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〝L〟ost days

お久しぶりです、よしをです。


いつの間にかブックマークしてくださった方がいらっしゃって大変嬉しかったです。


9/15日追加事項

・魔力値→神力値

・戦闘部分の追加

 ―――幕間:side:ショウ・ニカク―――


「うっ…ここはいったい…。」


 光に包まれたと思った瞬間、さっきとは別の場所へと立っていた。


 そうだ、そんなことよりもまず…


「レオン!レオンはいるか!」


「おやおや、どうされましたかな勇者様。」


「あんたには聞いていない!レオン!どこだよレオン!」


「少し落ち着かれてはいかがですかな。」


「アルザス、彼らはいきなりここへ連れて来られて、気が動転しているのでしょう。

 まずは彼らに説明をしましょう。」


「姫様かしこまりました。

 では、私から彼らに説明致しましょう。

 みなさま、まずはこちらの召喚に応じていただきありがとうございます。

 神様への契約による召喚ですので、事前に神様から説明を受けておられてると思いますが、私からこの国や世界の現状についてご説明させていただきます。」


 そこからアルザスと呼ばれていた人が、この国や世界の現状を話し出した。

 しかし、その内容はある程度想像通りの内容だった。

 その内容はこういうものだ。

 過去、この世界では3つの巨大な国が周りの小国など世界を支配していた。その三国はそれぞれ違う産業で栄えており、その三国の間で小競り合いはあったものの、何百年間も平和を維持している状況だった。

 しかし、10年前のある日を境にその状況は変化してしまったのだ。

 10年前のある日に三国から離れた北の地に黒い巨塔の出現が確認された。

 その情報を元に各国が兵を出し合い、その北の地へと数百人規模で遠征を行ったが、遠征軍のほとんどが壊滅し、敗走してきたのだ。

 遠征隊のメンバーに話を聞くと、ダンジョン、財宝、魔王などの単語がある程度聞き取れたが、それ以外は号泣、絶叫、懇願など意味のわかるものではなかったという。

 そこで事態を重く考えた国の重鎮たちは、この問題をどのように解決するか考えている最中に事態は急転した。

 魔王と名乗る男が継承スキルらしきものを使用し、空へと彼の姿を映し出した。

 そして全世界へと大々的に宣戦布告を行ったのだ。

 彼¡いわく、

 我は神に遣われし者なり。

 我はその使命に基づき、我ら魔族以外の生物を我らの傘下にする、と。

 そして、魔王を名乗るはその言葉を言い終わると、捕らえた遠征隊の生き残りの人間を連れてこさせて、手をかざした。

 すると、その生き残りの人間は、全世界の全国民の眼前でオーガへと変化させられた。

 彼は続けてこう言った。

 我の力は神に与えられしものなり。

 我はその力に基づき、我ら以外の生物を魔人または魔物へと変化させる、と。

 それを言い終わると、先程オーガという魔物へと変化させられた人物は魔王にこうべを垂れた。

 その後、魔王の演説が終了するやいなや、世界中の国民が阿鼻叫喚しだした。

 それに対して、各国はお互いに条約を結び数万にも及ぶ連合遠征隊を組織したそうだ。

 しかし結果は負け…敗北というのも生温いほどの惨敗。

 それからというもの魔王率いる魔族との戦いは連戦連敗。

 それからは人類存続のためだけに戦い続けて10年、やっと魔王に対抗するしうる勇者の召喚準備ができて、今に至るそうだ。


「ごほん、勇者様方おわかりいただけましたかな。」


「ふざけるな!お前たちの…お前たちのせいで、レオンや壱羽さんがどうなったか知っているのか!

 おい、國一も何か言ってやれ!」


「お、俺が、俺の、俺のせいで、くそっ!くそっ!

