その7~おお!勇者よ!死んでしまうとは情けない~
一話上げるごとにマイリストが一人ずつ増えてます!うれしいね!ありがとうございます。
だいぶ楽に振れる様になってきたな。
・・・まだまだ今のナナシの剣技など餓鬼の遊戯に等しいわ、それにほれ昨日騎士の者と手合わせしてもらって思い知ったであろう?その程度では武器のみを使っての勝負では勝てぬと・・・
昨日、騎士の稽古にお邪魔させてもらい、実力が知りたいという大勢の兵士達の希望により模擬戦闘をさせてもらった。
結果は全敗、「それなりに剣を使っているがまだまだ剣に振り回されている」というコメントまでもらってしまった。
もう大会までもう日がないというのに大丈夫なのかな、なんとかダリルは倒してお姫さんの問題を解決してやりたいんだが、最悪魔法を使ってでもダリルには勝とう。
・・・魔法を使えばナナシでも上位までゆくのもたやすいだろう、しかし、それでいいのか?ナナシ武術大会というならば剣のみしか戦わないと言っておったのではないか?・・・
レオ、俺はそこまで聖人じゃないから、むしろ悪役だよ?ずるいことせこいことをしてでも勝ちに行くよ?
だが卑怯な手は使わない。
・・・ん?卑怯な手とずるい・せこい手は違うのか?・・・
まぁ、俺なりの言葉遊びだよ
さて今日は大会への参加登録をしに行くんだがうっかり口を滑らせたものだからフィルもついて行くと言い出した結果フィルを城門前で待つという羽目になった。
イスカはいつものように俺の隣に立ち腕を絡めていた、何が楽しいのかわからないが尻尾はご機嫌に踊っていた、それに腕にあたるやわらかさを感じるだけで俺は幸せなんだが。
「すまないな!待たせた!」
今日はまた目を惹く格好だった、髪を後ろでまとめて上げて帽子で隠しパッと見ただけでは少年のようにしか見えないその姿だが隣に立っている付き人さんのおかげでわがままな商人のぼっちゃまに見える。
「どうじゃ!これならば私がフィルネシアであるとわかる者もおらぬであろう!」
「もしかするとドレスで来てもばれなかったりするんじゃないか?さっき道行く人に聞いたらフィル王女様はとても物静かでお淑やかな方だそうだ」
「私のその話をきいてなぜドレスを着て歩いても大丈夫などという言葉が出てくるのだ?」
だってその噂欠片も当たってないじゃないか!と言おうとしたら途中で殴られた。
広場で歩きながらでも食べれるサンドイッチのようなものを食べながら登録するために受付へ向かった。
「う、出遅れたか、仕方ない並ぶか」
受付にはすでにすごい列が出来ていた、その最後尾を探していた時
「見つけたぞ庶民!この間はよくも私に恥をかかせてくれたな!」
周りの人たちがすっと引き俺達とレイナルドを遠巻きに見ている。
マントを着けたレイナルドがこちらを見てわめいていた、その姿を見たとたんイスカの尻尾が下がったのを俺は見逃さなかった。
「これより貴様に裁きの鉄槌を下してくれる!強大なる炎神よ!我が声に応えてその力を示せ!」
・・・愚か者めこのような場であのような上位魔法を使用するとは、ナナシこの場所で下手に受け流すと周りに被害が出る!・・・
わかってる!かといってあたるわけにもいかないし、仕方ないか自業自得だレイナルドには来年の武術大会を頑張ってもらうことにするか
「《フレアボール》」
「威力減!《自業自得》」
レイナルドが放った大玉ほどある火球は俺の目の前まで飛んでくると空間に波紋を残して消える、そしてバスケットボールほどになった火球がレイナルドへ飛ぶ
「なっ!」
とっさにかわそうとしたレイナルドだが逃げ切れずに当たる火柱が起きるが爆風は俺が上へ逃がしたため怪我人は出なかったようだ
