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【乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です SS】 タイトル 「乙女ゲー世界はモブの弟にも厳しい世界です」

※時系列は無視してください


※GCノベルズ様より「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」と「出遅れテイマーのその日暮らし」が、12月の末頃にフェアを開催することになりました。

期間中に1~4巻をご購入いただくと、先着順で「特典SS」が手に入ります。

数量限定らしいので、是非ともこの機会にご購入いただけたら嬉しいです!

 俺【コリン・フォウ・バルトファルト】は――学園の二年生時に海外留学を決めた。


 留学先はオシアス王国。


 ホルファート王国とは、これまでに交流は少なかった。


 距離――国同士の位置関係もあって、遠い国といった印象だ。


 だが、造船技術と航行術の発展。


 更には、ホルファート王国がオシアス王国との間で、同盟を結ぼうと急いでいる。


 そのため、官民一体で交流が行われていた。


 留学話もその一環だ。


 これでも俺は継承権を持たないが、リオン――陛下の実弟で王弟である。


 政治的に色々と複雑な立場らしく、本来なら国内で兄貴の手伝いをするべきなのだろう。


 だが――今の俺は、故郷を離れたかった。


 初恋の人であるノエル義姉さんを見ていると辛い。


 それなのに、家族や王宮が見合いを勧めてくる。


 いや、分かっている。


 俺の立場が重要であり、今後のために力のある貴族や兄貴の部下たちとの繋がりを強めるためにも――俺は政略結婚をしなければいけない。


 それはいい。


 俺だって兄貴に世話になってきた。


 いくら初恋の人の相手が兄貴だろうと、恩は感じている。


 でも――故郷でノエル義姉さんを見ているのが辛いです。


 そんなわけで、王妃様に無理を言って留学を希望したのだ。


 あの人、普通に有能だから、兄貴がいるのに一部では女王陛下と呼ばれている。


 兄貴はそれを聞いても怒らないからいいが、うちの国はこれで大丈夫なのだろうか?


 さて、前置きはここまでだ。


「何で兄貴がここにいるの?」


「コリン!? 何でお前がここにいるの!?」


 スーツの上着を脱いだ姿で、次兄にしてホルファート王国バルトファルト新王朝の王がオシアス王国の学園で教師をしていた。


 これには俺もビックリだ。


「いや、お義姉さん――違った。王妃様に許可をもらったから、オシアス王国に今年度から留学するんだよ。それよりも兄貴だよ! 兄貴は王様なのに、どうしてこんなところに――むぐっ!」


「ば、馬鹿! 声が大きい! 俺が王様だって絶対に言うな!」


 兄貴が俺の口を塞ぎ、周囲を警戒していた。


 しばらく表に出てこないと思っていたら、まさかオシアス王国にいるとは思わなかった。


 というか、本当に何でこんな所にいるんだよ!?


 兄貴は誰もいないことを確認してから、俺に事情を説明する。


「コリン、実は兄ちゃん――世界を救うためにここで教師をしているんだ」


 真面目な顔をすれば、何でも通ると思っているのだろうか?


 兄貴は、それはとても真剣な顔をしていた。


「馬鹿にしているの? 冗談ならもっと面白い話をしてよ」


 兄貴がショックを受けている。


「コリンがグレた! は、反抗期ってやつか?」


「違うよ」


 昔から家族には優しい――違った。


 姉貴たちには厳しかった。厳しいのかな? ジェナ姉さんが爆弾を仕掛けて殺そうとしたのも許したから甘いのかな?


 とにかく、家族に対しては甘い人だ。


 あと、俺の初恋を終わらせた自覚がない。


 ――本当に辛い。


「兄貴、本当に何でこの国にいるの? 兄貴が足を運ぶ必要はないだろ?」


「お兄ちゃんには色々と理由があるんだよ。だが、そうだな――お前がいるなら、少し手伝って欲しい」


「手伝う?」


 兄貴が神妙な顔付きになると、俺に相談してくるのだ。


「実はちょっと困っているんだ。本当なら運命の相手がいる子に気に入られてしまったんだ」


 ――兄貴、じゃなかった。


 こいつ、もしかして外国で浮気でもしているのだろうか?


 ノエル義姉さんも、どうしてこんな人を好きになってしまったのだろうか?


