外の冒険者
久しぶりの更新です。
これは、迷宮が解放されてから少し後のお話です。
キトがロロと一緒に薬草からポーションを大量生産しているときにそれは起きた。 キトが頭痛を訴えたのだ、 正しくは頭の中にアラームのような警報のようなものが鳴り響いた。 それをレナ達に言うとリコが説明してくれた。
「それは迷宮に何者かが侵入したときのアラームです。 早くいかないと攻略されてしまいますよ?」
そういわれてやっと事の重大さを理解した、 キトはすぐに迷宮に向かった。
画面には、 男が2人女が1人映っていた。 男は一人が盾役の前衛、 もう一人が槍の中距離での攻撃、 そして女は魔法使いの様だった。
「とりあえず近くのゴブリンたちが襲い掛かっているな。 でもこいつらこの数のゴブリンとまともにやり合っているとはなかなか強いな」
そう感心したキトは近くにいるウルフたちを応援に向かわせた。 そしてウルフたちが来ることを知ったゴブリンたちは無理をせず相手を逃がさないように取り囲んだ。 急にゴブリンたちが攻撃の手を緩めたことを不審に感じた冒険者たちは逃げようとしたがすでに囲まれて逃げ場がなかった。
「これで、 ウルフが来れば降参してくれないかな?」
キトは別に冒険者を殺そうとしてるわけではない。 確かに殺したら迷宮の経験値としては良いだろうが、 別に殺さなくても経験値なら入るのだ。 そのためできるだけ殺さないようにと考えていた。 そのためウルフには手紙をもっていかせている。
★☆★☆★
「くっそ、 何でこんなゴブリンが賢いんだよ。 戦術なんてわかる脳みそ持ってないやつらじゃないのかよ!」
と槍使いが叫んだが、 今はそれを聞いてやる余裕は味方にはなかった。 そして囲まれている状況からでもわかるほどに、 森の方から大量のモンスターがこっちに向かってくるのがわかっていた。
「降参したら許してくれないでしょうかね?」
魔法使いはそういったが、 全員失笑だった。 ゴブリンたちはもう攻撃してこないから自分たちは無理に戦う必要もない、 と全員戦闘態勢を維持したまま少し心を落ち着かせた。 そう冒険者たちは明らかにこのゴブリンたちは自分たちに敵意が無いことを理解したのだ。 そして森から大量のウルフたちがこっちに向かってきた。 そしてゴブリンを押しのけて、 一匹のウルフが冒険者の前に立ちはだかり、 加えていた紙を丁寧に盾役の男の目の前に置いた。 そして冒険者はその手紙を読んで驚いた。
~冒険者たちへ~
君たちが今すぐ武器を下して投降しくれるなら別に殺したり危害を加えたりしないと約束しよう。 ただ敵対行動をとる場合は殲滅対象に切り替える。 さぁどうする?
By 迷宮主
これは冒険者たちが願っていたことだった。 勝ち目がない戦いをして死ぬより生きて帰りたいと思っていた。 だが普通のモンスターと話しても意味がない。 だが普通のモンスターではなく迷宮主なら話が通じるはずだ。 条件によっては逃がしてもらえるかもしれない。 普通は侵入者を即殺す迷宮主がほとんどだけど、 もし話の通じる人ならこっちに引き込めれば相当強い戦力になってくれると、 冒険者たちは思った。