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第十話⑱

第十話は、視点が切り替わりながら話が展開します。

今回は、緑原橙子です。

 私は緑原橙子(みどりはらとうこ)


 「白き光」のアジトに乗り込むと、私は「儀式の塔」の3階に飛ばされた。そこには、「白き光」で最強を誇る「クイーン」、青木さんがいた。


 青木さんの誓約霊(プレッジ・スピリット)のマリアが波状攻撃を仕掛けてきた。私と私の誓約霊の麗亜(れあ)さんは、何とかその攻撃を()け続けていたが、壁際に追い込まれていた。麗亜さんが、決死の覚悟でマリアを羽交い締めにすると、マリアの攻撃が止まり彼女が叫んだ。


「止めなさい! 1度死んだ身とはいえ、自分自身を大切にしなさい!!」


 私は、マリアの言った言葉の意味が理解できなかった。しかし、麗亜さんは驚いた表情をし、マリアの拘束を解いた。


「さあ、あかり…… 5階へ参りましょう……」

マリアがそう言うと、青木さんは光の灯った目で(うなず)いた。そして、4階への階段を上がって行った。


 その場に残された私達は、何が起きたか分からず、茫然としていた。


 その時、入り口の扉が開き、(とおる)さんが現れた。


「はぁはぁ…… 緑原さん、無事でしたか……よ、良かったぁ」

徹さんは、安心したようにそう言った。


 私は、徹さんに今までのことを説明した。徹さんも、3階に来るまでのことを説明してくれた。


「もしかすると、青木さんは正気を取り戻したのかもしれません…… 私達も5階に…… キングの元に向かいましょう」

私がそう言うと、徹さんは深く頷いた。


 私達が4階に着くと急に床が爆発した。


ドッガーン!!


そして、爆発によって開いた穴から、真黒(まぐろ)さんが現れた。


「か、かっこいい……はぁはぁ……」

徹さんは、真黒さんの登場シーンに興奮し、息づかいが荒くなっていた。


「真黒さん!!」

私は真黒さんに声を掛けた。

真黒の頭からは血が噴き出していた。


「だ、大丈夫ですか?」

私が尋ねた。


「ああ、1階から天井を突き破ってきたから、頭が傷ついたらしい……」

真黒さんが答えた。


(な、なぜ? そんな無茶をしなくても良い場面じゃない?)

私はそんな疑問が浮かんだが、真黒さんの治療を行った。治療が終わると、真黒さんの横におじいさんがいることに気が付いた。


「真黒さん、こちらの方は……?」


「ああ、こいつは『じじい』と『ひいじい』の融合体……『じじいレボリューション』、略して『じい』だ!」


(えぇ~、略しすぎじゃない!? 『レボリューション』の要素が全く無いんだけど……。 前より短くなっているし……。でも、凄まじい霊力……。今までの社長とも、ひいじいさんとも比べものにならない……)


「とにかく、橙子も徹も無事で良かった……。『黒き闇』の再集結だ」

真黒さんが、そう言った。


(そう言えば……『黒き闇』なんて話があったなぁ。すっかり、忘れていた……)


その後、私達は5階に向かった。

5階に着くと、そこには玉座に腰を下ろしたキングと青木さんがいた。


「ようこそ、紅白……、そして、その仲間たち……。お前たちがここまで来るのを楽しみにしていたぜ……」

キングが笑いながら言った。


「さあ、『クイーン』よ、奴らに地獄を見せてやりな!!」


「『キング』…… それは……出来ません。あかりにとって、彼らは大切な仲間……。だから、私には、彼らを攻撃することは出来ません!」

マリアが言った。


「なるほどね…… そういうことは、早めに言ってくれない!? 今、時間あったよね? 君たちが来てから、紅白たちが来るまで3分くらいあったじゃん! なんか、俺が恥ずかしい……。『地獄を見せてやりな』とか言っちゃって恥ずかしい……」

キングが言った。


「いや、でも……言いづらくて……期待されているのを裏切るのは……なんか申し訳なくて……」

マリアはモジモジしながら言った。


「まあ、良い…… 俺が直接、相手をしてやろう。出てきな、『飯屋良助(めしやりょうすけ)』!」

キングがそう言うと、1体の誓約霊が現れた。


「あ、あれは……、確か『光の教団』の教祖だった男……『飯屋良助』……」

徹さんが言った。


「ほう、知っているなら話が早い……。さあ、『飯屋』、あんたの力であいつらに地獄を見せてやりな!!」

キングがそう言った。


しかし……


「フフ……残念だが、キング……。あなたに協力するのは、もう終わりだ……。誓約は解除する。やっと……やっと……私の適合者が見つかった」

飯屋が言った。


「な、何!?」

キングが驚いた表情でそう言うと、飯屋の隣に「ナイト」が現れた。


「フ、フフ……、アッーハッハッハ-…… キング、残念だったな。『教祖様』の適合者は、この俺だ! 『完全な存在』である俺しか、『教祖様』の能力を最大限に引き出すことは出来ない」

ナイトがそう言うと、マリアがナイトに向けて、無数の青いオーラを放った。


 だが、ナイトと飯屋が手の平を重ね合わせて誓約し、眩い光を放ち始めた。その光がマリアの攻撃を跳ね返した。


「し、しまった…… 間に合わなかった……」

マリアが言った。


ナイトは誓約を終え、とてつもない霊気を放ち始めた。


「素晴らしい…… 流石は『教祖様』の力…… さあ、まずはキング…… この力の実験台になってもらおう」

ナイトはそう言うと、キングの口元を手で塞いだ。すると、飯屋が爆弾の起爆スイッチのようなものを手に握っていた。


「ま、まさか、あれは奈津紀(なつき)さんの……」

私がそう言った瞬間、飯屋は起爆スイッチを押した。


ボッガーン


キングの脇腹が爆発した……。


「う~ん、まだコントロールが難しいようだ……。『教祖様』の能力はコピー……。今までは、単に分身を作り出すようなコピーでしかなかったが、本来の力は違う……。それは、能力のコピーだ。誓約者である俺が一度見た能力は、全てコピーできる。お前たちは、自分の能力で殺してあげるよ」

ナイトがそう言い、私達に無数の青いオーラを放ち始めた……。


(そ、そんな……)


私たちは、絶望に包まれていた……。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。

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