キャバ嬢に教育を施してみた時のお話
ちょっと今、シリーズを読み返してみて、思った事が1つ。
私、仲間の誰かに、奢ってもらってばかりいる話ばっか書いてるな……。
まぁ確かに私は、他の仲間達とは違い、色んなバイトに明け暮れて、1つの仕事を継続して実績を積み重ねて来た人と収入の面でも多少の差がある。
後は、私はまぁよくやっても、パチンコとパチスロぐらいだ、しかも低価値交換の、出来るだけ少ない金額で長く楽しめる物にしか手を出さない。よって見返りも少ない。
仲間達のように、お舟やお馬さん等は、やってみたが当たる気まったくしなくて、やめた。ナンバーズは的中率が、ダントツで低い。よって、仲間達にあぶく銭を使って奢ってやった事は少ない。
これは、そんな私が運良く、スクラッチ宝くじで、高額当選した時に、私の奢りでキャバクラに飲みに行った時の、お話。
「おっ! おっ? おお!? やべぇ当たっちゃったよ」
『おっ来たか? 何等?』
『さすが、もふ君』
私は今、仲間のドムとロリの3人で、10円玉片手に、街の宝くじ売り場のカウンターの隅を占領して、スクラッチ宝くじの銀の部分を擦っている。
「2等……10万円」
『『お~すごい!』』
1枚200円のスクラッチ宝くじ。通算15枚目で出たアタリだった。
実に下らない事に金を掛ける集団だ。
「おばちゃん! 当たったよ~2等だよ2等~! おばちゃん選んでくれたからだね」
宝くじ売り場の中に居る、宝くじ売ってるおばちゃんに、笑顔で伝える私。
『おお~お兄ちゃんやったね、おめでとう、2等なら10万円だね、ここで換金してく?』
宝くじ売り場には、2種類の売り場があり、当選金額の払い戻しの上限が店により決まっている。10万円と5万円。
見分ける方法は、売り場のガラスの隅っこ辺りに、シールが貼ってある。読者の方も、今度宝くじを買う時に、確認してみるといいだろう。
さて。あぶく銭を手に入れた私。もちろん今居るメンツに何か奢るのは、何の問題も無い。
「肉? 寿司?」
『キャバ!』
こらこら、ドムよ。ここには真正ロリコンが1名居ることにも考えてやれよ。
「キャバはダメだろ、ロリが楽しめない」
『うん? もふ君行くならキャバでいいよ~俺、酒飲んでるし、別に女性と一緒にワイワイするのも嫌いな訳でも無いし』
ロリよ……大人になったな、私は嬉しい。
と言う事で、キャバに行く事になった。
はい! キャバの前に到着です。え? 早すぎ? いいんだよ。大した事も無く、キャバに着いたんだから。
「と言っても、久し振りのキャバだな……俺フリーで入って、気に入ったの居たら場内で指名するわ、ロリもフリーだよな当然」
『そうだね、別に口説く訳でも無いし、どうでもいい』
さすが、13才以下にしか欲情しない男(笑)
ドムもフリーで中で決めるわ。と言う事らしいので、仲良く3人フリーで入店。
男性スタッフとのやり取りで、フリーで入る事を告げ。
「この、飲み放題のボトル中身何?」
私がそう訪ねると、男性スタッフが。
『あ~安物のウィスキーですね』
苦笑いで教えてくれた。そんなの飲んでても美味しくないし、今夜は多少の金はある。
「それじゃ、焼酎ある? ボトル下ろすわ」
男性スタッフが、焼酎のボトルと、氷と水とウーロン茶を持ってくる。焼酎ボトルキープ2,000円。割りと安い。
その頃には、指名の付いてないキャバ嬢もやって来て、男性スタッフの紹介受けて、それぞれ横に座る。
『『宝くじで10万当てて、俺等にキャバを奢ってくれた、もふにカンパ~イ』』
さすがドム……最初の話題としては、よい感じだ。これでキャバ嬢も、このネタで話を切り出し易い。踏んでる場数が違うねぇ。
その後も、10分~15分置きにキャバ嬢が入れ替わり立ち替わり。
