二時限目:生ける伝説の剣/拳聖とチート先生の本組手~マジで面倒くせぇ~
おはようございます。ご来賓の皆様。本日はご参観ありがとうございます。
本日の念話語りは私、第二学年のプロイエクト大公家が三女ヒナでございます。
「あー、テメーらさっさと席つk…今日も立ち見多いな、暇を持て余すな馬鹿共」
決して暇では無いです。寧ろ暇がほしいです。
「このシャイs…っと授業中だったな。悪い悪い…んじゃー今日の授業やんぞ…
っつっても教科書とかねーからノートだけで良い」
そうです。リヒト先生の授業は教科書がありません。作ってくれても良いのに、
先生は前身私塾の頃から教科書を全く作らなかったそうです。
まぁ、先生の授業を教科書にしたら特級の魔導書扱いでしょうが。
授業を受ける前はそんなバカなと思っていた私も今では納得です。
「あー、んじゃ課題クリアした奴はさっさと出せ」
「「「………」」」
リヒト先生の課題は"ぐぐ"らないと分からない難問オンリーです。
提出なら誰でも出来ますが、合格を貰った人は学園の歴史から見て
後にも先にも現英雄教諭とエグザムステイル帝国の歴代皇帝数人だけだそうです。
それもそうです。まず誰もが"ぐぐる"という調査方法でギブアップですから。
それを聞こうとすると先生は酷い笑顔で「"ググれカス"」と言うのです。
これを理不尽と言わずして何が理不尽なんでしょうか…!!
「ん、おkおk。それが普通だ。至極真っ当な連中の証だ……
…つーか次元魔術に手を出してまで"ググりやがった"ツェットがおかしいんだ」
言うまでも無いことでしょうが、"ググる"という調査術式は
未確認神話級禁呪であるアカシックレコードの亜種なので、そんな"ググる"を
ホイホイ使えてしまうのは世界広しと言えど第四賢聖ツェット様と
他ならぬ"ググる"を最初から熟知しているリヒト先生くらいです。
いつだったか酒気帯びのツェット様が授業中に愚痴った言葉から
ある程度は詳細を知ったのですが、そこから限界でした。
―見ちゅけるのはそうんな難しくにゃーのよ~、問題なにょは~、
それで手に入れた"ぱそこん"の~"鍵盤"の文字を解読して~、
んでもってさ~? "うぇぶさいと"ってゆ~"家頁"とかいう~
"でぃすぷれー"に映った~何十種類もある異界言語を~解読とか~
また解読かよマジふざくんなよグローセンシャイセぇっ!! ゴットダェモン!―
最後に卑罵語で締めくくったので呪いの言葉なのでしょうか?
そのせいかツェット様はそこから支離滅裂罵詈雑言の嵐で授業は中断。
ツェット様は三日三晩の反省文提出という罰を受け、その後は
その話を持ち出すだけで単位を落とされる生徒さえ出てしまったので、
学園内では禁句となる始末…きっとこのまま永遠の謎になるのでしょうか…?