 本当に泣きたい。


「兄貴、これ以上の浮気は、王妃様が本気で怒ると思うよ」


「ち、違う! 手なんて出していない! ただ、最近はちょっと――」


 焦る兄貴の言い訳を聞こうとすると、廊下の向こう側から声がかかってきた。


「あ、こんなところにいた。先生、この前の件なんですけど」


 その男子生徒は華奢だった。


 可愛い系というのだろうか?


 この学園は男子校であり、男子しかいないので当然男である。


 女の子っぽいと思ったが、こんな場所に女子がいるなどあり得ない。


 ただ、その子が来ると――兄貴の目が泳いでいた。


「いや、ほら、あれだよ! そう、知り合いの弟みたいな子が留学してきたんだ!」


「え? 兄貴、何を――」


「頼むからここは話をあわせてくれ!」


 真剣な兄貴の頼みだから、話をあわせると――近付いてきた男子生徒が俺を見る。


「何だか本当の兄弟みたいですね。そっくりですよ」


 だって兄弟だもの。


 兄貴はわざとらしく視線をそらしていた。


「良く言われるんだ。遠い親戚でね」


 男子生徒は首をかしげる。


 その仕草は、どうにも女子に見えるが――こういう子もいるというのは知っている。


「そうなんですか?」


「う、うん! それはそうと、コリンに学園の案内をしてくれないか?」


「僕が案内ですか!?」


 その子の兄貴を見る目は、どこか――熱を帯びている。


 そして俺は気が付いてしまった。


 もしかして、兄貴が困っているのは、同性に好かれたからだろうか?


 そういえば、兄貴は男たちから密かに根強い人気があると聞いた。


 モットレイ伯爵だっただろうか?


 あの人も兄貴の支持者で、恩人だと公言している。


 そして人気は――恋愛的な意味も含まれる。


 兄貴は男に好かれるのを思い出した。


 兄貴を本当に恋愛的な意味で好き、という男がいる。


 外国でもその人気が健在?だとは思わなかった。


 ナヨナヨした男子生徒に好意を抱かれ、きっと困っているのだろう。


 ちょっといい気味だと思ってしまう俺は、性格がねじ曲がっているのだろう。


 ただ、俺よりも酷い捻くれ方をしたのが兄貴だ。


「コリン! この子に道案内をしてもらえ――それとな」


 兄貴が俺に小声で話しかけてくる。


「この子はいい子だぞ。お前もきっと気に入る」


「――え?」


「あ、用事を思い出した! 二人とも、仲良くね!」


 走り去っていく兄貴を見送った俺は、二人きりになってしまった。


 男子生徒が困惑している。


 俺も困惑している。


 だって――兄貴が俺に男を薦めてきたのだ。


「嘘だろ、兄貴ぃぃぃ!?」


 これがノエル義姉さんに恋した、俺への罰なのだろうか?


 というか、確かに恋愛には距離を置いているが、イコールで男に走っているわけじゃない。


 何を考えているんだよ、兄貴!?


若木ちゃん改めモザイク(#゜言゜)「せっかく潮里先生に美少女化してもらったのに、批判ばかり言いやがって――あげく、私をモザイクですって!? 失礼しちゃうわね!」


モザイクヽ(`Д´#)ノ「こんな扱いをするなら、12月末からはじまる「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」のフェアを宣伝してやらないんだから! 期間中に1~4巻のいずれかを購入すると、特典SSが手に入ることも言わない! 入学前のリオンとマリエの特典SSが、数量限定の先着順で手に入ることも伝えないわ!」


モザイクヽ(*´∀`)ノ「それよりもコミカライズ版の作画を担当している【潮里潤】先生のTwitterをチェックしてね。私のセーラー服姿が楽しめるわ。背景にはミレーヌがいるけど、そっちは気にしなくて良いから。ミレーヌは裸だけど、気にしなくて良いから。みんな、私のイラストを心待ちにしていたでしょう? きっと気に入ってくれるわ」


モザイク( ゜д゜)?「え? コリン君の続き? ……売れたら書くんじゃない? 私は登場しないから興味ないわね」

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― 新着の感想 ―
[良い点] リオンがモテモテなところ [一言] 乙女ゲーが1番好きなので続きお願いします!!!!!
[一言] すっごい気になる砂漠の国編だから書籍でもいいんでいつか読めることを期待してます!
[一言] 続きが気になる! やっぱり面白いなー
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