 あんな奴らに好き勝手やられて!くそっ!くそっ!」


 あらら、國一のやつ完全に気が触れてやがる…

 こりゃ期待するだけ無駄か…

 でも、自分よりも情緒不安定なあいつを見ると少し落ち着いてきたな…


「姫さんとやらに聞きたいことがあります。

 俺たちはいつ帰れるのですか?そもそも帰れるのですか?」


「私はここレグヌム王国の第一王女アルスティナ=レグヌム。

 私のことは気軽にアルスとお呼びください。

 あなたの質問へのお答えですが、元の世界に帰ることは現状では可能性があるとしかお答えできません。

 なぜなら私たちが貴方達をこちらに呼び出せたのは、〝S〟を司る神ステラ様から、継承スキル“Summon《異世界召喚》”を賜ったからなのです。

 なので、貴方達が元の世界に戻るためにはそれに適した継承スキルを得るしかないかと思います。」


 なるほどな。筋は通っているが果たして…


「アルスさん、説明ありがとうございます。

 私の名前はショウ、ニカク=ショウといいます。ニカクが姓でショウが名です。

 そうですか…では、その継承スキルはどこでいただけるんでしょうか?」


「そ…それは…誠に申し訳ありませんが、私たちにもはっきりしたことわからないのですが…。」


 ん?どういうことだ?たしかこの人はさっき…


「あなたはたしか〝S〟の継承スキルを受け取ったはずですよね?」


「はい、そうなんですが。

 実は今回継承スキルを賜ったのは夢の中のお告げからでして。

 私達もこのようなことは初めてでしたのでどのように説明すればいいのか。

 5年ほど前から、夜寝ている時に私達国民の夢に神様からお告げを託されることがありました。

 神様が言うには、〝A〟を司る神が我らを害そうとしており、我々〝B〟、〝S〟、〝U〟を司る神がお前たちを助ける。

 しかし今のままでは我々があの神に勝利することは不可能である。

 だから、これからは我々を祀る神殿を増やし、それ以外のものは潰してしまえ、と。

 その暁にはお前たちに希望をやる、と。

 初めは半信半疑だった私達も、毎日毎日夢に神様出てきてくださるので、これで魔王から救われると思い、ここ5年でついに神殿を〝B〟、〝S〟、〝U〟を司る神様ものへと集約させたのです。

 そして、集約させた私達に、ステラ様はこのスキルをお与えくださったのです。

 そして、それをお与えくださってから、スキル発動の為の供物を用意し、今にいたります。

 なので、きっと魔王を倒した暁には、神様が貴方達を元の世界へと帰してくれるでしょう。」


 〝B〟、〝S〟、〝U〟を司る神って、たしかレオンや壱羽さんを消しさったあいつらか!

 くそっ!それ以外の神の神殿もなくなってしまったみたいだし、これは完全にやつらの手のひらに…

 ん?しかも供物を用意だと?いったい何を…


「供物は一体な---」


「ところで勇者様方、父様のご支度ができたようですので、まずは父様のいらっしゃる広間へ行きましょうか。」


「ちょっと待---」


「ささ、ショウ様、まずは広間へ向かいましょう。」


 供物について詳しいことは聞けないまま、

 姫様は俺の手を取り、広間へと連れていったのだ。


 ---


「勇者様方、よく参られた。

 私がこの国の国王であるサールーン=レグヌムだ。

 どうか我らの民を救うためにも、我々に力を貸してくださらぬか。」


 これが王様か…

 思っていたよりも腰が低くて、話し方も丁寧だ。

 これはいい傾向なのかもしれないが…


「おそらく私達は魔王を倒さなくては帰れないと思います。なので貴方達に協力しようとは思いますが、私たちにそのような力があるのでしょうか?」


「そうか!それはありがたい!

