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第0話 魔王の最期

どうも、今回オリジナルの小説を投稿致しますマットです。

このサイトの規制がちょっとややこしくて、小説を投稿出来るか不安で、なかなか投稿に踏み込めませんでした。

一応、テストも兼ねての投稿をしてみます。


よければ、後にアドバイスを貰えると嬉しく思います。




~~???~~


 ここは、現代の世界の理から外れた世界・・・


 空は薄暗く淀み、果てしなく続いている荒野には、現実の世界ではゲームや漫画でしか見たことのない、異形の姿をした怪物の死体が埋め尽くされる様に転がっている。

 その死体から噴き出し、流れる血によって小さな血溜まりが数多く造られ、そこからの異臭で空気までもが汚染されていた。


 まさに『地獄絵図』…


 しかし、この世界ではそんな光景など日常茶飯事。

 『弱肉強食』の言葉通り、強い者が弱い者を支配して、その弱者から様々な物を奪うことで強者が私腹を肥やしていく。

 その世界に住むもの・・・あるいは、その世界に携わった者はこう呼んでいた。




 『魔界』と……



 そんな魔界の世界の中に禍々しい存在感を放っていた一つの城が佇んでいた。見る限りこの魔界での高位的な立場の人物が住むような巨大な城だ。

 そして城にある玉座の間で今、二人の人物が向かい合っていた。

 一人は赤い長髪をした体格の良い男で、玉座に堂々と座っていた。その男の側頭には人間には無い立派な角が生えていた。彼はこの魔界に存在をする『悪魔』であり、この城の主であった。

 もう一人は、いかにも神々しいオーラを解き放っていた中性的な顔立ちの男で、手にしていた彼の身の丈ほどの大きな槍にはこの道中で倒してきた悪魔たちの血が大量に付着していた。


 「我が配下共を倒してここまで来たのか…さすがだ。とでも言うべきかな…」


 赤髪の男は目の前の男にそう呟いた。座っている彼の顔には笑みを含んでいた。


 「ふん…あんな低級悪魔など幾ら襲い掛かろうと私の相手では無いし、倒した所で何の自慢にもならんよ。」


 中性的な顔立ちの男は、赤髪の男に鼻で笑いながら啖呵を切った。


 「ハッハッハ…さすがは神に仕えし『神将 オーディン』よ。そうでなければ我も、おもしろくないわ。」


 赤髪の男は大笑いした。

 『神将 オーディン』・・・この魔界とは対をなす場所である『神界』と呼ばれる世界の住人だ。この神界には世界を統べている『神』が存在しており、さらに神に仕える『神将』や『天使』が存在して世界を統治していた。

 彼はその神将の中でも、トップクラスの実力の持ち主であり、神からの信頼も厚かった。


 「…だが、本来ならば魔界の情勢に関して、神界は完全な不干渉を貫いていたはず…更に忌々しい事ではあるが、我以外にも魔界には高名で、実力のある『魔王』も他に居ると言うのに、何故、神将一の実力を誇ると聞く貴様が、一魔王に過ぎん我を討伐に来たのだ?」


 赤髪の男の言う通り、本来、神界は魔界への干渉は行ってはいなかったのだ。何故ならば、魔界には元々『魔王』と呼ばれる最高位の悪魔が彼を含めて複数存在しており、それぞれが支配する地域で統治が行われていた。その為にその魔王の領内限定ではあるが、魔界なりの秩序が成り立っていた。