そして、私の隣に、新人のキャバ嬢が着いた。
見た目が、そこそこ可愛い感じの、ちょっとタイプのお姉ちゃん。通り掛かった男性スタッフに。
「あっこの子、場内ね」
そう告げた。告げたんだが、当の本人は、キョトンとしてる。この何も知らない感じが、また初々しくて、楽しめる要素だ。
『○○ちゃん、今こちらのお客様から、○○ちゃんを指名するって言われたんだよ』
男性スタッフの言葉で、きっと初めての指名なんだろう。物凄く喜んでる。
うんうん、いいねぇ……すれてない感じが。
それで、まぁ色んな話を聞き出してみると。
短大生で、友達の紹介でキャバでバイトを始めたらしい。
週に3日ぐらい出勤してて、2ヶ月ぐらい経ってると。
そこで、友達が、一週間ぐらいの差しか無いのに、既に本指名(入店する時に指名する、客にとっては目当てのキャバ嬢)を何本か持ってて、どうやったら本指名取れるのか、少し悩んでたところで、私から、場内(店の中で気に入ったキャバ嬢を指名する事)とは言え初めての指名を貰えた。って事らしい。
「へ~なるほどね、友達に勝ちたい? どうせなら」
ストレートに、そう聞いてみると、小さく頷く。
それじゃ、どんな感じで営業かけてるのか、教えてよ。
あっお店の中で着いた、お客様に楽しんで貰うために、頑張って話をしてる。とか、そう言うのは抜かして、何かしてる?
そう聞いてみると。案の定の答えが。
『お店の中以外で? 特に何もしてないかな』
「それじゃダメだよ、それじゃ絶対に勝てない」
「いいかい? キャバクラってさ、基本、私達みたいなフリーの客と、指名する女の子が最初から決まってる客と、どっちが多いと思う? 答えは、指名する客、フリーの客って案外居ないんだよね、○○ちゃんも、お店来ると、待機してるか、ペルプに着くか、って事の方が多くない?」
『うん、そんな感じ、よく分かりますね』
その言葉に私は苦笑い。そりゃ分かるよ、だって私はキャバクラで仕事してたんだから。
「そして、指名が決まってる客って基本は、1人で来るのよ、ゆっくりと1対1で、目当てのキャバ嬢と話がしたいってね」
物凄く真剣な顔して、私の話を聞いてる。本当にどうにかしたいのだろう。真面目に聞くなら、こちらも真面目に教えないと。
「まぁたまには、指名する客が誰か連れてきて、その人はフリーなんて事もあるけど、そんなに多くは無い」
「それじゃ○○ちゃんの事を、本指名する客をどうやって確保するかって言うと、まぁ、昔から使われてる手なんだけど、今でも使われてる、それだけ効果があるから、廃れたりしない訳」
『う~何かメモ取りたくなってきた……』
流石、学生(笑)メモを取りたいか。まぁメモを取ってもいいぐらいの話なんだが。
「○○ちゃん携帯あるよね? その番号をお客に教えるの抵抗ある?」
『ちょっと抵抗あるかも』
「それじゃ、明日どこの会社のでもいいから、一番安い料金設定で、最低メールと通話が出来るだけの携帯を借りておいで」
「名刺貰ってるよね? その名刺の何枚かに、借りてきた携帯の番号と、その携帯のメールアドレスを書いたのを用意する」
○○ちゃん、めっちゃ真剣な顔してますなぁ(笑)
「そして、フリーやペルプで着いた時に、そのお客さんが、また来てくれて自分の事を指名してくれないかな? そう思ったお客さんには、番号とアドレスが書いてある名刺を渡すの、そして、お客さんのアドレスを聞く」
『アドレスだけ?』
「そう! アドレスだけ、番号は聞いちゃダメ、何でダメかって言うと、普通に仕事してるかも知れない、家に居て横に奥さんが居るかも知れない、そんな時にキャバ嬢と、電話出来る訳ないよね、だから、○○ちゃんからは、メールが出来るだけにしておくの、もちろん向こうから番号を教えてきたら、それは覚えておくんだよ」
