時を超えた回想
国道沿いのバス停に、ゾンビが一人立っていた。
女のゾンビが立っていた。
女だった肉塊が、ゆらゆら揺れて、おちていた。
そこにバスがやってきた。
牛面の男が運転手。
行き先聞かずに肉は乗る。
予定のなかった僕はつい、興味本位でついてった。
同じバスに乗り込んだ。
女型の肉は座り込み、ブツブツぼやいて目は虚ろ。
そうして肉を眺めていると、やがてバスは進みだし、長いバス旅はじまった。
大変長らく揺られたもんだ。
眠たくなってきたころに、肉の塊が降車した。
あわてて私も降りてみた。
海に囲まれてるような、小さな中州に降り立った。
そこには一つ建物が、白く塗られた無人駅。
そばにはポツンとベンチあり。
よくよく眼を凝らしてみると、そこには骨が座ってた。
西日に照らされ座ってた。
それに近づく肉塊は、トボトボトボと遅歩き。
近づきやがて、寄り添うように、骨の隣に落ちた。
そしてボソッとつぶやいた。
「また今回もダメだった。君と見据えたこの場所で、必ずいつか会いましょう。」
突然頭に浮かんだ文章を、ストーリーを作ってはめ込んでみました。