すなわちリヒト先生の課題は単なる罰ゲーム…シャイs…失礼しました。
「はいよ、んじゃー授業すんぞ。今日は…そうだなぁ…何が良いかなぁ…」
基本的にリヒト先生の授業は「皆勤していれば単位が取得できる」
救済処置みたいな扱いです。だからリヒト先生がどんなに嫌いであっても
殺したいほど憎くても、リヒト先生の授業を選択しない生徒は居ません。
それに何より…リヒト先生の授業は…運が良ければ…? 時々…
「失礼仕る!」「頼もう!!」
「「「!?」」」
「げぇっ!? Wケン聖っ!?」
今回はこの世の男の子なら誰もが一度は憧れる剣聖シド・シヴァ様、
拳聖ガルガモンド様の両ケン聖様でしたが、
何の前触れも無くリヒト先生の元教え子である英雄様方が現れ、
リヒト先生に有無を言わさず特別鑑賞教室を開催して下さるのです。
「超師匠! 今回の課題だった異次元邪神眷属"イタークァ"の毛でござる!」
「シドに同じくオレ様も"ヴァルドヴァロン"の涙を分捕って来たぜ!」
リヒト先生は何も言わずにお二方と共に姿を消します。
単に迷彩魔術を使ったのではなく時空魔術と次元魔術の合わせ技だそうです。
何しろこの両ケン聖様が持ってくる課題提出物は現世でそのまま出しては
多くの人々の正気を消し去るとか…? 見た人は当事者以外いないので
その辺りはサッパリですが。
「………何でお前等魔力の才能ゴミ以下なのに出来んの?」
「ヴィーケンドゥイツでござるなw」
「応よ! ヴィーケンドゥイツだコラwww!」
「…ねーよ。これだからバカって怖いんだよな…
…人のこと言えねーけどさ…」
本気で落ち込むリヒト先生の写し絵は世界的人気商品です。
今日もきっと学園内…いえ世界経済が金貨で乱れるでしょう。
誰が写し絵を仕入れてくるのかは謎ですが。きっと、
間違いなくツェット様ですね。流石は第四賢聖様…。
どうしてツェット様は独身なのでしょうか…学園七十七不思議です。
…最後の言がよく分からない方は是非"ググって"下さい…失礼ですね。
申し訳ありません。
「というわけで超師匠。お手合わせ願います」
「何時も通り2対1で30分な!」
リヒト先生は頭を掻き毟ってから喫煙をします。リヒト先生なので
その行動を咎める人は誰も居ません。リヒト先生の教室は完全換気消臭万全です。
「はー…テメーらもどーせ見るんだろ?」
「「「ヤァァァァァァァア!!」」」
―今日こそは頼みます両ケン聖様!!
―リヒト先生を殺してくださいお願いします!!
―掠るだけでも良いです! 私はリヒト先生の流血様が見たいです!!
―えー…毎度おなじみ~臨時売店~クッキーにキャラメル~
特製イチゴミルクはいか~っすかぁ~?
―あ、一式下さーい!
―カリーヴルストある~?
―ありゃーすよ~
―僕は……やっぱり要らないです、何だか不名誉な気がするので…
今回も購買部は大繁盛ですね…あ、私もイチゴミルクを下さいな…。
「バカチンどもが…! 一番のバカチンはテメーら二人だけどな!?」
「有難き幸せにござりまする!」
「センセの暴言は最高だぜwww! 本気の殺意が沸くからなwww!」
「ほざけ!! オラぁ! 購買部! 俺の分残しとけよ!!」
「「「「「あざーす!」」」」」
購買部員全員居たんですね…道理で今日は閉店中だと思ったら…。
<CHIITO∞SENSEI>
場所は変わりまして、学園内の実技試験場…今日は…ああ、
やはり英雄教師の皆さんは全員見学するんですね…その先生方の授業を受けた
生徒たちがちょっぴり可哀想ですが…公休ですから良いんですよ。
課題は増えますが。私の知った事ではありません。恨むなら
リヒト先生の授業の参加抽選に漏れた己の不運を恨むのです。
「はい、それでは今回も審判は私、セレスディータが勤めさせていただきます」
「永久実況は私、メルキュリーリスと」
「同じく永久解説、ファイエルネウスでお送りするぞい」
最初は頭痛がしましたが、それだけリヒト先生の特別鑑賞教室は
全校生徒及び教諭の一番人気コンテンツです。皇国では賭博は
認められた賭博場以外では厳禁重罪ですが、ここは皇立学園本校。
シャイセン治外法権です。
―サァー張った張った!
―何時も通りのリヒト先生完封勝利に金貨200枚! 0,1倍差額でグヒヒ…!
―大穴大逆転に金貨1枚! 倍率一万倍だが俺は奇跡を信じる!
神々よ! 今日こそはリヒト先生に宿命的天誅を!! そして俺に成り上がりを!
―皆…どうしてそんな不名誉な真似を平気で出来るんだ…?!