 これであ奴らも報われるというものだ。

 力に関しては心配することはないはずだ。

 ステラ様は呼び出した勇者様方には魔王に対抗しうるだけの力をお与えになられたと、語っておられたからな。

 ここで一度ステータス画面よ呼び出してみれば、わかるぞい。」


 そういえば、俺はまだステータス画面を開いてなかったな。


 -----

 名前:ショウ=ニカク


 種族:HUMAN¡《人間》


 職業:〝B〟RAVE¡《勇者》


 称号:《スーアの誇り》


 レベル:1


 能力:

 :God'sPower¡《神力値》:88,000


 :Strength¡《力強さ》:100


 :Intelligence¡《賢さ》:1200


 :Mind¡《精神力》:1000


 :Vitality¡《生命力》:100


 :Dexterity¡《器用さ》:300


 継承文字:〝B〟

 -スキル

 :Nスキル:・〝B〟lind¡《幻惑魔法》;lv1・〝B〟uildup¡《強化》;lv1・〝B〟elieve¡《信頼》;lv1

 :Rスキル:無し

 :SRスキル〝B〟omb¡《爆弾生成》¡《爆裂魔法》¡《改造》¡;lv1

 :EXスキル:無し


 継承文字:〝S〟

 -スキル

 :Nスキル:無し

 :Rスキル:〝S〟urvey¡《鑑定》¡《地図》;lv1

 :SRスキル:無し

 :EXスキル:無し

 -----


 これは良いのか、悪いのか…

 國一とスキルは似ているが、ステータスは全然違うな。


「私のステータスはこんな感じなんですが、魔王に対抗しうるでしょうか。」


 みんなのステータスをメモしている官僚が、私の前にきた時に聞いてみた。


「おぉ、これはすごい。

 確認してきた今までの中で、クニイチ殿に匹敵するほどの凄まじい潜在能力を秘めておられます。」


 良かった、この力があれば、魔王を倒し、みんなを元の世界に戻してやれるかもしれないな。


「そうですか、わかりました。」


 そこから魔王を倒すべく必死に、必死に、必死になって来る日も来る日も俺は鍛えた。


 ---2年後---


「ついにダンジョンを抜け、ここ魔王城までやってきた!

 この2年間の間に新たな仲間や武具を手に入れ、クラスメイトたちの屍を乗り越えてついにここまでやってきた。

 あのクニイチも死に、クラスメイトたちも半分にまで減ってしまっているが、俺ショウ=ニカクが率いている限り、勝利は目前だ!

 さあ、みんな、最後まで諦めず、力を出し切って魔王を倒そうぜ!」


 うぉぉぉぉぉ!という歓声が響き渡る中、俺は目を細め魔王城を睨んだ。

 あいつ、あの魔王さえいなければこんなことにならなかったんだ。

 レオンも壱羽さんも結ばれていただろうに…


「ではいくぞ!全体前へ進め!」




 -----

 名前:ショウ=ニカク


 種族:HUMAN¡《人間》


 職業:〝B〟RAVE¡《勇者》


 称号:《スーアの誇り》/《復讐者》/《神力の申し子》/《断罪者》


 レベル:87


 能力:

 :God'sPower¡《神力値》:37,650,000/48,000,000(+20,000,000)


 :Strength¡《力強さ》:1800


 :Intelligence¡《賢さ》:21800(+5000)


 :Mind¡《精神力》:18100(+5000)


 :Vitality¡《生命力》:2300


 :Dexterity¡《器用さ》:4900


 継承文字:〝B〟

 -スキル

 :Nスキル:・〝B〟lind¡《幻惑魔法》;lv8・〝B〟uildup¡《強化》;lv7・〝B〟elieve¡《信頼》;lv8

 :Rスキル:無し

 :SRスキル〝B〟omb¡《爆弾生成》¡《爆裂魔法》¡《改造》¡;lv7

 :EXスキル:無し


 継承文字:〝S〟

 -スキル

 :Nスキル:無し

 :Rスキル:〝S〟urvey¡《鑑定》¡《地図》;l7


 :SRスキル:無し

 :EXスキル:無し

 -----


――――


「勇者よ、よくぞ我のところまでたどり着いた。

 半年前にきた勇者は骨がなかったのでな、今回は我をちゃんと楽しませてくれよ。」


「そんなこと言ってられるのも今のうちだけだ。

 貴様を倒す!

そして、俺は復讐を果たしてやる!」


そう言うと、俺は片手に持った霊装杖を天に掲げた。


「すべてを消し飛ばしてやる!」


“Bomb《爆裂魔法》”


ドドドドドドドドンンン!

