表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/74

第五話④

(ま、まさか…4000文字もある中で、俺のセリフが30字にも満たないとは… いや、記号を含めれば30文字以上だ! 流石に、このままはいかないでしょ… え、だって、大人気バンドのボーカルだよ? 東アジアツアーするんだよ?)



 打ち合わせが終わり、俺たちは東アジアツアーに向けた練習を行った。台湾や韓国では、その国の言語に翻訳して、俺たちの代表曲「消毒液」を歌うため、俺は歌詞を覚えるのに苦労していた…。


 約5時間の練習が終わった。


 青木さんと社長も、調査が終わったようだった。


 俺と青木さん、社長がスタジオを出て、当麻さんの車に向かっているとき、後ろから呼ぶ声がした。


「おい」


トールだった…。


「当麻さんの姪というのは嘘だろう…? そして、じじい… お前は何者だ!?」


(え、トール、見えてたの…?)


「ワシか… ワシは…社長じゃ」

社長が頬を赤らめながら言った。


「むぅ、訳の分からんことを… しかし、人ならざるその姿… 決して良い影響を与えるものではない。レノンのみならず、当麻さんまでも(たぶら)かすとは… 許さん」

トールはそう言うと、スマホのようなものを操作した。すると、遠くから砂煙を上げながら、何かが近づいてきた。


ドドドドド……

ドドドドド……


トールの前に4つの影が並んだ…

それは、4体の「市松人形」だった…。


1番右には俺に送られてきた市松人形、その隣にはライブ映像に映り込んでいた市松人形がいた。


「一松!」

トールがそう叫ぶと、1番右の市松人形が「ガシャン、ガシャン」音を立てながら、変形を始めた。そして、兜のような形になり、トールの頭部にくっついた。


「二松!」

右から2番目の市松人形は、鎧のような形状になり、トールの胴体を覆った。


「三松!」

左から2番目の市松人形は、1組の篭手(こて)のような形状になり、トールの両腕にくっついた。


「四松!」

1番左の市松人形が1足の靴のような形状になり、トールがそれを履いた。


「参上、松レンジャー!! combine(コンバイン)は、俺が守る!」


シャキーン


トールがそう言うと、


「か、カッコいい~」

社長は、憧れの眼差しでそう言った。


「じじい、お前は俺が倒す」

トールがそう叫んだ。


(え、え? 何、何? どういうこと? あの市松人形って、メカだったの? あと、トールと社長が戦うことになっているんだけど…)


「ちょ、」

俺が、トールに「誤解だ」と伝えようとしたとき


「ほっ、ほぉ~ お主のような若造にワシが倒せるかな?」


(乗ったぁ 社長も乗っちゃったぁ…)


お互いに構えたとき、俺はあることに気づいた。


(あれ? でも、これって…)


社長は、トールの(すね)に何度もキックした。


「いた…痛い、いたい、ちょ、やめて、やめて」

トールが痛がるも、社長は続けた。


「ひ、卑怯者め!」

トールが叫んだ。


そう、太腿(ふともも)から脛にかけてが無防備だったのだ…


「く、やはり五松が完成していない状況では、窮地に陥るか…」


(ご、五松… それが太腿から脛を担当するはずだったのか…)


「しか~し、窮地に陥ってからこそが、ヒーローの本領発揮…」


トールは、ヒーローオタクだった…。


「いくぞ、じじい」

トールはそう言うと、靴に変形した四松のダイヤルを回した。すると、両足の(かかと)部分からロケットの噴射炎のようなものが出てきた。


「スーパーロケットキィ~ックゥゥゥ…」

トールがそう言った瞬間、とんでもないスピードで吹っ飛んでいった…


遠くで爆発音が聞こえた…


「フッフッフッ、必ず正義は勝つ」 キラーン

社長がポーズを決めながら、そう言った。




「…はい、あの人形を送ったのは、俺です。すみませんでした…」

その後、ボロボロになったトールを捕まえて、俺たちは尋問を始めた。


「何で、そんなことをしたの?」

当麻さんが尋ねた。


combine(コンバイン)を… レノンを守りたかったんです…」


 俺は、ストーカー被害にあったり、暴漢に襲われたりすることが度々あった。そのため、トールが心配して「一松」を送ってきたのだった。「一松」はロボットのため、俺の護衛的役割を果たすことが出来る。だから、万が一何かあっても、誰かがそばにいなくても、俺を助けられると思ったらしい。


「でも… それならそうと言ってくれれば…」

当麻さんが言った。


「敵を騙すには、まず味方からと言うじゃありませんか…ハハン」

トールは、なぜか得意気な様子で言った。


「とりあえず、これで解決ですね」

青木さんがそう言うと、俺と当麻さんは頷いた。


 


その夜、俺は久しぶりに安心してベッドに入ったのだが、ふと気づいた…。


(え、今回もこれで終わり? 前回よりもセリフが少ないんだけど…!? え、マジですか? トールの方がしゃべってたんだけど……。いや、前回しか出てないハリスやリンゴの方がしゃべってるし……。全然、目立ってないじゃん。え、第五話も終わりなの……? )


 そんなことを考えていたら、俺はいつの間にか眠っていた。

第五話は、まだまだ続きます。

がんばレノン!!


読んでいただけて、本当にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