 神界は秩序さえ保っていれば、その世界の統治方法に一任をして基本的には干渉はしない筈なのだ。

 そして彼は魔界の魔王の中でも、比較的名声や実力は低いほうであり、仮にオーディンが神界から討伐命令を受けたしても、もっと高名で実力のある魔王を相手にする筈なのだ。


 「…そんな事は知らん。…私はただ、我らが主から受けた啓示を実行するだけだ。…『魔王 アモン』……貴様に、神の裁きを与えると言う啓示をな!!」


 オーディンは彼…アモンに自分の槍の穂先を向けて、そう叫んだ。


「ハッハッハ!!その威勢や良し。…ならば、魔界の(ルール)にのっとり、我と貴様…どちらが最後まで立っていられるか、この場ではっきりしてくれよう!!」


 アモンはそう言うと右手に魔力を集中させ、その掌に炎を出現させる。


 「神将として名高い貴様を討てば、我の名声も否応なく高まるだろう。……せいぜい我の為に屍を晒すがいい!!」


 そう言ってアモンは、右手の炎をオーディンに向けて勢いよく投げ…


 「『地獄火炎(ヘル・ブレイズ)』!!!」


 そう叫んだ瞬間、投げられた野球ボールほどの炎の玉は一気にオーディンの背丈と変わらない程にまで巨大化して、そのままオーディンに向かって飛んでいった。


 「……『吸収』(ドレイン)」


 オーディンが小さくそう呟き、右手を火の玉にかざすと、火の玉はみるみる小さくなっていきオーディンの右手に吸い込まれるように消えていった。


 「…ほう……我の炎を吸収したか………まあ、流石にあの程度で終わってしまってはこちらもつまらんからな。…………では……これでは、どうかな!!」


 アモンはオーディンの吸収を確認すると、すぐさま予め作っておいた大きな火の玉を今度はオーディンの真上に向かって投げた。


 「『吸収』(ドレイン)のスキルは一方の方向にしか適用できまい……つまり、多方向から同時に攻撃をされれば無意味であろう………」パチンッ


 アモンが指を鳴らすと、投げられた火の玉は無造作に分裂をしていき、オーディンの頭上を隙間なく埋め尽くす。


 「『地獄火炎の』(ヘル・ブレイズ)……」


 そう呟いて、アモンが両手を挙げる……そして……


 「『雨』(レイン)!!!」


 両手を勢いよく振り下ろすと、分裂していた火の玉が、無数の閃光に変わって目にも留まらぬ速さでオーディンに襲い掛かった。



 ヒュンヒュンヒュン………

 ボォォォォォォ………



 絶え間なく降り注いだ閃光は、地面に着弾すると辺り一面を業火で覆いつくしていった。


 「ハッハッハッハ!!!どうだ、我の炎の雨の味は?閃光が振り掛かってからでは、対処は出来ん…ぞ………!!?」


 勝利を確信したアモンは豪快に高笑いをしていたが、業火が燃え滾る炎の一帯を見て、一気に驚愕の表情を浮かべた。


 「なっ!?……や、奴が……オーディンが…………おらん!!?」


 そう……先程までそこに居たオーディンが、影も形も無く……『消えていた』のだ。


 「クッ……まだ何処かにいるはず……一体何処に……」


 当の魔法を撃ったアモンも、オーディンが死んだと言う可能性は考えなかった。なぜなら相手は『神将』として名高い豪傑なのだ。そのオーディンがここまで簡単に倒せるとは思えない。

 「きっと、何処かに居る」……そう思って、アモンが周囲を見回していると……



 ザシュッ!!


 「……ゴフッ!!」


 突然、アモンの背中に何かが刺さったのかと思えば、『それ』はアモンの胸を貫いた。

 アモンは自分の胸を貫いた『それ』を見ると、さらに顔が強張った。


 「………こ……これは……オー…ディンの……や、り……『神、槍……ラグ…ナ…ロク』……何故、我の……は……い…ご……から……」

 「……簡単な事だ………私が、お前の後ろからこの槍を貫いたんだよ。」


 今にも消えいりそうなアモンの声に、刺した当人であるオーディンは淡々と答える。


 「き、さ……ま………い、つ……我の……は…い……ごに……」


 声が聞こえた背後を振り向き、アモンはオーディンを睨み付ける。


 「貴様の先程の魔法が着弾する瞬間……私は自身のスキルである『神走』を使い、それを回避をしたのだ……このスキルは、通常の生物には感知が出来ん程の速度で移動をする事が出来る……それを使って、貴様の背後に回り込む事など容易いのだ。」


 オーディンは抜け出した方法を、アモンに伝えると自分の愛槍……『神槍 ラグナロク』をアモンの身体から抜き取った。



 ドサッ……


 「ゴフッ!?………ゲフッ、ゲフッ…………」


 槍を抜き取ると、アモンは力無く崩れ落ち……地面に大量の血を吐いた。


 「……さて、そろそろ仕上げるとするか…………それにしても無様なものだな……先程までの威勢が嘘のようだ……今の貴様は、一魔王ではない……死を目前にした、ただの低級悪魔共と同じ……いや、それ以下の存在だな。こんな存在が魔王を語るなど、笑えるな……」


 オーディンは、転がり落ちているアモンを見下して嘲笑う。


 「…………(くっ………確かに、あれほどの大言壮語を吐いていながらこの様とは…………我も、とんだ道化よ……)」


 ろくに言葉を発せられない死の瀬戸際で、アモンは自身の結末に呆気なさを感じた。


 「では、さらばだ……滑稽たる魔王よ……」


 オーディンがアモンに止めの一撃を与えようとした……

 その時……



 『待つのだ、オーディンよ』


 突然、オーディンの脳内に謎の声が響き渡る。


 「!?………『―――――様、いかがなさいましたか?』」


 突然声が響いた事にオーディンは一瞬驚くが、直ぐに冷静さを取り戻して声の主に念じて答える。


 『魔王アモンを殺めてはならぬ』


 『!!?』


 謎の声の言葉に、オーディンは驚愕した。


 『な、何故なのです!?……私は我らが主の啓示を受けて、この魔王に始末するように仰せつかったのです!!我らが主の啓示に背く事はどう言う事か、あなた様もご存知でしょう!!』


