おかしな詩
ボクを失った日から毎晩
項垂れている君をボクは知ってる
昔なら声をかけただろう
でもそれは君を苦しめる
君は君を生きなければならない
ボクの言葉で左右されてはいけない
カラスの声に怯えて君はボクを呼ぶ
知らないふり
分からないふり
全ては君のため
君はもう子どもではないんだよ
ボクに寿命はないけれど
目の前の大切な人を見なよ
チクチクチクチク
時計の針が君たちの古傷を突くでしょ?
時間が無いんだ!
これはボクからの警告
見えなくなってしまったけれど
君を不安にさせる心の正体
見つけなくても良い
聴こえなくても良い
無意識に打っている
脈とこの言葉がボクの身代わりだ
ボクも君も時計の針を巻き戻せない
カラスの鳴き声を止めることも
消えちゃう!
意識の側に消えちゃうよ!
伝えたいことの全ても伝えて無いのに!
君は虚無に侵食されてなんかないよ
ただちょっと困ったことに
自分を疑っているんだ
想い出して!
生きた証を残すって誓ったあの日を
あの時の君には七色の血が流れていたことを
消えちゃう!
本当に消えてしまう!
恨みも悔しさも喜びも悲しみも全て……
君にある感情を抱きしめて
生きよう
現実なんて捨てて
生きよう
守るべきものは何か?
生きよう
大切な人たちとともに
たとえボクが君に見えなくってもいいや
風と一緒に見守っているから
無意識の中にボクは居る
忘れてくれても構わない
でも大切なものは見失っては駄目だ
それは君だけのものでは無い
秒針もカラスの鳴き声も
君を傷付けるための音ではないこと
そういうことを言いたかった
風が……ボクを溶かしていく
どんな姿でも
どんな声でも
たとえ色を失った瞳であっても
ボクは君を君と定めるよ
これは人から見たら
ちょっとおかしな詩
深層心理の言葉
ボクと君のための言葉