第七話①
最初に、よくある怖い話があるので、苦手な方は次の第七話②からご覧ください。
私達の村には、古くからの言い伝えがあった。
昔、戦に敗れ、傷ついた1人の武士がこの地に辿り着いた。当初、村人達はその武士に対して、傷の手当てや生活の世話をしていた。
しかし、追手が村に近づいていることを知った村長や村の重役達は、村に危険が及ぶことを恐れ、傷ついた武士の食事に毒を入れ殺害した。その武士は村の役人達を睨み付け、怨み言を言いながら、死んでいったらしい。そして、武士の遺体は森の中に埋められた……。
それから、村では疫病が流行り、自然災害が多発した。呪いや祟りだと恐れた村人達は、森にその武士を祀る神社を建てた……。
そんな村の伝承を気にすることがなく、森の中の神社は、私達にとって小さい頃からの遊び場だった。昆虫採集をしたり、木の実を拾ったり、鬼ごっこをしたり……と、恐ろしいと感じたことは全くなかった。
だから、その日も……いつも通り村の子ども達が集まって遊んでいた。
「じゃあ、今日はかくれんぼをしようよ」
誰かが言い出した。
私は、みんなの中で最年長だったので、かくれんぼをする際の注意事項を話した。
「いい、みんな…… 祠の中に隠れては、絶対に駄目! 守神様の罰が当たるから……」
みんなは、素直に頷いてくれたが、1人だけ、
「え~、小6にもなって、そんなこと信じているの~?」
と、言った男の子がいた。
私はその子をなだめてから、みんなで鬼を決めるためのじゃんけんをした。その結果、私が負けて鬼になった。
「じゃあ、いまから100を数えるから、みんな隠れてね」
みんなは、はしゃぎながらも、自分の居場所が分からないように声を殺して隠れ始めた。
(今日は私を含めて8人いたから、7人も探さなきゃいけないのね……)
私は、そんなことを考えながら、数を数えていった。
「……98、……99、……100」
数え終わると5分も掛からずに6人を見つけた。しかし、最後の1人が中々見つからない……。先に見つかってしまった子たちは飽きてきているようだった。
その時、1人の女の子が言った。
「ねぇ、まだ隠れている子って、誰なの?」
私は、そう言われて気づいた……。
(確かに、そうだ……。いつも遊んでいる近所の子たちは、ここにいる……)
私がそう考えたとき、祠の扉が少し開いていることに気づいた……。
(まさか……、ここに隠れたんじゃ……)
私は、恐る恐る祠の扉を開けた……。
しかし、中には誰もいなかった……。
『え~、小6にもなって、そんなこと信じているの~?』
さっきの男の子の声が聞こえた気がした。
私はその子の顔を思い出そうとした。しかし、その顔には黒いモヤがかかっているようで、はっきりと思い出せなかった。
(一体、あの子は誰だったの……?)
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。