「ぎゃぁぁぁ!おのれ!おのれ!おのれ!この借り必ず倍返しで返してくれる!覚えてろよ!」
ついでに癒してやろうかと思ったのだがさっさと逃げていくその姿を見ると大丈夫なようだ、というかフィルが近くにいる今でなければ障壁で耐えるなどの方法もあったのだがさすがに何発も耐えれないと思ったので早々に負けてもらうことにした。
さて登録をと受付の方へ向くとさっきまで長蛇の列が出来ていたのが数えるほどしか並んでいなかった。
「ふ、今のナナシを見て勝てないと尻尾を巻いて逃げたか」
フィルさんとっても楽しそうですね。
並ぶ手間が省けたのでよしとするかな、そこでフードを被り全身をコートで覆った不審者とぶつかりこける。
「おっと、ごめん」
「あぁすみません、急いでいたもので」
「おい!奴隷の分際でなにをもたもたしている!さっさとこい!」
このフードの子は奴隷でアレが主人なのだろう、俺は立ち上がって手を差し出す。
「怪我はないかい?」
驚いた様子で俺を見るその目は真紅だった。
「大丈夫だ、主人が呼んでいるのでこれで・・・ありがとう」
走り去っていく様子が広場で最初に会ったイスカとダブった。
「はい、えっとそれではナナシ様が武術大会に出場されるのですね?」
ちらっとイスカの方へ目を向ける受付のお姉さん
「はい」
「ではこれで登録完了となります、明日はご武運を」
ありがとうと残して城へ戻る。
帰り道フィルから聞いた話だと最近は貴族達が自ら傷つくのを恐れ、代わりに戦闘力の高い奴隷を戦わせることが多くなってきたそうだ。
自分は傷つくことなく奴隷に戦わせて自分が高い地位に就く、より強い奴隷を飼いならす事が貴族の仕事という人もいるとか。
今椅子に座って本を読んでいるイスカを見る、青い瞳がせわしなく動いている。
こっちの視線に気付いたイスカが「何?」とたずねるが「なんでもない」と返すとまた本を読むため視線を落とした。
イスカの頭をやさしく撫でて離れようとするともっととせがまれしばらく撫で続けることとなった。
たまにはこんな静かな時間があってもいいだろう。
「おい!なぜそこで押し倒さんのだ!」
ここはナナシの部屋の前、少しドアを開けて中の様子を伺っているのはこの城の第二王女のフィルネシア様・・・のはずだ、俺は長いことこの城の警備にあたってきたがフィルネシア王女とはこのような人物だったのだろうか、もっと物静かで窓際で本を読まれはかなく微笑んでいらっしゃったあのフィルネシア王女はどこに行ってしまわれたのだろうか、だがこの活発に行動なされるフィルネシア様のほうが本当のフィルネシア様なのだろう、以前の時々見せたさびしげに見える姿もここしばらく見ていないと侍女達も話していたこれもすべてナナシ様がいらっしゃったおかげなのであろうか?
確かにいきなりナナシという冒険者をこの城へ呼べとおっしゃられた時は何事かと思ったが姫にも何か考えがあったということなのだろう。
今しばらく放っておこう扉の前ではしたなくも中の様子を伺う王女を横目で見ながら兵士は思うのであった。
「ナナシー!待ちに待った武術大会当日だぞーいつまで寝ておる!ほらさっさと起きて支度せぬか!ふぎゃ!」
ナナシの部屋に元気よく入りまだ寝ていると思われるナナシを起こすためベットに近づくが近づいたとたんベッドの中から抵抗を許さぬ強い力でベッドの中へ引きずり込まれる。
ん?抱きしめられ、え?なに?へ?っと思考が暴走して考えがまとまらない、腕の主はさらにフィルを抱きしめ反撃を許さない。
あわわわ、ままままだ早いわよ?まずは結婚してからって子供を作って子供は男の子と女の子を一人ずつは欲しくてでも先に子供を作るのも嫌ってわけでもなくて、ってあれ?そこで目の前にやわらかい感触があることに気付く。
