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第十話④

暫くは、午後6時に投稿します。

第十話は、視点が切り替わりながら話が展開します。

今回は、こちらの方です。

「ふんふふ~ん」


 俺は、久しぶりのバカンスを楽しんでいた。ビーチサイドにパラソルを開き、その下でビーチベッドに寝転がる。トロピカルジュースで喉を潤し、暑くなってきたら海で泳ぐ……。


(最高だ…… 最高のバカンスだ……)


 一般的に、海外で過ごす人が多いのだろうが、俺は日本が好きだった。


 だから、寂れた漁村だろうが関係なかった。


(最高の夏を楽しむぜ!)


「お~い」


(第1村人だろうか…… こんな漁村まで俺の名が轟いているのか…… 仕方がない、サインをしてあげよう……)


「そこは遊泳禁止だぞ~」




 俺の名前は二松川徹(にまつがわとおる)

 大人気ロックバンド「combine(コンバイン)」のリーダーでベースを担当している。俺たちは、東アジアツアーを終え、久しぶりの長期休みを取っていた。


プルルルル…… プルルルル……


 俺のスマホが鳴っている。


(ん、また依頼かな……?)

画面に表示された名前を見て、俺はそんなことを考えていた。


(バカンスくらい、ゆっくりさせてくれよ……。人気者は辛いぜ)


「もしもし……」

俺が電話に出ると、その人は言った。

「よう、ヒーロー…… いよいよ、出番だぜ!」


 俺はそのセリフを聞いたとき、雷に撃たれたような衝撃を感じた。俺の息づかいが荒くなる……。


(つ、ついに来たか……。俺のヒーローとしての力を発揮するときが……)


「はぁはぁ、はい、喜んで! はぁはぁ、すぐに行きます!」

俺はそう答え、急いで電車に飛び乗った。




真黒探偵事務所


ガチャ


 俺が事務所の入り口のドアを開けて中にはいると、例の探偵さんと2人の女子高生がいた。


「え!? combine(コンバイン)のトールさん……?」


「マジ? トールじゃん…… 橙子(とうこ)、サインを貰おうぜ?」


(フッフッ…… さすがは人気者の俺。良いだろう、サインくらい何枚でも書くさ……)


「よう、忙しいのに悪かったな…… ヒーロー」

探偵さんが言った。


(ひ、ひ、ひ、ヒーロー…… 良い、何度聞いても良い!! 俺がヒーロー…… やはり、分かる人には分かる…… さすが名探偵! )


フン……フン……

俺の鼻息が荒くなる。


「いえいえ ……フン ちょうど東アジアツアーが終わり休暇中だったので……フン……フン ところで、……フン このヒーローを呼び出した用件とは……? 」



 俺は、真黒(まぐろ)さんから、「白き光」という悪の組織のこと、その組織が革命を起こそうとしていること、そして、悪の組織を壊滅させるためには、俺の力が必要であることを聞いた。


(来た~、悪の組織……来た~!! 今まで俺が活躍できなかったのは、敵がいなかったから…… いよいよ、ヒーローとして戦うときが来た……)


 俺がそんなことを考えていると、女子高生の1人が言った。

「真黒さん…… 何故、トールさんなんですか?」


「ああ、こいつは『第五話』で『じじい』と戦っているんだ。以前、『六松』を貰いに行ったときにも、高い霊力を持っているのは感じていたからな」


(『高い霊力』…… さすが、俺! 自分でも知らない才能があったなんて……)


「しかし、その霊力を生かせていない……」

真黒さんはそう言うと、俺の方を向き言った。

「5日以内に誓約霊(プレッジ・スピリット)を探して欲しい」


(誓約霊……?)


 その後、真黒さんから誓約霊について説明を受けた。誓約霊は簡単に言うと、式神みたいなものらしい。

 誓約霊には、誓約した人間の力を何倍にも増大させられる力がある。そして、誓約霊自体も強大な力を得ることが出来る。複数と誓約することも可能だが、「フィーリング」が合わないとマイナスになるらしい。


(え? 来た、来たんじゃない? 強敵を前にして、ヒーローがパワーアップする神展開!!『五松』も完成しているから、俺って無敵じゃん。最強のヒーロー爆誕じゃん。 え~、どうしよう…… 名前を何にしよう……? 前回は急だったから、『松レンジャー』とか言っちゃったけど、『○○レンジャー』って、主にスーパーヒーロー戦隊ものじゃない? 1人で『松レンジャー』は、おかしいでしょ……)


「どうだ、いけそうか?」

真黒さんが尋ねてきた。


「はい、勿論です!! この最強ヒーロー、二松川徹にお任せください」

俺はそう言うと、探偵事務所を後にし、新幹線に飛び乗った。


 俺には、誓約霊の当てが複数あった。その内の1つが、北陸地方にある俺の実家だった。万が一、当てが外れたとしても、故郷であれば「フィーリング」が合う誓約霊を探しやすいとも思っていた。


 実家に着いた俺は庭の隅にある直径20cmくらいの円い石のもとへ向かった。そして、その石に彫ってある文字を見た。


『亀吉の墓』


 「亀吉」は、俺が小学生の頃に飼っていた亀の名前だった。友人が少なかった俺にとって、亀吉はペットではなく親友だった。学校での出来事を毎日話したり、ヒーローごっこをしたり、テレビゲームで対戦したり…… 色々なことで遊び、長い時間を一緒に過ごした。


 俺が亀吉の墓に線香をあげ、手を合わせると亀吉の霊が現れた。


『久しぶりだな、徹』


『か、亀吉なのか? 亀吉って、しゃべれたのか?』


『霊体だから話せるようだ。ところで、急に帰ってきて、どうした?』


 俺は、亀吉に「白き光」や「誓約霊」の話をした。


『了解だ。いよいよ、俺たちの力を見せる時が来たんだな』

亀吉がそう言うと、俺たちはお互いの手を合わせた。すると、俺の全身が輝き始めた。今までの自分よりも強くなったように感じた。


『よろしく頼むぜ、相棒』

亀吉が言った。




その後、すぐに俺は九州地方に向かった。




そして、4日後

俺は真黒探偵事務所に来ていた。

俺は、真黒さんと女子高生たちに、自分の2体の誓約霊を見せた。


「こ、この短期間で2体もの誓約霊を!?」

女子高生の1人、緑原さんが驚きながら言った。


「これは、嬉しい誤算だ……。さすがは、ヒーロー……」

真黒さんが言った。


(フフフ…… さすがは最強ヒーロー、二松川徹。探偵さんも驚くほどの才能だったようだ……。あ、次回までにヒーローの名前を考えなきゃ……)

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。

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