「ねぇ、ロゼッタ。あんたは旦那に不満とかないの?」
「そうよ。駄目なところを教えなさいよ。リアムの駄目なところを教えて。あいつ、ライエルより性格ねじ曲がってそうだもの」
すると、ロゼッタは照れながら言う。
「ダーリンはとても凄い人です。私は婚約できて幸せですわ」
マリエがロゼッタの輝くような笑顔を見て、嫉妬に顔を歪めた。
「で、でも、失敗して貧乏になったら嫌でしょ?」
「とんでもない! その時は、ダーリンは私が支えます! 私が働きますわ」
そんなロゼッタの答えを聞いて、怠け者のシャノンが顔をそらした。
「く、口では何とでも言えるのよ! は、働くなんて負けるのと一緒よ!」
ロゼッタが首を横に振る。
「たとえ私が負けたとしても、ダーリンと添い遂げる気持ちは変わりません」
ヒロインオーラを出すロゼッタを前に、邪な気持ちにまみれたヒドインのマリエとシャノンは敗北感に苛まれるのだった。
「悔しい。悔しいよ。イケメンだけど、みんな問題児の私の立場が!」
「酷くないヒロインなんて卑怯よ!」
最後にロゼッタが締めくくる。
「みなさん、メリークリスマス。楽しいクリスマスを過ごしてくださいね。それでは、ロゼッタと!」
「――マリエと」
「――シャノンの特別SSでした。ちくしょう、戻ったらライエルに八つ当たりしてやる」
ライエル(#゜言゜)「ヒロインがヒドインしていない作品があるようだ。この中に裏切り者がいるぞ!」
リオン(#゜言゜)「マリエはヒロインじゃねーし! ヒロインはアンジェとリビアだし! 裏切り者はどいつだ!」
ライエル(#゜言゜)「お前だよ! お前らみんなだよ! ポン助君を見習え! 俺が同情するくらい酷いハーレムだぞ! お前らも苦労しろ、ばーか!」
リオン(#゜言゜)「うるせぇ、ばーか! ポン助を見たあとなら、お前のところはヒドインでも何でもねーよ!」
ポン助(´・ω・`)「そんなに酷いかな?」
リアム( ゜Д゜)「……」
リアム(゜Д゜;)プイッ




