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〇バンセイム王国
三百年前に存在した大陸を支配していた【セントラス王国】を打倒した国。
その後は大陸で小国が乱立。
周囲の国々を侵略する形で大きくなり、現在では大陸中心部に存在する大国になっている。
バンセイム王国の首都は【セントラル】
〇ウォルト家
大陸中央部に位置する【バンセイム王国】の領主貴族。
バンセイム王国南東に位置する辺境開発に乗り出したのは、本編開始時で二百五十年前。
八代目まで続き、騎士爵から伯爵に上り詰めた優秀な家系。
“嫁取りの家訓”と呼ばれる独特の家訓が存在している。
領主としても広大な領地を持っており、バンセイム王国内での発言力は高い。武に優れている家系でもあり、バンセイム王国では最強とも言われている。
〇ダリオン
バンセイム王国の首都セントラルの東に位置する街。
ロベーニア男爵家が領主として治めており、セントラルに一番近い領主でもある。
昔は交通の要所だったが、現在は街道がいくつも整備され衰退。
代替わりを行い、これまでの政策方針が一変しており活気のある街に生まれ変わっている。
冒険者に寛容で、新人冒険者にとってはありがたい街。
反面、冒険者として一人前になると物足りない街でもある。
〇アラムサース
学術都市と言われる変わった都市。
元はバンセイムに属していなかったが、降伏してバンセイムの支配下に。ただ、特殊な場所なので領主が存在していない。
学園という場所が権力を持っており、そこで都市の方針が決められている。
図書館や習い事に関しても充実しており、そこで勉強しようという学生や冒険者も多い。だが、冒険者を見下す傾向が強く、ギルドも学園の下部組織的な扱い。
〇冒険者ギルド
魔石というエネルギー資源を管理するギルド。
冒険者ギルドと呼ばれているのは、魔石を集めてくる冒険者の管理も行っているから。
各地に存在しているが、巨大な組織などではない。
存在しているギルドそのものが独立しており、共通の運用方法を守っているだけ。そのため、各ギルドで特徴が出ている。
依頼なども街によって事なり、それぞれに特徴がある依頼が多い。ダリオンであれば拡張工事のための人手を募集。
アラムサースでは学園の研究材料集め、など。
基本、冒険者はならず者や職に就けない者。村から出て来た若者などで、そういった人たちの受け皿になる事で王や貴族の権威が強い大陸でも存在している。
本場は自由都市ベイム。
〇魔石
魔物の体内から採取できる石。
赤い色をしており、職人たちが炉に放り投げて火力を上げる、魔具を作る材料にする、などの使い道がある。
現在、魔石を燃料に動く魔具が誕生しており、需要が高まっている。
〇魔物
どこからともなくわいてくる人類の敵。
様々な種類がいるが、普通の生き物との違いは体内に魔石があること。
食事をあまりしないでも生きていける特徴がある。
〇迷宮
様々な場所に存在する、迷路のような歪んだ空間を持つ場所。
魔物の巣窟になっており、階層が存在している。
宝箱を用意しているのは、人を迷宮内に招く餌と言われている。迷宮内で死亡すると、死体も迷宮に食われるため。
死亡した冒険者の装備品を吐き出すこともある。最下層の一番奥の部屋には、財宝として希少金属が存在している。
発生してもどんな特徴を持っているのかは、迷宮によって様々。階層主が階層毎にいる場合もあれば、最奥の間にしかいない場合もある。出てくる魔物の種類も、発掘される財宝も違う。
放置しすぎると、大量の魔物を吐き出して迷宮は消失してしまう。
また、最奥の間の財宝を手に入れると、迷宮が打倒されたとして普通の場所に戻る。
適度に迷宮に入り、そして魔物を倒せば迷宮が暴走する事もない。そのため、管理して巨万の富を得ている街も多い。ただ、失敗すると暴走して迷宮から魔物が数万、数十万と出現して外に放たれてしまう。管理がとても難しい。
放たれた魔物が襲うのは、人が多い場所。
管理されている迷宮が存在する代表格はベイム、アラムサース。
ベイムは地下百階を超えると言われる迷宮を確保している。
〇 スキル
一人につき一つだけ発現するのがスキル。
主に肉体強化、魔法強化、離れた場所が見える、などの魔法とは似て非なる効果を発揮するもの。
スキルを発現するには、肉体をスキルに適応させる必要がある。そのため、一度発現してしまえば他のスキルが発現しなくなる。
主に前衛系。
後衛系。
支援系。
の三つに分類されている。前衛系が近接戦闘に特化しており、後衛系は魔法などの遠距離系。支援系は全体的な支援が得意。
〇宝玉・玉
持ち主のスキルを記録する道具。魔具の一種。
持ち主が、三段階目までスキルを発現しないと記録しない。記録しても、使用できるのは一段階目まで。残りの二つは使用方法を知っている、名前を知っている、などの使用条件がある。
代々スキルを記録している家系も多かったが、魔具の登場とその便利さの前に衰退していった。
三段階目のスキルに到達する人物も少なく、衰退の原因でもある。受け継ぐだけでは意味がない道具。
ウォルト家が青い玉を受け継いでいたのは、代々受け継いだスキルが便利だったのと、魔具が登場した時には青い玉の方が使い勝手が良かったため。同時に、歴代全てが三段階目のスキルに到達した希有な例であるため。
宝玉は、玉の完成形。
記録していたのはスキルだけではなく、持ち主そのもの。そのため、歴代の持ち主が、新たな持ち主にスキルを伝えるという事が可能になっている。ただし、歴代の持ち主の意志まで記録しているため、簡単にスキルを教えてはくれない。持ち主の魔力を吸って、歴代の持ち主たちが口出しをしてくるという厄介さも持っている。
ライエル曰く「呪われたアイテム」
〇魔具
希少金属『迷宮などで発見される“魔力を発する金属”』を使用して作成された道具。
武器や防具にアクセサリーも一般的だが、ギルドカードも魔具の一種。
魔具とはスキルを刻まれ、持ち主の魔力を使用してスキルを発現する道具。
ただし、再現できるスキルには限りがあり、三段階目ほどの能力持つスキルは魔具でも再現できていない。
一般的には肉体強化や、攻撃の威力を高める、あるいは防御系のスキルが刻まれることが多い。
ただ、便利ではあるが、希少金属を使用してスキルを刻むという技術は非常に難しい。そのため、普通の武器を買うよりも桁が違いの高価さ。
魔具を持つのは一種のステータスにもなっている。
〇連結馬車
馬車を繋いで、それを六頭から八頭の馬に引かせる馬車。
旅行者の大量移動を可能としているが、整備された街道と馬に取り付ける魔具。そして、快適な旅を実現するための馬車――そして護衛と、利用者にかかる金銭的な負担は大きい。
だが、時間の短縮と安全から、利用客はそれなりにいるもよう。