―ノエルぅ…お前ってバカなの? 死ぬの?
ー不浄理な…!
……どうせ予定調和なので普通はリヒト先生の勝ちは1倍固定でしょうに…。
でも、ノエルの言う通りです…皇国民として最低ですよ…。
「ねーヒナぁ? 今日は何枚掛け?」
「何時も通りに白金貨10枚掛けですが何か?」
「さっすが大公家~! 今日も潤っちゃう~?」
…ええ、私は最低です。でもリヒト先生が負けるのを見たくないのも本心です。
だって、先生は私の恩人ですもの…良い事をしてお金を稼ぐのは悪い事ですか?
…答えは聞いておりません。悪しからず。
「それでは皆さん。試合開始30秒前です」
静寂…いえ、多くの人たちの息を呑む音がしますね。
「試合開始まで20秒前…」
―やべ、トイレ行きたい…
―購買の紙おむつ買わなかったのかよ…
―俺にだってプライドがあるんだよ…
―事前に買っておけよバーカw女子はみんなそうしてるぜwww?
―ッ最低…!
―飲み物買う事自体間抜けよねぇ?
―食べ物買っちゃったアンタがそれ言うー?
―安心してください。薬は飲んでますwww
―…ふ、不浄すぎる…!
……丸聞こえですよ。こういう事に備えてリヒト先生の授業がある日は
2時間前から何も飲み食いしない私と不特定多数の同士が正義です。
「今日こそは…!」
「やってやるぜ…!」
「あー、がんばがんば…あ、岩盤出しとくか」
リヒト先生は第五階位土魔法『岩山隆起』で会場中央に岩山を出現させます。
もちろん裏表の一部を壁のように仕立てるのは忘れません。
「マジ殺意沸くわw」
「もう斬る事も困難なのは致し方なし…」
「でしょーね」
リヒト先生…鼻をほじらないで下さい…汚いです。
「五秒前…四、三、二、一…」
両ケン聖様方の表情が…まるで氷山…。対してリヒト先生は…
鼻から紫煙をもくもく……可愛くないにも程がある…!
「はじm「撃てぇッ!「ぶっ殺せぇ!」」」
「「「またか貴様ァ!!」」」
学園長と三賢聖左右方の噛み合わせゼロな掛け声からの
三つ巴怒号ハーモニーがゴングです。
「殺ッ!」
「死ね…!」
剣/拳聖様がたの姿が消えます。お二方はリヒト先生曰く「魔術才能ゴミ以下」
だそうですが、ゴミ以下の評価は第三位階の全13属性術式を使いこなせる…
という普通に天才レベルの部類がゴミ扱いなので、参考にはなりません。
…ただ、お二方はそれに怒り本当に魔術を一切使わず…確か………
リヒト先生の母国である『遥か彼方のニホン国」が発祥だとされる、
忍者と呼ばれる隠密機動魔術戦闘職の忍術なる
本来なら魔術を使用せねば出来ない芸当を、ご本家同様魔術が如き
超技巧を以って姿を隠すのだとか…それ、とても人間業じゃないですよね。
「イヤーッ!」
「忍べ馬鹿」
最初に姿を見せた拳聖様の…ニンジャカラテなる格闘術での手刀は
呆れ顔のリヒト先生に受け…止めると見せかけて避けられそのまま
クロスカウンターで…あぁ、定番の『岩盤刑』第一号。
「ほあぁぁアッ!?」
―ヒューン………ジゴォォォォォォン!!!!