しかし……私は、何をしてるのやら(笑)
○○ちゃん、お店から貰ってる名刺をメモ代わりに使ってるし(笑)
「そして、1日に2~3回でいいから、全てのお客さんにメールを送るの、どんなメールを送ったらいいと思う?」
『う~ん……バイトでお店に出ますとか、遊びに来て下さいとか?』
「はい! 全然ダメ~! 普通の挨拶とか、普通のちょっとした事だけをメールするの、例えば……おはようございます、今起きちゃった、ちょっと学校に遅刻しそう。とか、今日はランチにパスタを食べました。とか、そんな内容のメール」
キョトンとしてる○○ちゃん。まぁ理解できてるなら、悩む必要も無いわな(笑)
「お店に来てよ、なんてメールは絶対にしちゃダメ、キャバに来るお客さんの多くは、キャバ嬢に恋をするんだよ? それなのに、店に来いとか送ったら、俺は所詮は金運ぶ客なだけかよ! って思っちゃう、もう来なくなっちゃうよ」
「何気無い事をメールして、この子は、俺の事を客としてだけ見てる訳じゃないって思わせないと、そして、ココに来たら会えるって思わせるの、そうすると、会いたいってなって勝手に向こうから来てくれる」
「後は、○○ちゃんが、お店に来てくれた本指名のお客さんと、たくさん話をして、アブナイ人じゃないなと感じたら、まずは同伴に誘ってみるの」
『アフターじゃなく同伴ですか?』
「そう! アフターじゃなく同伴、同伴って言っても、軽くご飯食べたり、買い物したりと、1~2時間ぐらいの軽いやつね、同伴ってさ、同伴の後は必ず一緒にお店に来なくちゃいけないし、同伴しますから遅れてお店に入りますって、お店にも連絡するでしょ?」
『???』
解らんか(笑)最近の子は、危機意識とか無いんかねぇ……
「同伴ってアフターに比べたら安全なのよ、解る?」
『あっ! お店に必ず来るし、先にお店に連絡もするからですね?』
はい、正解。
「アフターは、お店が終わってから、お酒を飲みに行ったり、ご飯食べに行ったりするでしょ? 変な人だったら、やられちゃうよ?(笑)」
「アフターは、同伴もして、大丈夫って思えるお客さんとだけ行くの、もちろんお店の中で誘われても、行っちゃダメ」
「マメにメールして、私の事忘れないでね、無理しなくていいから余裕あったら会いに来てね、またご飯食べに行こうね」
「こんな感じに、お客さんに○○ちゃんに対する恋心を植え付けていくの、まぁ後は、容姿とかそう言う問題になっちゃうから、○○ちゃんの魅力次第になるけど、本指名ぐらいなら、今言った事を実践したらすぐ取れるよ」
それじゃ、そろそろ〆ますか。
「最後に、とっても大事な事を、絶対に忘れちゃダメだよ、お店側の考えね、お店側としては、フリーのお客様には、指名の少ないキャバ嬢、やる気のあるキャバ嬢を、積極的に席に座らせるの、それだけ、○○ちゃんには、お店が多くのチャンスを与えてくれてるの、それを絶対に忘れちゃダメ」
こうして、ドムとロリに着いてたキャバ嬢もいつしか、聞き耳をしっかりと立ててた、私のキャバ嬢の心得講座は終わった(笑)
『すごい! どうしてそんなに詳しいんですか?』
しきりに、すごいを連発してる、○○ちゃん、そこに、たまたま通り掛かった店長さん。
『この人がどうして詳しいのか教えてあげようか?』
そう言って、私の方をニヤニヤして見てくる店長。
『この人はね、このお店が出来た時の店長さんだったからだよ』
『そしてね、私がまだアルバイトだった時に仕事を教えてくれた人なんだよ』
『ですよね? △△グループの元本部長のもふもふもんさん(笑)』
いいから、下らない事バラシてないで、仕事しろ(笑)