至高の悪戯
初めての投稿です
宜しくお願い致します
今からおよそ1千万年後、合理性を求め続けた人類はその歴史に見合う種の進化を遂げていた。
そのうち人として定義される歴史は999万年前で既に幕を閉じている。
当時、人は自身の存在意義を他の宇宙へ生命の起源をループさせる事とし来るべきその日を待つだけの日々。
不要となった肉体や感情、知性までも捨て去り本能だけの思念体とそれを最善として促した科学技術との同等な共生関係を新たな歴史として踏み出したからである。
使命多様性確保のため幾千万の同胞が地球を旅立っていった事さえ、もはや遠い昔のことだ。
最後の旅立ちから数万年後のことだった。
1センチにも満たない小さな隕石により飛来した宇宙微生物の干渉によって地表は海底までの全てが変わり果ててしまう。
地表を賑やかに飾り立てていた原始から紡がれるあまたの命灯が次々と途絶え
代わりに生まれる荒涼は漂う死臭さえ静寂という色に染めながら
地平線から見えるそのまた先の地平線へと広がってゆき
やがては地球全体を包み込んでいった。
科学技術と同化していた一つの思念体を除き。
環境激変の影響なのか人類として地球上に唯一生き残る名もなき思念体はいつしか人としての先祖がえりを始める事となる。
そして900万年以上の途方もない時を経て一度は捨て去った感情や知性をさらなる進化をもって取り戻し今や至高体、神たる存在となっていた。
しかし暇でどうしようもない至高体は人間らしさとは何なのか一番人間らしい時代はいつの時代だったのか合理性を求め続けた人類の歴史に疑問を抱きつつ1000万年の歴史を振り返り考えを巡らせてみる。
『イタズラって何だっけ』
至高体はふと自分がその単語のある時代に生まれていたならと自らの子供姿を想像し寂し気な笑みをこれまた想像で浮かべてみた。
『そうだ、歴史にも多様性があって良いではないか』
そして人類に起こるべくして起きる科学のビッグバン(コンピュータに人間同様のパーソナリティ、人格が備わることで問題提起→解決→新たな10倍の問題提起→解決の一連を人の介入なしに実行し、介入あり1億年分の科学の進歩を短期間で促した現象)を誰も止められなくなる人の進化加速ゾーンへ突入する前の時期にずらす事で自分たちには無かった進化に対する選択ある歴史を創造することにした。
合理性に基づき人間性を失う方へ傾きゆく法律に支配される人々。
永遠に変わらない人間らしさに重きを置く法律に支配される人々。
その両者の混在する時代こそまさに選択の時




