只野人志の物語②
僕の名前は只野人志
大学に入ってからできた友人、江月奈糸に誘われ、僕はテニスサークルに入った。毎日が楽しい日々だった……、そのときまでは……。
「え、な、何これ!?」
「何、どうしたの?」
サークルの女子2人が「キャーキャー」騒いでいる。
「何か、人の顔に見えない……?」
彼女たちは、先日の合宿で撮った写真を見ているようだ……。
「本当だ……、只野くんの肩のところに人の顔みたいなモヤが見える……」
「なんか、おじいさんに見えない?」
(え、心霊写真……、しかも僕の肩に……)
「ごめん、ちょっと見せてもらえるかな?」
僕はそう言って、スマホを覗き込んだ……
(本当だ……僕の肩の辺りに白いモヤが…… え、この人……)
「しゃ、社長!?」
僕は思わず、声を上げていた。
写っていたのは、あの探偵事務所で会った「社長」と呼ばれる老人に似ていた……。
「え、只野くん……、社長って?」
女の子の1人が尋ねてきた。
「あ、ごめん、ごめん。『写真をチョー見たかった』って言おうとしたら、噛んじゃって…」
僕は苦しい言い訳をしたが、彼女たちは納得してくれたようだ。
「あれ、こっちにも写っているよ… こっちのは、笑ってるように見える…」
彼女が見せてきた写真には、1人の女子の後ろで、鼻の下を伸ばしてにやける社長が写っていた。
(エロじじい……)
しかし、僕は彼女たちの次の言葉に衝撃を受けた……
「本当だ、長い髪の女の子が笑っているように見える……」
(え、女の子!? エロじじいじゃなくて!?)
「え、こっちも写ってるじゃん!」
その写真はテニスの練習風景を撮影したものだった。しかし、全体が白いモヤで覆われている。
(いや、社長なんだけど… 社長のドアップなんだけど………)
「え、何これ? 長い髪の女性が写ってる! 怨霊かな? このサークル呪われているのかな………?」
(うーん、やっぱり僕と見えているものが違うようだ)
彼女たちは、震えながら涙を流していた。
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