布団をのけるとフィルの腕をつかんだのはイスカで獣人族の彼女の拘束を解くだけの力はフィルにはない、そしてベッドの上にはイスカしかおらずナナシの姿は無い。
彼女は数分後に素振りから帰ってきたナナシに救助された。
「まったく酷い目にあいましたわ、にしてもまだ同じベットで寝ていましたのね」
イスカのやわらかい抱き心地が素晴らしくて離れられませんでした!なんていえるわけもなくナナシは笑ってごまかそうとする。
「ではどうですか?今夜は私のベッドで御一緒しません?」
そうしな垂れかかりながら問いかけたフィルに一瞬ドキッとしたもののからかわれていると思ったナナシは
「冗談でもそんなこと言ったらだめだぞ、そういうのはフィルが心に決めた人に言ってやるべきなんだから」
「私に魅力が無いから?だから冗談だといってごまかすの?」
俺の服を引っ張り珍しく食い下がってくるフィルに驚いたが
「俺はフィルに魅力が無いとは思わないよ、むしろフィルは魅力的で美しい女性だよ」
真剣にそう思う、磨き上げられた美貌は隠せないものだ昨日も変装はしていたが男性の目を引いていた。
「なら・・・」
「でも王女という肩書きがあるフィルは冒険者の俺のような者が珍しくてそれを恋心と勘違いしているのだろう」
そこでパッと俺から離れるフィル
「ふっ!まんまとだまされたなナナシ!いつも本当に王女なのか?とか魅力が無いなどと言っておったくせに私の魅力にメロメロではないか」
だまされた・・・完全に騙された、もしあそこでうなずいていたなら完全な笑いものになっていただろう、
いや王様の耳に入れば打ち首もありえない話ではない。
なんて危ない罠なんだ、と冷や汗が出てきたので一度顔を洗おうと水場へ行く。
「ほんとにナナシは愚か者なんだから・・・」
そんな声が聞こえた気がした。
闘技場と呼ばれた武術大会の開催地は人で溢れていた。
フィルは王族として特等席があるからそっちで見ているといい、イスカも一緒に行かないかと誘っていたがイスカはそんな特等席より観客席で見ていると断っていた。
バルドーさんは会場入り口で俺の武器を持って待っていてくれた、彼曰く自信作だそうだ、ただし今ここで現物を確認して欲しいと言われて剣を抜いたところ貸してもらっていた剣の半分くらいの重さしかなくて驚いた、バルドーさんはこの顔が見たかったそうだ。
武術大会は王様の開会の言葉から始まりルール説明、最後に進行説明となった。
周りを見回すと大きな斧を持った筋肉質な男からきらびやかな鎧を着た細身の男もいる、あれは魔法使いだろうか杖を持った者もいる、いろんな者がいるなと思っていたら後ろから声をかけられた。
「おい、あんたが昨日スフィーリアスの貴族を返り討ちにした庶民ってのは」
振り向くと大きな牙を持つライオンの顔をもつ獣人がそこにいた。
「あぁ、返り討ちというか自分の身を守っただけだ。」
身長はナナシよりはるかに高い190ぐらいあるんじゃないか?と見上げるするとすぐに笑みを浮かべて
「おぉ!そうか!そうか!お前が我らの同胞を助けたというショミン殿か!」
おっとこのライオンさんは俺の名前がショミンだと勘違いしている。
「いや、俺の名はショミンじゃなくてナナシっていいます」
「おっと名を違えるとは失礼した、ナナシよ、俺の名はロウエンという、家名はわけあって話せないすまない」
悪い人ではなさそうだ、握手を求めると驚きながらも笑いながら応じてくれた。
獣人族を平等に扱ってくれる事が珍しくそして自分に対して握手を求めた人族は少ないらしくうれしいと話してくれた。
「では本戦で会おう!」
ここは本当に異世界でした、ライオンと握手できたよー、肉球は少し硬かったけどふにふにしてたー!
