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痛みとウサギと追いかけっこ  作者: ぎん
そしておやすみへ
21/27

その19~王都壊滅~

ハーレムって3人もヒロインがいればハーレムですよね。

ベルリア城まで、特に妨害らしい妨害も受けず、チビクネへの褒美:撫で回しを消化しながらながら、来れてしまったわけだが、この先イスカ達はどんな状況になっているのだろうか?


予想その1、イスカ達が城の兵士に無双中


予想その2、その1とは逆に大苦戦


予想その3、フィルが見つからずに捜索中


予想その4、どれでもない真実は小説より奇なり



どれだろうか?個人的には、その3じゃないかと思うんだけど、どうなんだろうな?


門をくぐりぬけて、倒れている兵士をまたぎ、踏み付けながらどんどん奥へと進んでいく。


「あ~チビクネとしては~その5、この城の地下に眠っていた守護獣が復活した!とか希望です~」


それもいいなぁ、それにしてもイスカといい、チビクネといい、なんでこうも撫で心地がいいんだろうなぁ

ナデリナデリと人形の頭を撫でながら、地獄絵図と化している広間を抜けていく。


「マスター、この先からイスカ様達の反応があります。」


この扉の向こうか、なんか殺気とか魔力とか感じるなぁ、開ける前に扉を開けた後のことをシュミレートしとくか。


扉をバーン!、イスカとアラクネを確認して、一番近い奴の肋骨をバーン!


「ソレです!」


チビクネの賛同も得られたようだしこの手順で行こうか。


「それじゃあ、その1!扉をバーン!」


扉が轟音を立てて吹き飛んでいく。


「イスカとアラクネの状態確認!」


イスカもアラクネも怪我していないようだな。


「一番近い奴の肋骨を・・・」


「「「まてまてまてまて!」」」


む?せっかくシュミレートまでした手順を妨害されたぞ?



扉の先にはイスカ達の他に、おそらく服装その他装備品から、王族等の防衛組だと思われる者達と、見たことの無い覆面の者達がいた。

ちなみに肋骨が、バーンされそうになっていたのは、覆面の方々の内の一人。


「なんですか!覆面してるくせに!肋骨の一本や二本バーンてされてください!」


チビクネは、俺の肩の上で理不尽な文句を垂れ流していた。

防衛組がいるのはわかるが、この覆面集団はいったいどちら様だろうか?


「はっ!まさかこの覆面集団さん達はっ!」


「知っているのかチビクネちゃん!」


何か知ってそうなチビクネにノってみる、覆面集団達の視線が俺の肩に集中する。


「この城の地下に封印されていた古代怪獣では!?」


「「「そんなわけあるかっ!!」」」


なんだ?イスカ達や防衛組も突っ込んだぞ?


「そうだぞ、この覆面さん達はきっと城の・・・」


俺の言葉に再び覆面集団達の視線が集まる。


「黒子さん達だろう」


「「「武器を持った黒子がいるかっ!!」」」


「なら守護獣の線があやし・・・」


「「「くないっ!!!」」」


なんだろう、予想以上に突っ込みが多くて楽しいなコレ。


「我らは、ベルリア王の命とその杖を頂きに来たのだ!」


「あーそう?でイスカ達は目的のモノは手に入った?」


覆面さん達の目的がわかったのでイスカ達にミッションの遂行状況を確認する。


「フィ・・・獲物は、この城の最上階に匿われているんだけど、そこの扉を開くのにあの杖が必要。」


イスカさんフィルって言いかけたね、別に気分だけの問題だから言っちゃっても問題ないんだけど、真っ赤になって照れてるイスカも可愛いなぁ。


「マスター、マスター、皆さんが待ってますよ?」


おっと、いけないチビクネの言葉に現実へ帰ってくる。

イスカの尻尾と耳をもふリップしてたぜ。


『もふリップ』:もふもふ+トリップの事、すなわち耳の裏側を手の甲でこすってみたり、尻尾に頬ずりしてみたりという妄想全開だったわけです!