 オーディンは、念話で声の主に訴えかける。そう……神に仕える者にとって、その神からの啓示は『絶対』……どんな手段を用いても、果たさなければならない事なのである。

 しかし、声の主は淡々と言葉を続けた。


 『………オーディンよ………貴様は、我らが主の啓示の言葉を履き違えている様だな……』


 『!?ど、どうゆう事なのですか?』


 声の主の言葉に、オーディンはすぐさま問いかける。


 『我らが主の啓示は、魔王アモンに″裁きを与える事″だ……決して″始末をする″事などでは無い。』


 声の主は告げた。

 ……オーディンが受けた啓示は、アモンに『神としての裁き』を与える事で、『殺す事』ではないと……

 しかし、オーディンは……


 『それでは納得など出来ません!!このような愚かな魔王など、存在をする価値などありません!!このような者が存在しては、世界の秩序が乱れ……やがては世界を破滅させる要因ともなりえましょう。……ならば、そうなる前に悪の芽は根絶やしにしておけば……『黙れ!!!』…!!?』


 全く納得がいかないとばかりに言葉を続けるが、突然の一喝によって黙り込んでしまった。


 『うぬぼれるな、神将オーディン!!貴様は主の啓示をろくに理解も出来ず、己の自己判断によって殺戮を犯すなど、我らが主の命に背く行為なのだぞ。

 本来ならば、今その場で神の裁きを下されても反論は無い所ではあるが、貴様のこれまでの功績と、主への信仰心を讃えて、我らが主が、慈悲を下さるそうだ。

 今すぐ、魔界より帰還して我らが主への誠意を改めるつもりで、此度の事を報告に来い。』


 『…………』


 声からの命令に、オーディンは暫く返答はなかったが、やがて………


 『……我らが主の御心のままに。』


 オーディンはそう返答した。

 すると、オーディンの脳内には声が聞こえなくなり、それを確認すると、倒れているアモンに向かって言った。


 「……貴様の事は見逃してやる……私自身は大変不快ではあるが、我らが主の命とあらば従わなければならん。……せいぜい、我らが主の慈悲に感謝をするんだな……」


 そう言うと、オーディンの周りから眩いばかりの光が溢れだし、その光は上空に向かって、天高く飛んでいった。


 「……ゴホッ、ゴホッ………」


 残されたアモンは、血を吐き出して意識を取り戻した。


 「……ハァ………ハァ………ぬかったわ、……傲って、いたとは言え……我が……敗れる、とは……ゴフッ!ゴホゴホ……」


 一命はとりとめているものの、すでに死が間近に迫っている事は明らかであった。


 「(我の命、もはや長くは無いか……だが、このまま座して死を待つ訳にはゆかぬ!!我がまた魔王としての再起をはかれる様にしなくては!!)」


 アモンは、自分の身体を気力をもって起き上がらせて、自分が吐いた血を使って地面に何やら書き始めた。


 「(……オーディンよ。そして、我の事を見下し……みすみす、見逃した神よ……このアモン、例えこの地で死に絶えようとも、我が野望の炎は今なお燃え滾っておるのだ!!

この場で我を葬らなかった事、必ずや後悔するであろう!!)」


 アモンはそう思っていると、やがてアモンの血は人一人が入れるほどの魔方陣を書きあげた。


 「……ハァ、ハァ…………『憑依転送陣』……何とか、出来たぞ………」


 『憑依転送陣』………それは対象の魂や、記憶……魔力を持って別の肉体に憑依をする魔方陣である。

 この魔方陣を使えば死を目前にしたアモンの魂を、魔王としての実力を持ったまま、別の肉体を使って再起をはかれる。

 ただし、憑依をする対象は決められず、最悪の場合……全く別の世界への憑依も考えられるのである。しかし、アモンにとってはそんな事を気にする余裕は無かった。


 「(例え憑依先が決められずとも、我の実力を持ってすれば魔王に返り咲く事など容易いことだ。……そして、その後にオーディン共を含め神界の者共を、悉く根絶やしにしてくれるわ。)」


 魔方陣の中に入ると、アモンは小さな声で呪文を唱え始める。


 「――――――――――――――――」


 すると魔方陣からだんだんと赤い光が、淡く輝きだした。……そして、アモンは両手を掲げ、叫んだ。


 「―――憑依ネクロス!!!」


 その叫び声に答えるかの様に、魔方陣の光は激しくなった。


 やがて魔方陣から光が収まるとアモンが音もなく倒れ込み、そのまま全く動かなくなった。


如何だったでしょうか?

何か、キーワードとかで必要な物があったのなら教えて欲しいです。

こんな駄文の上、超亀更新の小説に、興味を持って貰えると嬉しいです。


次回は、アモンの憑依先となる人物の話を書こうと思います。

(小説のタイトルも話が投稿出来上がり次第変更しようと思います。)

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