・・・らいおん?にくきゅう?・・・
レオはテンションの上がりっぱなしの俺に疑問を感じているらしかった。
武術大会のルールは簡単にまとめると
相手を殺さず気絶、もしくは降参させれば勝ちとなるただし相手が戦意を喪失し審判がそれを確認していたのにもかかわらず攻撃を加えた場合失格となることもある、ただし本戦では死の危険があるので早めの降参を勧めていた。
武器、魔法の使用は許可されているが武器使用の際は戦闘開始前に申請することが必要。
と人族にかかるルールはそれくらいだ
観客席にまで及ぶような魔法は禁止、高位の魔法使いが結界を張ってはいるが危険が伴うため
さすがにすべての試合を1対1で進めるのは時間が足りないので4つのブロックに分けてバトルロイアルで人数を減らすそうだ、逃げ回っていても本戦にはいけるんじゃないのかと思ったが一定以下の人数まで減らない限りバトルロイアルは終わらないらしく手っ取り早く終わらすには他の人に眠ってもらうのが一番よさそうだ。
さっきのロウエンさんとは別のブロックか、ダリルは本戦からの出場だからさくっと本戦へ行かせてもらいたいな・・・
「おい見ろよ、人族の餓鬼が混じってるぜ」
「武術大会もなめられたものだな」
「きっと金を惜しんだどこかの貴族の坊ちゃんか奴隷だろう?」
「それでは武術大会予選始め!!!」
ナナシの周囲の参加者はナナシがこの中では一番弱く倒しやすいと思ったのだろう全員が剣を抜いて飛び掛った。
が、ナナシの周囲に張り巡らされた風の幕によって空高く舞い上げられ地面にたたきつけられた。
ナナシは奇襲者が舞い上げられた瞬間に魔法を使う
「抵抗はやめて、おとなしくしなさい《テイザー》」
《テイザー》:地球では電気銃の名を持つその魔法は目標へ向けて電流を流し気絶させるただそれだけの魔法だった
この魔法は地球の警官をイメージするので詠唱の変わりに例の警告を言ってしまう。
電気という概念の無いこの世界では自然の雷やモンスター以外麻痺を与える魔法はあっても電気という魔法が無いらしい。
このブロックの敵は2名、なんでもないという顔をしている男、障壁を張って防いだ女魔法使いが残っている。
「そこまで!」
もう一撃を加えようとした時終わりの合図が告げられた他のブロックを見てみる、結構派手にやらかしたところがあったようだ黒煙を上げているブロックやボコボコの穴だらけになっているところもある。
一つのブロックを除いておおむね3人ほどの出場者が出ている、そのブロックは一面血にまみれており死に至った者はいないということだがそのブロックにいた者は等しく体の一部分を失ったという。
「1回戦は対戦相手が決まり次第行いますのでしばらく選手待機室等でお待ちください!」
このまま連戦でもよかったのだが血の片付けや穴の処理などあるのでしばらく休憩となったようだ。
「若いのになかなかやるじゃない」「いい技だった対戦の際は正々堂々戦おう!」
と同じブロックの人たちは休憩室の方へ去っていく。
観客席にイスカの姿を見つけて近寄っていく、メリルさんやジョーイさんそしてなぜかフューディルのギルドのお姉さんがいた
「メリルさんジョーイさんお久しぶりです!イスカ、本戦出場決定したよ!」
「あんたが出るって聞いて久しぶりにこっちまで見に来たんだからね」
「あんた変わった魔法使うんだなーびっくりしちまったぜ」
「ナナシ・・・かっこよかったよ」
「カカシさんー無視するなんてひどいですー」
無視したわけじゃないんですその魅力的なバストはなかなか忘れれるものじゃないですから、ただ、名前を知らないだけなんです
「あー、そういえば名乗ってなかったでしたっけーフューディルのギルドでー受付してますーセシリアとー申しますー」
「えっと、お久しぶりです」
心を読まれたわけではないよな?
「うふふふふ・・・」
読まれていてもおかしくないのか!?え?受付必須技なのか!?
と思っていたら
「お待たせいたしました!対戦カードが決まりましたので選手の方は本部の方までお越しください!」
おっと行かないとな
「じゃあ行ってくる、また後でなイスカ!」 「行ってらっしゃい」
「いいねー!若いってのはー初々しいじゃねぇか!」
少し走るスピードが上がった・・・。
俺の相手は大きな鎌を使うエルフのお姉さんだった。
見るからに重そうな鎌を片手で持ち歩くのをみてエルフって弓以外も使えるんだって素直に感心した。
「それでは!第1回戦一撃でそのブロックの数多の選手を倒したナナシ選手この町に滞在する庶民冒険者だそうです!対するはエルフ族の綺麗なお姉様ゾルディア選手!ふとももの深いスリットから男は目が離せない!」
ですよねー、どうやって調べたのか知らないプロフィールを読み上げていく司会者さんあんたとはいい酒が飲めそうだ。
他のブロックの対戦カードが発表されていく
「ねぇ、ナナシさん?貴方ってもしかしてあのフューディルで噂の獣人奴隷をかけて貴族と取り合った色ボケお人よし冒険者さん?」
なんかフューディルに戻るのが怖くなってきたんだけど何その噂!?
