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都市伝説解体ブラザーズ  作者: 結城 からく


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2/2

後編

 大沼希江子と目が合った瞬間、米良は激怒した。

 彼女は目を剥いて叫びながら家の中へと飛び込む。


「おい! 何ガンつけとんねん! ちょい表に出ろやァッ!」


 リュックサックからネイルハンマーを引き抜いた米良は、手当たり次第に家具や壁、床を殴って破壊する。

 容赦ない暴力がテレビを粉砕し、テーブルに穴を開け、窓ガラスを砕き割り、冷蔵庫を陥没させた。

 ゲラゲラと大笑いする米良は、ネイルハンマーを振り回して室内を駆け回る。


「ギャハハハハハッ、全部ぶっ壊したるわ!」


 米良がふと足を止めて、二階へと続く階段に注目する。

 そこには大沼希江子が立っていた。

 大沼希江子は僅かに浮遊すると、金切り声を上げて米良に飛びかかる。


 米良は嬉々としてネイルハンマーを振り上げた。


「来たなボケコラァッ!」


 渾身のフルスイングが大沼希江子の頬に炸裂した。

 肉が抉れて歯が飛び散る。

 悲鳴を上げる大沼希江子が転倒し、そこにネイルハンマーの追撃が襲いかかる。


「こんなザコが国内トップクラスかいな! 悪霊のレベルも下がったもんやわ!」


 滅多打ちにされた大沼希江子は白目で痙攣している。

 米良は凶悪な笑みでリュックサックを漁り、再びダイナマイトを取り出した。


「ええで、新感覚を教えたるわ」


 米良は大沼希江子の尻にダイナマイトを差そうとする。

 ところが不可視の力が彼女を吹き飛ばした。

 壁に激突した米良は、間髪入れずに回転し、今度は天井にぶつかる。

 そこからさらに床へと叩きつけられ、凄まじい力で押し潰されそうになる。


 全身の骨を軋ませながらも、米良は気合で抗ってどうにか立ち上がった。


「ぐおおおおおおおおぉ……」


 鼻血を垂らす米良は一歩ずつ大沼希江子に迫り、その胸倉を乱暴に掴んだ。

 彼女は絶叫に近い勢いで怒鳴り散らす。


「こんなヘボ念力で、殺されるかァッ!」


 叩き込まれたネイルハンマーが大沼希江子の額を打ち抜く。

 霊体の頭部が霧散し、そこから黒い靄が噴出した。

 同時に断面から蠢く髪が飛び出して米良に押し寄せる。


「……っ!?」


 米良が身構えた直後。髪が発火して床に落下した。

 苦しむようにのた打ち回って端から蒸発していく。

 頭部を失った胴体も同様に消えつつあった。


 そこに現れたのは数珠と蝋燭を持った海老原だった。


「結界の構築が完了しました。弱っていたので即死したようですね」


「おう、お疲れ。もっと早うやってくれたら楽やったのに」


「あなたが勝手に突撃したんでしょうが……」


 ぼやく海老原は、白いハンカチで髪の残骸を包んでポケットに仕舞う。

 それを見た米良が尋ねる。


「悪霊コレクションなぁ……次は何に改造するん?」


「自動防御型にしようかと思います。安全第一ですから」


「何言っとんねん。殺られる前に殺ったらええやろ」


「その脳筋スタイルやめましょうよ……」


 海老原は深々とため息を吐く。

 袖で鼻血を拭った米良は「なはは」と笑った。

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