手榴弾を何個もまき散らしたかのような爆発が巻き起こった。


「やったか!」


土煙が収まったそこには、出会った時と同じく仁王立ちで魔王が立っていた。


「ふむ、これが貴様の継承スキルか… 。

少しはやるようで安心したぞ勇者!

我の名前はクイファン=イゾデータル!

この国イゾデータルを治め、この国の魔族をまとめる王である!

勇者よ、お前の名前を聞いといてやろう、貴様にはその価値がありそうなのでな!」


魔王のくせになまいきだ!

いや、ゲームの方は勇者のくせに…げほげほ。


「俺の名前はショウ=ニカク!

今から貴様を倒し、この国を潰す!」


「意気がるなよ、小僧が!すぐに滅してくれようぞ!」


“Unexpected《絵空事》”


「すぐに決着をつけてやる!」


“Bomb《爆裂魔法》”



――――


 “Bomb《爆裂魔法》”


“Untouchable《不可侵領域》”


 ボン、ボン、ボンボンボン!!!


もう、何度使ったかわからない…

ただただ魔王を殺すためだけに何度も何度も継承スキルを発動していた。


「ふははは、甘い、甘いぞ勇者。

 そんなもので我を倒せると思ったか。」


 魔王は高らかに笑っているが、すでにやつの左腕は無くなっていて、息もかなり上がっている。

 つまり、俺の攻撃は効いているのだが…


「はぁはぁ、くそ!俺以外はみんなやられちまったのか…。」


 さっきから支援継承スキルの回復魔法もかかる様子がない。だからと言って後ろを振り返る余裕すらない。

 レオン…壱羽さん…ごめんな…俺の…復讐のためにいっぱい人がしんじゃったよ。

 これじゃああの世に行ってもお前に会わせる顔がないよ。

 死んだあとにレオンに怒られちまうかな…

 だが、最後にこの元凶である魔王だけはなんとしても倒す。

 だから、レオン…ちゃんと最後まで見ていてくれよな。


「魔王よ。

 私は復讐のためにお前を殺しにきた。

 しかし、その復讐に付き合わせた為に多くの者たちが死んでしまった。

 今は亡き友や俺たちの召喚の為に供物になった何百万もの人々に会わせる顔なんてもはやねぇ。

 だから、俺は、お前を、この城を道連れにしてみんなへの手向けとする。」


「今更何をしたところで、そんな死にかけの体では何もできんよ。」


「ふっ、その続きはあの世で語っていやがれ。」


 バーン、バーン、バーン、バーンンンン!


「何が起こっておる?!

 音は聞こえるのに何も変化がない…。

 お主まさか戦いの初めから仕組んでおったのか。」


「これは最終手段だったんだがな。

 そうだ、初めからお前に支援継承スキルの幻惑魔法を掛けていた。

 そして、その間に爆弾をばらまいてきたのさ。だが、その程度の爆弾では城は潰せてもお前を殺しきるには足りない。

 だから、こうするのさ。」


自分の心臓に手をかざし


 “Bomb《爆弾改造》”


 ドックン…ドックン…


「うっ、くっ、自分を爆弾にするのはやはり疲れるな。

 だが、これでもう終わりだ。

 じゃあな、魔王。あばよ。」


 “Bomb《爆裂魔法》”


 ボーーーーーーーーーーーーーーーーン



 ---こうして魔王城は消え去り、ダンジョン部分である黒い巨塔だけが残った。


 勇者様たちが死んでしまった後、彼らの残してくださったものを形作ることで、この世界はまた繁栄をもたらしたのだ。


 彼らの残した知識により科学が発達し、万人が力を持てるよう継承スキル無しに魔法を使う研究も進められた。


 こうして世界は発展を続け、今にいたる。


 ---古代勇者の英雄伝より抜粋---


 そして、その発展した大地に、時代遅れの継承スキルを所有した1人の男が来たことはまだ誰も知らない。


「えっと…ここはどこだ?」



最後まで読んでいただきありがとうございます。


伏線の回収はおいおいやっていきますので、生暖かい目で見守ってくだされば、ありがたいです。

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