「色ボケでもお人よしでもないと思いますがたぶん俺・・・なのかな?」
「アハハハハ!こんなところでそんな有名人に会えるなんてね!後でサイン頂戴よ!まさかあの物語は現実にあった話を多少誇張したなんて書かれてるから単なる物語だと思ってたのにホントに黒い瞳と黒髪の冒険者が獣人族の女の子と仲良く話してるんだから、いやー面白い!これだから世の中わからないよねぇー」
おねえさんものすごい笑ってるよ、こっちは何の話やらさっぱりなんだがとりあえず後で詳しい話を聞いてみよう
「あーそうそう、噂のユニコーンの騎士さんには悪いけど手足失うくらいは覚悟しといてよね?」
ものすごいことを笑顔で言わないで欲しい。
戦闘開始ともに《強化》と《脳内チャット》を起動させておこう、エルフって事は魔法は通用しないと思っておいた方がいいかもしれないな。
・・・いや、あの娘もしや、ナナシ全力で《ノイズ》をあやつに打ち込んでみるといいもしかするともしかするかもしれん・・・
《ノイズ》なんて攻撃力の無い単なる集中力を乱す程度の技なのにそれで勝てるとは思えないがやらないよりかはマシか
「それでは!一回戦!始め!」
「バラバラに切り裂いてあげちゃう!」
さっきのお姉さんはどこ行ったの!?ってほど怖い豹変を見て一瞬のラグが起きるそのうちに間合いを詰められる。
初撃を剣で受けてその威力に逆らわずに飛んで距離をとる。
「いい反応するじゃないの、やっぱり戦闘はこうでなくっちゃほらほらぁ!つぎいくよぉ!【残影】!」
ゾルディックが鎌を振るうと反対側から鏡あわせのように影の鎌が現れる。棒高跳びの要領で飛び越えて剣をがら空きの背中へたたきつけようとするが、地面から生えた鎌の影が剣を弾く。
「いいわぁ、早く貴方を切り裂いて貴方の血でここを真っ赤に染めてあげる。」
ん?よく見たらエルフ耳の周りに何か魔法を使ってる?
「我はここに願う《疾風の刃》!」
カマイタチが無数に飛んでくる。
「《ストーンウォール!》」
イメージの問題だと思うがレンガの壁が現れてカマイタチを受け止める。
「我はここに願う《風神の息吹》!」
《風神の息吹》:風の弾丸を飛ばす精霊術
レンガの壁が崩れていく
今のは魔法とは違った気がするけどあれも魔法?