普通なら岩山も貫通しても不思議じゃないレベルの大穴陥没が出来、
その中心にはシッカリ全身めり込んだ拳聖様の顔面を
ぐいぐい押しつけて微笑で悦に浸るリヒト先生。
「テメーも好きだなぁ? マゾなの?」
「ご…が…」
手を離せば、ポロリ…と聞こえそうなレベルで綺麗に地面に落ちる拳聖様。
「案の定ダメだぁ! ガルガモンドは早くもリタイアかぁー!?」
「問題は無さそうじゃ、ほれ、ガルガの奴め顔を上げておるぞい。ちなみに
参考までに同じ攻撃を食らったら亜竜辺りまでなら全身を強く打って
顔面グイグイされる前に大抵は即死じゃ」
確かに。口の端から血を垂らしつつも口角泡立てて歯を剥き出して
拳聖様は普通に宙に浮いてるリヒト先生を射殺すように睨み付けてます。
あの表情が遠隔撮影術式でドアップになった映像を不意に見ていたら
初見云々関係なしに三割は粗相をするでしょうか。
「シドぉ!! 隠すなら存在そのものを隠せって言っただろうが!!!」
「な、んゴパッ!?」
リヒト先生が叫ぶと同時に回れ右して何も無いところに裏拳アッパーをすれば…
…そこに吸い込まれるかのように現れた剣聖様の顎を綺麗に打ち抜きます。
リヒト先生は未来予知能力者だという話は聞いた事が…
…あったような…ないような…? 正直… 縦 回 転 す る
剣聖様の姿が気になってそんなのどうでもいい感じです。
「おおおおお見事おおおおお…!」
「お前が無様なだけだこのバカが」
リヒト先生はそのまま剣聖様の足を片手で掴み、軽くジャイアントスイングで
拳聖様のい…ない!? え!? さっきまでうつむいてた筈じゃあ…?!
「うがああああああああああ!!」
「おう、頑張ったな」
リヒト先生の剣聖様投擲は拳聖様に羽交い絞めされて中断します。
「んんん…! 場面が違えば違う意味で"醸し"甲斐のある光景ですねー!!」
「200年以上相変わらずブレぬなぁメルよ…一応自分の夫じゃろうに」
「別腹ですから」
たまにメルキュリーリス先生もリヒト先生の要"ググり"語録を言うので
何を言いたいのかわからないことがあります。
…一体何を醸すというのでしょうか…? まぁ、それはさておき…
「剣のぉ!!」
「ぬん!!」
「お」
ボフンと音と小さな煙と木偶人形を残して剣聖様は隠れました。
これが変わり身の術という忍術ですね。似たようなものは
魔術にも結構あるので、説明不要だった気もしますが。
「肉を切らせてボーンをダーンってか」
リヒト先生は羽交い絞めもものともせずに空いた手を首元へ動かし、
摘む動きをすれば…はい、そこに剣聖様の愛刀"シグルイオニシマヅ"の刃先が
やはり吸い込まれるように摘み止められます。
「ん?」
!? 刀だけ!?
「無視してんじゃねぇ!!」
拳聖様は自分諸共リヒト先生に極彩色の火炎を纏わ、せ…!?
「おっとぉ!? これは第十五位階火魔術の『イアクトゥグア』だー!!」
「ほぉ…そこまでの術式をのう…? これはもうゴミ以下卒業じゃな」
第…十五…位階…?!?!?! リヒト先生曰く…
「暫定全二十階位」の内の…上から五番位階…?!?!?!?!
嘘でしょう?! だってどんな属性でもあの位階魔術は…!
「リヒト先生含めて世界で四人しか使えないはずです!!」
私は立って叫んでました。
「ん~~~そーですねぇ! ツェット君! どうだったっけぇ!?」
「………ん? 立体大画面にボク映ってるのか…そうだね。確かに
ヒナ氏の言う通り、何属性だろうが第15位階の魔術は…
先生、ボク、ファイエル…そして『万能息女』ディータの四人だけだね。
おめでとうガルガモンド。ようこそ超人外の領域へ」
「…私の異名は要らないでしょ…!」
「えー…? 何何~? 何か言った~?」
「あの師父にしてこの弟子あり…ふぁっくゆーです!」
連合衆国語でのある意味丁寧な「シャイセ+α」を吼えた学園長ですが、
ツェット様は何処吹く風です…とはいえ皇国内で人に対して使ったなら
侮辱罪で現行犯逮捕激アツですのでご自重くださいませ…。
「さぁーて! 場外乱闘の気配を匂わせつつ、本戦はぁ………あら」
「ん? もういいのか? 意外と早かったんだな?」
「「………」」
私達の多くが意識を学園長とツェット様のやりとりに向けている間…
本組手は…終わっていました。
リヒト先生のそれぞれの手には、アイアンクロー状態で…
血塗れな剣/拳聖のお二方が、持ち上げられておりました………抵抗…?
