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01 スタート。


ハロハロハロー。

某ゲームの仲間になれる夢を見まして、じんわりと温かい気持ちになったので、どうしても書いてみたくなった作品です。某ゲームだとわかってもそっと気付かぬふりをして、楽しんでいただけたら、幸いです!







 紅い月の国。

 空も地上も紅い色に染めるそんな夜がある世界が、舞台のゲームがある。

 ファンタジーな世界が広がるRPG。

 魅力的な主人公・ヨール。夜空色の髪と瞳を持つ青年。過酷な使命を背負い、仲間と共に戦うゲーム。

 私はそのゲームに命を救われたと言っても過言ではない。

 鬱病になってしまい、正直死ぬ寸前だった。原因は昔の家庭の問題だ。両親の離婚。よくある話だ。トラウマが呼び起こされて、仕事中も滅入ってしまい、人生が嫌になってしまっていた。

 死のうと考えばかりで、それを終わらせてもらおうと精神病院に入院。その際に仕事を辞めさせてもらった。

 入院中は読書をして過ごしていた。仕事中に気が滅入る時間もなくなったからなのか、入院のおかげなのか、私は随分楽になったものだ。

 薬を処方してもらいながら、自宅で療養した。

 当然、時間が空く。すぐに働く気にはなれず、もう少し楽な時間を過ごしたかった私は、暇潰しを探した。そして見付けたのは、【紅い月の国】だ。

 丁度発売日。私はやり込んで楽しんだ。

 オープンワールドで自由に歩き回れる。グラフィックはそれはそれは美しくて、何度も息を飲んだ。

 そして、何よりも私が惚れ込んだのは、主人公のヨールだった。

 高校生みたいに無邪気な笑みを持ち、整った顔立ちをしている。正義感が強く、仲間想い。でもちょっと朝が苦手で、面倒くさがりやな面もある。なんというか、ド好みだ。婚約者がいるのは、ちょっと残念。でも好き。

 そんな【紅い月の国】のVRバージョンが配信された。

 私はそのためにお高いVRを購入。現在ニートには痛い出費だが、【紅い月の国】のためなら、悔いはない。というかヨールのためなら、悔いはない。

 現実と錯覚するVRで【紅い月の国】の世界観を楽しめるだけあって、私の期待と興奮はMAXに上がっていた。配線が複雑なVRをなんとかゲーム本体に繋げられた私は、ウキウキとしてVRのゴーグルを装着。

 紅い月が浮かぶ夜空のオープニング画面が、表示されている。

 左右後ろを見ても、紅に染まる藍色の夜空。星が瞬いている。

 早くプレイしたい気持ちがあるけれども、その紅い夜空も堪能したくって眺めた。下は純黒だったものだから、ちょっとゾッとする。高いところは苦手ではないけれども、VRでリアルで見ると恐ろしく感じるものだ。


「あーワクワクする!」


 私は声を出して、ついにスタートさせようとした。

 ◯ボタンを押した瞬間、ガツンッと頭を叩かれたような衝撃を食らう。

 視界は、紅い夜空から純黒の下に落ちた。




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