第八話①
最初に、よくある怖い話があるので、苦手な方は次の第八話②からご覧ください。
ピンポーン、ピンポーン
ナースコールの音が鳴った。
私はその病室の番号を見て、目を疑った……
『506』
506号室には、今は誰も入院していない……
無人の病室のナースコールが鳴っていた……。
(故障かな? それとも、誰かのいたずら……?)
私は不気味さを感じながらも、故障だったら次の入院患者が困ってしまうと思い、506号室へ向かうことにした。
コツ、コツ、コツ、コツ
真夜中の病院の廊下は静まり返っており、私の足音がやけに響いた。
目的の部屋の前に辿り着き、私はドアを開けた。
部屋の中には、やはり誰もいなかった。
開いた窓の隙間から生温い風が吹き込み、カーテンを揺らしていた。
(え、閉め忘れ……? )
私が近づき、窓に手をかけたとき……
バシッ
真っ白い手が私の腕を掴んだ……
(え、何……、い、嫌…… 嫌……)
氷のように冷たいその手が、とても強い力で私を窓の外へ引きずり出そうとしている。私は必死に抵抗した……。
(や、止めて…… ここは5階だから…… 落ちたら一溜りもなく死んでしまう……)
しかし、私の抵抗も虚しく、真っ白い手の力に負け、私は506号室の窓から落下してしまった……。
徐々に地面が近づいてくる……。
(呆気ない…… 私の人生、こんな簡単に終わってしまうの……)
私は、為す術なく地面に衝突した……。全身を衝撃が駆け巡り、私の記憶はそこで途絶えた……。
ピンポーン、ピンポーン
(はっ)
ナースコールが再び鳴っていた。
私は、ナースステーションにいる……。
(え、何…… さっきのは……? )
私は5階の病室の窓から落ちてしまったはずなのに……。
(『白昼夢』……? 私、疲れているの?)
ピンポーン、ピンポーン
ナースコールが鳴り続けている……。
「あれ、これって……?」
同僚が呟いた。
私は、その病室の番号を見た。
『506』
私は、その番号を見た瞬間、恐怖のあまり叫び声を上げた……。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。





