プロローグ 来訪
始まりです。
―ここはどこだ―
彼―清作はそう言った。
清作は学生時代に両親を亡くしたことを除けば、漫画や小説の好きな普通の青年である。清作は仕事が休みだったので、散歩に出かけていたところ突然、意識を失い、気がついた時にはここにいた。
「本当にどこなんだー!」
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「とりあえず状況確認をするか……」
しばらく混乱していた清作だが、ただわめいていてもしょうがないので状況確認に入った。
「まず一つ目にここはどこなのかだが、全然見たことない景色だし、それにさっきから飛び回っているこの光の玉から見るに明らかに俺の知っている常識の通じない場所の可能性が高いな……」 そう、先ほど清作は光の玉としか言いようがないものを見たのだ。最初は蛍かと思ったが目を凝らして見ると純粋な発光体だった。それが無数に森の中で漂っているのだ。その一種、不気味にも幻想的にも見える光景を見た清作は口には出さなかったがここが異世界なのではないか?とすら思っていた。
「二つ目はここに来る直前のことだが……クソ!何も思い出せない。でも意識を失っている間、誰かの話し声を聞いたような気がするが……」
その話し声も何を話していたのかはよくわからなかった。かすかに思い出せるのは 「……でいいの?」 「……いんですよ、…っとした…しですし」というものぐらいだ。
「まぁ、どこなのかはひとまず置いておくとして、重要なのはこれからどうするかだ」
清作はひとまず、これからどうするか考えることにした。
しばらくは下準備編です。すぐには活躍しません。気長にお待ち下さい。