・・・いや、あれはおそらく精霊術だと思われる・・・
精霊術?魔法とどう違うのさ
・・・魔法は自らの魔力を消費して力を行使する、一方精霊術は精霊と契約しその精霊に願うことで力を行使する、魔法は使用者の魔力量によって威力等が変わり魔力が尽きれば魔法も使用できなくなるが精霊術はその精霊によって力の差はあるものの願う者によっての差は無いさらに使用の制限も無いが精霊は気まぐれ屋な者が多くよぼど気に入られておらんとあのように力を使うことはできんだろう・・・
「何をブツブツ言ってるのかしら?我はここに願う《極寒の風》!」
《強化》した足でサイドステップする今までいた場所が凍りついていく
「まだまだ!我ここに願う《漆黒なる刃》!」
黒い刃が無数に飛んでくる
「《自業自得》!」
黒い刃は空間に吸い込まれて空間に波紋が残りゾルディアの周りに波紋が現れ無数の黒い刃がゾルディアに向かって飛ぶ、しかしそれをひらりとかわす。
「なかなかやるじゃないの!まさか一回戦からこの子まで使うことになるとは思わなかったわ!我はここに願う《風神の子シルフ》!」
・・・ほお!下級の精霊とはいえ直接召還するとはな、なかなかあの小娘もやるものだな・・・
確かエルフって超長生きする生き物じゃなかったっけ?見た目はあんなお姉さんでも実は100年も200年も生きた婆さんだとか言われそうでなんか素直に萌えれないんだよな
・・・ナナシ、おぬし戦闘中にそんなこと考えておったのか・・・
「もう終わりかしら?我はここに願う《影の針》」
地面から無数の針が生えるのを飛んでかわす。
「そこ!」
飛んだところに風の精霊がすかさず風の刃を飛ばしてくる
「《暴風壁》」
予選で使った風の幕を張って風の刃をいなす
「今のをさっきみたいに壁で防いでいたら貴方ごとバラバラになったのに」
「なら次はこっちから行こうかな《氷槍雨》!」
一面に氷柱が降ってくる
「甘い甘い!【残影】!」
鎌を振るい氷柱を砕く
「ふっ、ならば男性の皆様ごらんあれ!《鎖呪縛》!」
ゾルディアのまわりの床から一斉に鎖が現れ彼女を縛り上げていく「おぉぉぉぉぉぉぉ!」という歓声が上がる。
「ヴァージョン亀甲縛り」
鎖を絡めつける呪縛術があったのでもしやこれなら出来るんじゃないかとおもったら出来てしまったよ
・・・基本的に想像できるものなら魔法は現実にすることが出来るのだがあまりつまらないことに魔法を使うでない・・・
あのナイスバディをなるべく傷つけずに勝つには動きを封じるのが一番そしてさらに見てるほうもうれしいものがこの鎖呪縛Ver亀甲縛りなのだ!
「くっ」
ゾルディアが鎖によって締め上げられた次の瞬間シルフが鎖を断ち切った。
まぁそれなりに楽しめたからよしとする。
「よくも辱めてくれたわね!」
「えっと観客にサービスを・・・」
「だまらっしゃい!我は願う《影刃乱舞》」
突然あたりを黒い刃が無数に現れ飛び交っている強化してなかったら今頃ズタズタだろう。
「もらった!全方位からの【残影】これなら逃げ場は無いわ!」
振り下ろそうとした鎌はその場から動かない。
「鎌が・・・動かせない!?」
「《ノイズ》」
「いぎぃぃぃぃ」
ふぅ、《空間呪縛》で鎌を固定して驚いている間に《ノイズ》を耳に叩き込むという作戦は成功した
にしても見事に泡吹いてるね。
・・・うむ、エルフ族は基本隠れ里に住み隠密や遠見などを得意とする狩人でな耳がとてもよいと聞いたことがあるのだ、今回は聴覚の強化までしておったようだから音で攻撃するなんて思ってもいなかったのであろうな・・・
「おっと!ゾルディア選手気絶を確認!勝者ナナシ選手!2回戦進出!」
全身ローブで隠した選手が控え室に帰っていくのを見つけて後を追うようにして控え室に入るとそこにはイスカが待っていた。
「イスカ?」
「おかえり」
「ただいま、じゃなくてなんでここにいるの?」
「あそこからじゃナナシとあんまり一緒にいれないから」
イスカはナナシに回復薬を渡して隣に引っ付くように座る。
そうですか、警備員はいないのだろうか・・・と思ったが、よく考えてみれば今は武術大会で出場者には奴隷もいる主人に会いたいからと選手の控え室に行く奴隷などいないから奴隷は素通りできるのか・・・
「おい、そこの人族!」
まだこの控え室にいる人族は俺だけだと言っても控え室にいるのは俺とイスカ、そしてフードの選手だ。
少しうるさかったかなと思い
「あぁ、すみませんうるさかったですか」
といってイスカの方へ向こうとすると
「いや、そんなことではない一つ聞きたいのだがそこの獣人族も選手なのか?」
「選手じゃなくて単なる観客ですけど?」
「ならばなぜここにいる?こいつは貴様の奴隷だろう?奴隷が人族を好んで付き従うなんて話は聞いたことが無い!」
「イスカは奴隷じゃない!俺の大切な仲間だ。」
ここの人は皆獣人=奴隷って思ってるのかと考えたがイスカ首輪してるから余計にそう思われるのか
「え?奴隷ではない?でも首輪をしているぞ?」
「形だけだ」
「でも私はナナシのモノ、ナナシだけのモノ何時如何なる時も一緒にいる」
いやぁホントに可愛い事言ってくれるじゃないか!その獣耳のついた頭を撫でちゃう!
