第一話 遭遇
お気に入り登録が二件もあってびっくりしました。がんばっていきたいです。
「とりあえず人里を目指すか……もしかしたらさっき見た光景は知られていないだけで、ここは地球かもしれないし、町とか行けば何かわかるだろう」
そういって彼は人里を目指した。
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「はあ、はあ、クソ!この森はどこまで続いてるんだ!?」
どれだけ歩いても森の終わりは見えず、次第に周囲も暗くなってきたことで清作は焦っていた。
「このままじゃ…ん?あれは洞窟か?」
視界に映ったのは崖の下にあるそれなりの大きさをした洞窟だった。
「しょうがない、あそこで野宿をするか……」
そういって洞窟に入っていった。
─中に何かがいるとも知らずに
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「……思ったより過ごしやすいな。暑すぎず、寒すぎずだ。しかし腹が減ったな……」
とりあえず一晩は過ごせそうだが食べ物が無いのがキツイな。
「この洞窟…まだ奥があるみたいだし…少し奥を見に行くか…」
彼は洞窟を探索してみることにした。
「……今気づいたがこの洞窟、ぼんやりとだが明るい。入口付近ならともかく奥まで行けば真っ暗闇のはずだが……ん?これは……苔か?」
洞窟の壁を触ったところ、手に苔が付いてきた。しかも、うっすらとだが光を放っている。
「そうか、この苔が発光しているからぼんやりとだが明るいのか、……なんかのひみつ道具に似たようなのがあった気がするが……いや、でも自然界でも発光する植物はあったはずだしな……」
そうして探索を続けた結果、水を見つけた。
「地下水脈か?ちょうど良い、水が飲める」
流れる水を掬い、飲む。
─うまい─
自然の水を飲んだのは初めてだがこんなにもうまいとは。そういえば水道水には消毒のために色々な薬品が入っているそうだし、その違いかな?
「まあ、でもこれで喉は潤ったな。だけど魚がいないのがなあ……」
明日まではもちそうだがこのままだと水だけしか取れない。
…ォ、オ……
「ん?なんだ今の音は?」
音…というより何かの生き物の声の気もしたが……
「恐いが……このまま何なのかわからないまま洞窟にいるのちょっとだし……一応見に行ってみるか」
俺は警戒しつつ、音のした方へ向かった。
─後にして思えば、これが……運命の歯車が動いたきっかけだっただろう─
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俺はゆっくりと、しかし確実に音のする方向へ向かっていた。
……ウッ…グゥゥゥ…
間違いない、これは生き物の唸り声だ。だが、声の様子からして苦痛をもらしているように思えるな……
そうしていく内に視界に隅に何かが映った。
ッ!
とっさに近くの壁に身を隠した。そうして見つからないように気配を抑えながらそれを見る。
それは……
「竜……?」
──それは西洋風の形をし、白銀の鱗を身に纏った竜だった──
ファンタジーといったら竜ですよね。