第二話 C奪還作戦
第ニ話の補足・説明のようなお話です。
青木あかり視点で話が進みます。
私の名前は青木あかり
真黒探偵事務所というところで、アルバイトをしている。
今回の依頼は、ある中学校で起きた行方不明事件を解決することだった。
「よし、手筈通りに、あいつらは屋上にいったな……」
真黒さんはそう言うと、屋上に通じる扉の隙間から何かを放した。
「ブルーちゃんですか?」
私が尋ねた。
「ああ、捜索と言えば、あいつだからな」
真黒さんは、ブルーと呼ばれるフレンチ・ブルドックの誓約霊を放し、海くんを捜させた。
「それじゃ、俺たちも行くか……」
「行くって、どこへですか?」
私が尋ねると、
「恐らく、1階のどこかだ。詳しい場所は、ブルーが教えてくれる」
と、真黒さんが言った。
「でも、ブルーちゃんは、あっちの赤い世界、異世界に行ったんですよね?」
「ああ、だが、テレパシーや声は通じるはず……、海が行方不明になったとき、声が聞こえたり、メッセージが届いたりしただろ?」
「はい……」
「あれは、あっちの世界との隔たりが完全ではなかったからなんだ。……これも予想でしかないが、屋上があっちの世界と繋がるとき、つまり、満月や新月の日には、隔たりが曖昧になる」
「だから、あちらの世界にも引き込みやすくなるんですね。なるほど……」
私がそう答えたとき、真黒さんにブルーからのテレパシーが届いた。
『紅白、見つけたぞワン。1階の西側にある保健室だワン。やつはそこにいるワン』
『ブルー、犬だからといって、語尾がワンになるキャラ付けは安直過ぎないか………?』
『…………、紅白、見つけたぞい。1階の西側にある保健室だぞい。やつはそこにいるぞい』
『………… サンキュー、ブルー』
「あかり、保健室だ」
「はい」
私たちは、階段を駆け下り保健室に向かった。
保健室に着くと、誰もいなかった。しかし、真黒さんは大声で叫んだ。
「おーい、海……」
(おーい、しい……、おいしい……、美味しい。真黒さんが、大声で「美味しい」って叫んでるwww)
私は、そんな不謹慎なことを考えてしまった……
「海、いるんだろ!? 聞こえるなら何かしらのアクションを起こしてくれ!」
真黒さんの声が虚しく響く………
けれども、真黒さんは、大声で何度も叫んだ……
すると、
「シク、シク……」
泣いているような声が聞こえる。
「海くん、みんな……あなたが帰ってくるのを待っているんだよ!」
私も思わず叫んだ……
「…………………」
「…………………誰?」
海くんが尋ねる声が聞こえてきた。
私は、これまで経緯を海くんに大声で伝えた。
「それで、お前がこっちに戻ってくるには、もう一度屋上に上がる必要がある……、海、出来そうか……?」
真黒さんが言った。
「屋上に……、できないよ。あいつが……、赤い服の少女がいるから……怖い」
海くんが、震える声で言った。
「大丈夫だ。俺たちも一緒に屋上に向かう。それに……、廊下に犬がいるはずだ。そいつも仲間だから、一緒に屋上に向かってくれる」
「でも……」
海くんは、躊躇っている。
「チャンスは今しかないんだ! このままそこに1人でいるのか、それとも恐怖を乗り越えて元の世界に戻るのか……、お前の人生だ、お前が選べ!」
真黒さんが、いつになく熱くなっている。
ホットマグロだ………
「……分かった。頑張ってみるよ」
海くんが、決意してくれた。
それから、私達は一緒に屋上に向かった。
あっちの世界では、海くんとブルーが
こっちの世界では、私と真黒さんが
みんなで足並みを揃えて、階段を上がっていく。
そして、屋上に着くと、無事海くんと合流することが出来た。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。