「それはすまなかった、こちらの勝手な思い込みで不愉快な思いをさせた」
「あぁ別に気にしてませんよ」
「ナナシというのは貴方の名か?すまない名を尋ねる時は自分から名乗るべきだったな、リィムトゥースだ、リィムと呼んでくれ」
フードを取り紅く燃える様な髪に真紅の瞳はルビーのような輝きを放っていた。
「ナナシです、こう見えて冒険者しています、こっちは俺の大切な仲間でイスカです」
よろしくと手を出すとリィムトゥースは戸惑いながら質問した。
「私は奴隷だぞ?その上竜人族だ」
「あれ?握手は嫌でしたか?」
おや?竜人族の奴隷さんは握手をしてはいけないのだろうか?
「リィム、ナナシは奴隷であっても差別しない、私も少し前まで奴隷だったけどナナシは私を救ってくれた」
それに・・・とイスカが続けていく
「ナナシは可愛い女の子が大好きだから」
うぉい!イスカさん!?とんでもないこと暴露しないでください!確かに好きだけど!リィムも美少女だけど!
その言葉にリィムトゥースが何かを思い出したようにつぶやく
「もしや、あのお人よしの冒険者?」
うぅ・・・やっぱりそんな風に伝わってるのね
「多分その噂のお人よしです」
その言葉をきいてリィムトゥースはすぐにナナシへ騙されて首輪を付けられた事を話した。
「なるほど、今すぐ取ってあげたいんだけど一度君の主人にあって話をさせてもらいたい、イスカの時は首輪を取ることが出来ればイスカを開放すると約束したから開放したのであって誰でも解放していたらキリがないし単に俺を利用して逃げようとしている奴もいるかもしれないからね」
「そうか・・・」
すっかり落ち込んでしまったリィムトゥースの頭をイスカにやるように撫でながら
「大丈夫、リィムが話してくれた事を疑っているわけじゃないんだ、きっとリィムの首輪も取ってあげられる」
「うぅ…」
ポロポロと涙を流しながらナナシの胸に顔をうずめるリィム、ナナシは落ち着かせるように抱きしめる。
とそこで他の参加者が帰ってきた、イスカがさっとリィムにフードを被せた。
「それでは2回戦の対戦カードを発表します!選手の方は集合してください!」
少し声を殺して泣いていたが落ち着いたのだろうリィムは「ありがとう」と言うと控え室から出て行った。
「それじゃあイスカ、行って来るね」
「行ってらっしゃい」
イスカは腕をナナシの首に回し唇を触れさせた。
「おまじない・・・これでナナシは負けない」
こんなおまじないまでもらったら負けるわけには行かないな
「選手の皆様!これより2回戦を始めます!」
えっと目の前には見覚えのあるライオンさんが立ってます。
「よぉ!ナナシ!運がいいな!俺に当たるなんてお互い全力で殺ろうな!」
百獣の王は百獣の王だったぁ!
