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戦闘不能

 

【ルナちゃん視点】


 湯船に浸かっている私の目の前でお兄ちゃんが髪の毛を洗っている。


 あーもー、なーにも考えられない。我ながら凄いことをしてしまったと後悔する。


 頭の中がぐるぐるして、ドリフのあの音楽が流れてる。地球が爆発にどんどん巻き込まれていくあの音楽だ。てーてーてれ、て、て、て、て、て、ててっててっててっみたいなやつだ。


 ……ふざけてる場合じゃない。お兄ちゃんが髪の毛を洗い終わったということは次は体を洗うという事。


「お、お兄ちゃん!」


「ん?な、何?かな?」


「私が、体洗ってあげるね?」


「ごふっ、い、いや自分で洗えるから大丈……」


 湯船から上がり、ボディーソープを出して手のひらににゅぷにゅぷ広げる。そして、お兄ちゃんのゴツゴツした背中にヌルゥと手を這わせる。


「……無理してない?」


「し、してないっ!大丈夫!さぁ、次は前だよ!?」


 あーーーーーーーーーーーもうなんかなんも考えられない。


「いや、前はダメだって!」


「い、いいから、任せて!」


 グイグイとタオルを引っ張り合う。と、その時。つるんっと私の足が滑った。


「きゃっ!?」


「危なっ!」


 滑りそうになっていた私の体をお兄ちゃんが支えてくれた。


「大丈夫……っあ」


 お兄ちゃんが私の体を見て目を逸らす。


「え?」


 思わず自分の体を見るとタオルが無かった。つまり、一糸まとわぬ姿。


「もう無理ーーーー」


「ルナちゃん!?」


 ーーーー恥ずかしさと暑さと色々なもので私は気を失ってしまった。



 ―――




【ルナちゃん視点】



 目を覚ますと、お兄ちゃんの匂いがした。


「んぅ……」


「ルナちゃん!大丈夫!?」


 心配そうに私の顔を見るお兄ちゃん。


「大丈夫……」


 私は確かーーーお兄ちゃんの体を洗っててーーーはぁぁぁぁぁぁずかしい!!!!!!!何が大人の女だよゴミカスじゃん!!!!!!!!


「ルナちゃん」


「お、お兄ちゃん?」


 羞恥心のあまり顔を押さえているとお兄ちゃんの真剣な声が聞こえたため、手を元に戻しお兄ちゃんを見る。


「正直、ルナちゃんの事めちゃくちゃにしたい。俺普通に男だからね?」


「めちゃくちゃに……」


「でもね。ルナちゃんが今回みたいに無理したりするのは絶対にダメ。そりゃどうしてもその、シタいんだったらするけど」


「私も、お兄ちゃんに無理にはさせたくない」


 お兄ちゃんのこの顔は無理してる顔だ。お兄ちゃんが昔こんな顔をしていたのを思い出す。


「なら、もっとゆっくり行こう」


「うん。分かった」


「今日はそのまま寝る?」


「……お兄ちゃんと一緒に寝たいーーって何言ってんだ私は!?いまさっきゆっくりって言われたばっかだろ!?」


 あ、素がでた。ヤバ。


「ーーー寝るって、普通に寝るって意味だよね?健全な方の」


「そ、そりゃもちろん!私そんな淫乱じゃないし!」


「……なら寝ようか。普通に」


「ふぇっ」


普通に寝ました。


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