私はお二方がそうしてるなんて言ってませんが。
「「「「「………」」」」」
「ディータちゃん?」
「……試合終了ですね」
<CHIITO∞SENSEI>
そして、敗者は恒例の公開処刑です。
「ほれ、これが当時はツェットと双肩を並べたガルガモンドきゅん…
ーアハハハハハハハハ―…の、ツーショット女装ーハハハハゲブロァァァッ!?ー
完全なるとばっちりのツェット様。先笑いも前振りとしか思えませんね。
…となるとその吐血も予めの仕込みと勘繰らざるを得ません。
演技で目と耳からも吐血するのだとすれば…の話ですが。
「ひとおもいにころしてください…」
「ガルガモンド…」
「他人事で哀れむなよシド。テメーのもある。高 画 質 動 画 で な 」
「馬鹿な…!?」
映写機からスクリーンに投影されたのは…まだチョンマゲではない…
比べれば間違いなく時の流れを感じさせる剣聖様? シグルイシマヅは
この頃から持っていたのですね。
「…………?! 無い!? アイテムボックス内の自決用品が何一つッ!?
な! ら! ば! 舌「させねぇよボケ」ムガア!?」
…リヒト先生は剣聖様の口に手を突っ込んで自害妨害します…頭痛が痛いです。
「こいつは昔はそりゃーもうバカ正直でさぁ? 俺の言葉を騙されたと気付くまで
愚直に信じて動くんだぜ? だからy…おっといけねぇこっから18禁だったわ。
ピー音交じりの音声と濃すぎて何がどうなってるか分からんモザイク動画でよろ」
―あぁ!? そこは…!? 待っづああああああああああああああ?!
「む゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
「剣の…悔しいな…悔しいよな…!」
「げぇ…!? 何てエゲツない…! ボクなら即自決するわー…」
「ひどいの…」
「これは…あんまりですよマイスt、リヒト先生…!」
「お父様…いっぺん死んでみるのが良いかと…」
「アリかナシかでいうと…1000%ナシですよ旦那様…?
国家間なら開戦も辞さないレベルですよ…?」
「おぼろろろろろろろろろ!!」
「タリス…? それお気に入りの銀杯だったんじゃ…?」
…英雄先生方にはモザイク無しで見えていらっしゃるのですね…?
「……ん。んじゃここで罰ゲーム終了だな。正直俺も最後は見たくないし」
リヒト先生から解放された剣聖様は…死ん…?! では…いませんね。
私達には何が起こっているのか殆どを想像推測せねばいけませんので…
どれほどの地獄だったのかは定かではありません。
「センセ…剣の奴は…」
「あぁ、気絶したし、後でこの件の記憶は改竄しとくからフォローよろ」
「……あい…」
「まぁ、折角皇国に帰ってきたんだからよ。忘れる意味でもコイツの起き抜けに
居酒屋百週くらいしてこい。ファイエルも良いか?」
「うむ…酒で全てを上書きしてやるわい…学園長」
「戻るまで公休扱いにしてあげますから最低一週間分の課題だけ
今すぐ用意してくださいね…」
「…すまんの」
…え、じゃあ少なくとも私には三日分の課題が…?!
ーさ、最低一週間…だと…?
ーヒャーハハハハハハオワタァ!!
―俺、戦術科で良かった…
―私も同じく…
…お小遣いが配当で増えてなかったら…私…リヒト先生を…!!
<二時限目はこれにて。生徒の皆さんは課題提出を忘れずに>
3話は投稿できたら夕方までに投稿します。