・・・大丈夫だ、ナナシ何のために特訓してきたのだ「やれば出来る」だろう?・・・
そうだな
「ロウエンさん勝っても負けても恨みっこ無しですからね!」
「その意気や良し!」
「それでは2回戦始め!」
《強化》と《脳内チャット》を始動させて剣を抜いて切りかかる
「先手必勝!」
全力で切りかかるがロウエンは片手で受け止める。
「この程度か?気合を入れろ死ぬぞ?【獣王双牙】」
ロウエンが拳打ち込む、前からの打撃のはずなのに後ろからも同時に殴られたような衝撃が走った
《強化》してなかったら今の一撃で身が砕けていたんじゃないだろうか。
「ほう、今のを耐えたか、ならば!」
ジグザグに走り突撃するロウエン左右の揺さぶりをかけて目の前まで来たところで左からの一撃をなんとか剣を使って防ぐが体重差により飛ばされる。
少し飛ばされるが踏みとどまり正面にロウエンはいなかった。
「こっちだ【琥孔】!」
ロウエンの攻撃は背後から突き抜けるように通っていった。
「こんなものか?フィーディルの有名人だっていうから期待したんだが」
速いな、さすが獣、だがこっちもイスカに勝つって約束したんだ全力で倒させてもらうか。
そんなに有名になりたくないから目立たないようにと思ったんだがこの人相手にそんなことも言ってられないか。
剣に魔力を通す、《強化》を3段階まで上げてロウエンの後ろまで一気に走り剣を振ってロウエンを打ち上げる。
「がはっ、いつの間に?」
空中で向きを変えながら地面に降りようとするが向きを変えた時死角を通ってロウエンへ剣を叩きつける。
「《重力の枷》」
《重力の枷》:数秒間対象の重力をコントロールする
打ち付けるのと同時にロウエンにかかる重力を7倍にして1秒程時間差で自分へ《重力の枷》をかけて追撃として剣を打ち付けるとロウエンの体が地面にめりこむ。
「ぐっ!」
パッとロウエンから離れるとロウエンは何事もなかったかのように立ち上がった
「今のはなんだ急に動きが見えなくなったぞ?それにあの攻撃もあんな攻撃は見たことがない!もっとだ!
もっと我を楽しませろ!」
いやぁぁぁぁ!この人、戦闘狂だぁ!
・・・そのようだな、ナナシ足か腕の一本でも切り落とさんと止まらんのではないか?・・・
痕が残りそうなのは遠慮したいんだが
「どうした?今ので終わりというわけではなかろう?こないのであればこっちから行くぞ!」
最速で近づき下からの地面スレスレからすべるように拳をナナシの体へ叩き込もうとするが、そこにナナシはいない、剣の魔力を雷と変えロウエンの脇を打つ、ロウエンの体へ雷が流れる。
「おぉ!この痛みは雷獣のそれと似ておる!」
これもだめか
「どうしたナナシ、お主の剣には殺気が感じられんぞ?」
「もちろん殺す気なんてないですからね」
「ナナシ、我を相手に本気で言っているのか?」
「当たり前ですよ、これは大会ですルールがあり、殺し合いをする場ではないですから」
「周りを見てみろ、これでもまだそんなことが言えるか?」
1回戦とは違って2回戦はあたりが赤く染まっていた。
どの対戦相手も血を流していた、腕を失っている者もいる。
「1回戦までは血を流す前に終わっちまうことが多いが2回戦からはちがう、気絶なんて手加減は出来ないって事もあるが勝利もしくは死だ」
「それでも!・・・俺は殺しはしません」
「その信念自分が死に掛けても同じことが言えるか試してやろう!」
剣の魔力を炎へ変える地面を擦りながらロウエンへ向かう下からロウエンへ切りかかる、斬撃を手の甲で受け止めたロウエンは拳を突き出す、半身で交わして魔法を放つ
「《石の槍》」
地面から石の槍が生えるがロウエンはバクテンで避ける。
剣の魔力を土と風を交えたものへ変えて振る、剣から風の刃を生みロウエンへ迫る、ロウエンは風の刃を拳で叩き潰して攻勢にでる。
「そろそろ決めさせてもらおうか【縮動】」
一瞬でナナシの後ろへ回ったロウエンは手に魔力をためている
「これが我が一族最高奥義【獣牙】だ!」
ロウエンの腕がナナシの体を貫く、大量の血液と呼ばれる液体が流れ落ち地面に水溜りを作る。
ロウエンはその手に未だ鼓動を続ける心臓を握っていたが、その手に力を込め握りつぶす。
戦闘の途中で切ってみた・・・モヤモヤするね!続きを決めてるだけにモヤモヤする!これが漫画の王道魔法続きが読みたくナール!
馬鹿言ってないで続き書きます。
変なところで改行されていたので修正




