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赤い灯火  作者: コーベー
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出会い

マッチの火はすぐに消えてしまう。雪国の夜を何もなしに外で過ごすのは幼い私にでも不可能なことはわかっていた。だから、誰か助けて、そうやって誰かに助けを乞おうとする。しかしもうかすれた声しか出ない。どうやらもうそんな元気も残っていないようだ。


寒い...。寒い...。


小さな小屋の側、私はかすれた声でそう呟き続けていた。




目が覚めるとあたり一面が雪で真っ白になっていて、私の近くには木材が燃え尽き黒焦げになっていた。

優しい誰かが私が凍えないように火をたいてくれたのだろう。


「...ありがとう」


顔も知らない誰かにそっとお礼を言うと立ち上がる。



私の仕事はマッチを売ること、マッチが売れないとお父さんは怒ります。

怒ったお父さんは私に暴力をふるいます。

ある日は拳で殴りつけ、またある日は鞭で私を満足するまで叩きます。

父の拳が私の頭や腹を殴りつける ガスッ... ドスッ... という音。

鞭で私の体をたたく バチン という音。

私から滴る血が地面に落ちる ポチャ... ポチャ... という音。

もう聞き慣れてしまうほど聞いたの音。

それらが私をお父さんに逆らう気持ちを殺す、いや、もうずっと昔にそんな気持ちはなくなっているのかもしれない。

逆らう事のできない私はマッチを売り続ける。でも、誰も買ってくれない。

それどころか、いつからだろうか、人々は私を見るとみなどこかへ逃げてしまう。

お父さんの暴力を毎日のように受けた私は、いつしか目がほとんど見えなくなっていた。

家の鏡が汚れているのも原因かもしれないが、鏡を見ても自分の顔がどうなっているのかよくわからない。

でも、なんとなく予測はできる。

きっと私の顔はお父さんの暴力のせいで酷いことになっているのだろう。


毎日のように暴力をふるう酷いお父さん。

それでも私の家族なんだ、私がお金を稼いで楽をさせてあげないと。


そうやって自分に言い聞かせて私は毎日を生きていた。




「おうち、帰ろう」


昨日、マッチはひとつも売れなかった。しかも売り物のマッチを自分が寒さを凌ぐために使ってしまった。

お父さんは、きっと今日も私に暴力をふるうだろう。


「嫌だな...痛いの...」


でも、私に帰る場所はそこしかないんだ、だから帰らなきゃ。

棒のようになって動かない足を一生懸命動かして家に向かった。


雪で真っ白になった道を一人でとぼとぼと歩く。


どこまで歩いても家が見えてこない。


何故だろう。


「嘘...。」


私は家があったはずの場所を見て呆然とした。

家がなかったのだ。周りの様子を見る限り燃えつきた後と言ったところだろうか。


「ヒック...ヒック...私、どこに帰ればいいの」


たったひとつの居場所を失った私はその場に崩れ落ち、泣き出した。


『どうしたの?大丈夫?』


後ろから声がする。


『どうしてそんなところで泣いているの?』


私は振り向いた。

声の主は赤い頭巾を被った人だった。

多分女の子だろう。

どんな顔をしているのかはよくわからない。

でも、怯えた顔をしているんだろうな、と私は思った。


きっと彼女も逃げていく、

そう私は考えていた。

そう考えるのも無理はない。

私が来ると、皆こっちに来るなと言って逃げていったからだ。


しかし彼女は、どうしたの?と言いながら近づいてきた。



ザクッ...



ザクッ...



雪を踏みしめながら彼女がこちらに向かって歩いてくる。


こんなことは今までになかった、私は思わず身構えてしまった。


『私が怖いの...?』


彼女は心配しているような声で私に言った。

彼女は、私を心配してくれている...?なぜ?

今までそんな人はいなかった。


なんで どうして わからない


そんな言葉が頭の中を埋め尽くす。


『辛いことがあったんだね、大丈夫だよ』


そう言って彼女は私を抱きしめてくれた。

暖かな人の体温、他人に優しくされたことのなかった私は声を上げて泣いてしまった。


『あはは、大丈夫?』


彼女は困ったような声でそう言った。




「うぅ、恥ずかしい...」


先ほど、自分が彼女の前で声を出して大泣きしたことを思い出し、とたんに恥ずかしくなる。


『まぁ、それくらい誰にだってあるよ、気にしない気にしない。』


「気にします!」


人前で泣くなんて恥ずかしい!そう心の中で叫んでいると。


『私、シャルルっていうの、よろしくね』


彼女、シャルルは自己紹介をしてくれた、突然のことで私は


「わ、わわ、私はアンといいます、よ、よろしく...」


うまく言えずまた恥ずかしくなってくる...。


『アン、かわいい名前だね。ところでアンはなんで泣いてたの?』


「えっと...」


何故だろう?彼女には全て伝えてしまっていい気がして全て話してしまった。

お父さんが暴力をふるっていたこと、家が燃えてなくなってしまったこと。


『そっか...大変だったね。』


その傷はお父さんの暴力のせいなのか...


「何か言った?」


『あ、ううん、何でもない、独り言』


なにやらシャルルが小声でつぶやいていたようだがうまく聞き取れなかった、何を言っていただろうか...?


『そっか、もしかしたら私達似たもの同士かもしれないね』


「そうなんですか...?」


『うん、私もね...』


そう言って彼女は話し始める。


『私にはね、おばあちゃんがいたの』

どうだったでしょうか、作者は小説を書くことの経験がほとんどないので

ここを変えたほうがいいなどなどアドバイスしていただけるとありがたいです。

それでは。

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