「えっと杖、奪って扉開けて杖は覆面さん達に上げるんじゃダメなの?」


「マスター?せっかく盗賊を名乗っているのですから財宝は全ていただいていかないと」


アラクネさんやる気満々ですね。

杖を渡したくない防衛組、杖が欲しいイスカ組、杖と命が欲しい覆面組の3竦みになっているわけか。

というかアラクネが覆面組を抑えてイスカ一人で防衛組倒すのはだめなのか?


「我らは影!我等の攻撃は何者にも止める事は出来ん!」


声に出てたみたいだけど律儀に答えてくれたな。


「おい!そこの黒ずくめの者よ!私を助けろ!私はこの国の王だぞ!」


あの王様は俺がイスカ達と会話してたのが聞こえてなかったのか?


「あー中年のおっさんを、助ける趣味はないので却下で、イスカ?こっち抑えるから奪っちまえ」


その声と同時にイスカが防衛組へと駆ける。

覆面達も駆けようとするが妨害を入れる。


「《氷槍雨》《ストーンウォール》」


覆面達を取り囲むように壁が出現し氷柱が降り注ぐ。

壁の向こうへ消えた覆面達への止めとして《ファイアボール》を打ち込む。

石の壁は爆発の衝撃で砕け散る、残ったのは倒れた覆面組数人、さっきみた数より少ないような?


目をイスカの方へ向けると守っていた騎士達を打ち砕いて王へ手を伸ばしているところだった。


「さぁ、抵抗は無意味、杖を渡して。」


イスカの最終通告に杖を渡そうとした王の腹部より剣が生えた。

王の体から生えた剣はその勢いのままイスカへ向かうがアラクネにより弾かれる。


「残念、どうせならこの王と共に邪魔者を、一人でも排除したかったんだけどね、杖は確かにいただいたよ」


覆面の一人が俺の魔法を潜り抜けて王を抹殺し、杖を奪ったのか。


「イスカ!怪我は無いか?」


「うん、アラクネが守ってくれたから無傷。」


「アラクネありがとうな。」


「いえ、これもメイドの仕事ですので」


さて杖は取られたがフィルまで取られるわけには行かないし、上へ急ごうか。








最上階の篭城中のお姫様を助ける方法は、


「フィルーいるかー?」


「その声!ナナシ?お父様はどうしたの?」


おっ覆面はフィルまでは持っていかなかったようだな


「王様は・・・死んだよ、覆面の奴らに刺されて。」


「そうか、なら杖は?持って無いの?」


「そうその杖なんだけどここの扉って杖がないと開かないんだってな」


「えっと、私も昔、お父様に杖の事を教えていただいた際に何をしても開かなかったのを覚えているわ」


「魔法でも破壊できなかった?」


「まったくだめだったわ」


「それはこっち側から?それとも内側から?」


「外側からよ」


なら試す価値はありそうだな。


「試しにそっちからこの扉開けてみてくれないか?」


するとガチャリと軽い音を立てて扉は開いた。

思ったとおり、あの杖は外から攻め込んでくる賊から、身を守るためのシェルターの鍵、本当ならこの中に入る人間が持ち込むのが正しい使い方なのだろう。


「開いた」  「開きましたね」    「あれ?え?開いた?」


鍵をかけた扉は開かないものという固定概念があるから外からダメなら内側もダメだろうと思い込んでいたのだな。


「うまくいったのはいいのですが、もし開かなかった場合どうしたのでしょうか?」


「アラクネいい質問だ、もしコレで開かなかったら、俺が魔法で扉の周囲をまとめて消すつもりだった」


あくまで扉が破壊できないのだから効果の出る部分に穴を開ければいいのだ。


「ナナシ、この部屋はな耐魔法の付加がかかっており並大抵の魔法ならば傷も付かんぞ?」


うん、内側から開いてホントによかった!


「それから、な?ナナシ・・・」


えっ?何この雰囲気!?愛の告白?


「私に黙っていなくならないで、本当に悲しかったのよ、明日も一緒に笑っていられると思えた人が、突然いなくなった私の気持ちわかる?」


フィルはナナシに抱きつくと馬鹿と声を上げて泣き出した。



町の外の防衛もそろそろ破られる頃だろうか、いざとなればモンスターも蹴散らせばいいかと考えながら、泣きじゃくる小さな王女様を抱きしめた。


明日からまた更新速度が落ちると思います。

それでも気にしないぜって方は気長に待っててくださいね。

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