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あぶない!

作者: 他人

危ない人がいる。それはそれは危ない。危ない人がっていうほどなんだからさぞかし危ない状況に瀕していることだろう。

「おい!早くしないと大変なことになるぞ!」

ええ!

なんだかわからないがとにかく大変なことになるらしい。大変なことになるのは嫌だなあ。これは一刻も早くしなくては。

ところがそうもいくまい。なぜなら危ない人がいる。

もう「危ない人」で人物名登録されてるくらいだからさぞかし危ないを身に纏ってることだろう。


「何してんだこのカス野郎!早くしないと大変なことになるって言っただろ!こら!」

怒られてしまった。でもなんたって危ない人がいるんだもの。早くしろと言ったってこればっかりはどうもできない。


「おい、もしかして早くできないわけがあるのか?」

気が利く人だった。


「実はそうなんです。今、危ない人がいるんです。」


「ええ!なんだって!それは危ないなあ!」


気が利く人によれば危ない人がいることは危ないらしい。なんて頭の切れる方だ。絶対早稲田だこいつ。

しかし頭が切れたと言って危ない人が危なくない人になったわけでもなし。問題は一向に片付かない。しかも気が利く人曰く早くしないと大変なことになってしまう。まさに万事休すってわけ。


「くそう!どうすればいいんだ!」

思わず感情的になってしまった。焦っているのが手に取るようにわかる。このままでは危ないしこのままでは大変なことになる。手段は選んでいられない。てか選ぶ手段がそもそもない。一個もない。これは困った!このことを言葉にして届けたくてたまらなくなった。

「これは困った!」

よし言葉にして届けた。これで一安心。されど問題は一つも解決していない。二つも問題があって一つも解決していないにも関わらずつい一つ安心してしまった。これでは勘定がいつになっても合いやしない。大変なことになった。















「大変なことってこれかああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



「おうい!気が利く人さん!!!!!!!!!!」

「いかにも私は早稲田文学部2回生の気が利く人!」

あ合ってた。


「もしかしてあなたの言っていた『早くしないと大変なことになる』ってこういう意味だったんですか!?」



沈黙が訪れた。もし早稲田文学部2回生の気が利く人さんが言っていた「早くしないと大変なことになる」の意味がこれじゃなかったとしたら問題は振り出しに戻るって寸法だ。ひえ〜〜〜!冗談じゃないぜ!けれども可能性がないわけじゃない。これとは別件で「早くしないと大変なことになる」ことがあるかもしれないのだ。一体真実はどうなんだ。勝利の女神は一体誰に振り向くというのだ。教えてくれ!早稲田文学部2回生の気が利く人さん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

























「そだよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!☺️」



やったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


勝利の女神が振り向いた。早稲田文学部2回生の気が利く人さんの言う「早くしないと大変なことになる」とはこう言うことだったのだ。問題が早期解決せず焦ったことで計算が狂い大変なことになる。まさしく「早くしないと大変なことになった」というわけだ。ああ良かった。解決して良かった。全く危ないところだったよ。























「危ない人って俺かああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


全ての合点がいった。「危ない人」とはつまり俺のことだったのだ。そういえば俺は今鏡屋さんに来ていたんだった。鏡に映った自分を見て、「危ない人」がいると勘違いしてしまったんだな。と言うことはこのお話の登場人物は



CAST

危ない人・・・・危ない人


カス野郎・・・・俺


早稲田文学部2回生の気が利く人・・・早稲田文学部2回生の気が利く人


ではなく、


CAST

危ない人・・・・俺


早稲田文学部2回生の気が利く人・・・早稲田文学部2回生の気が利く人


だったというわけさ。良かった。危うく俺がカス野郎として設定されるところだった。これにて一件落着!お疲れ!!


「おい!ちょっと待て!」

!?


「頭の切れる早稲田文学部2回生の気が利く人だからこそ気づいたことだがその理論は間違っているぜそしてそれを今からお口をパクパクして言うぜ!」


「なんだって!!!!」


「そうさ、だって危ない人もカス野郎も実在したんだから、


CAST

危ない人・・・・俺


カス野郎・・・・俺


早稲田文学部2回生の気が利く人・・・早稲田文学部2回生の気が利く人


と言うのが正しい!」


「そんなああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!最後の最後で気が利かない!!!!!!!!!!!もう早稲田なんてこりごりだああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



おしまい


みんな東大に行こう!

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