その1~RPGの基本は情報収集から~
あの不思議な生き物に殴られてからどのくらい時間がたったのかわからないが太陽の位置から大体昼過ぎだと判断する
ここが異世界なのはよくわかったけどこれからどうすればいいのだろうか
変な生き物のおかげで言葉は通じるようになってるみたいだし
RPGの定番からするとこの世界の魔王的なラスボスを倒せば元の世界に返れたりするんだろうけどそういった場合大抵は、召還されて
「おぉ異世界からの勇者よ!私たちのために魔王を倒してくれ!」
ってのがお決まりなはずなんだけど
と視線を感じて後ろを振り向くと
これが山賊です!っていう皮の装備に身をつつんだマッスルさんがびっくりした顔で立っていた
「えっと・・・どこから見てました?」
振り向いた状態で問いかけてみる
「あーるぴーじーのていばんからって所あたりから」
ふむ、心の中の呟きのはずが口から漏れていたらしいうわっ!ハズカシ!
体ごと振り返って咳を一つ、きっと自分の顔は真っ赤なんでしょうねー
「オホン!・・・初めまして、町はどちらでしょうか?」
数人いた山賊が全員一定方向を指差してくれた。
「ありがとうございます!では!さっきのは忘れてください!」
では!のあたりですでに全力で指差した方向へダッシュしている。
「お、追えッ!逃がすんじゃないよ!」
後ろの方から追っ手がやってくるのがわかる。
もしかしたらこのまま逃げ切れるかもなんて都合のいい考えだったようだ。
すぐに追いつかれて囲まれてしまう。
振り返って一人に話しかける
「えっとお金なんて持ってませんよ?」
とりあえず金銭を持ってないことを自己申告
「俺等は金が欲しいだけじゃねぇんだ」
「・・・何が欲しいんです?」
「全部だよ、とりあえず《イーツ》について知ってることを吐きな」
イーツ・・・そういえばさっきそんな単語を聞いたな。
「それなら向こうへ向かう集団がそんなことを言ってましたね、それ以外は知りませんよ」
「そうか、ならてめぇは用済みだ、こんなところでゴブリン共の餌にするより奴隷商にでも売って俺等のために金に換えてやるとにするか!」
困った!大ピンチだ
自分の周りにはさっき話して奴を含めて4人、ナイフを持ってるから一気に襲われたらひとたまりも無い
となると
「先手必勝!」
大声で叫んで走り出す一歩を踏み込むその瞬間前にいた2人はナイフを構えて腰を落とした
それを確認すると後ろへ全力で飛ぶ肘が右にいた山賊の顔に当たり倒れる、
そのまま右へ方向転換して走り出す。
少し距離が開いたところで足元の地面が消え俺は落ちた。
落ちた高さとしては1mくらいだろうかそこから急な坂になっておりここまで転げ落ちてきた
周りの壁は自然とできたにしては整いすぎているところからみてきっと人の作ったものなのか魔物の巣なのかのどちらかだと思う
「いてて・・・ここは地下か」
周りの苔が薄く発行しているので真っ暗とまではいかないが見える範囲はせいぜい2メートルも無いだろう
向日葵のような生物がいないとも限らないので落ちて乾燥していた根っこの切れ端を持って出口を探して彷徨いだした
細い通路を歩いていると前の方から子供くらいの大きさの影が複数こっちへ向かっていた慌てて近くのわき道に隠れると
所謂 ≪ゴブリン≫ と呼ばれるモンスターがゴフ!ゴフ!と言いながらゆっくりと通り過ぎていった。
「ゴブリンということは魔物の巣で間違いなさそうだな。」
さっきの山賊が言ってたことを信じるならゴブリンは肉食でパクリといかれちまうそうだ。
ほんと、この世界はいろんな意味で退屈させてくれないな、ご飯にされそうになったり、奴隷にされそうになったり
さっきのゴブリンとは逆の方向へ向かうと少し開けた場所に出た
そこにはゴブリン4体とひときわでかいゴブリンのリーダーのようなのが2体の合計6体がいた
さてこの世界の基準は知らないけど俺の知っているRPGならゴブリンはチュートリアルにでてくるような雑魚扱いなんだが
ゴブリン達の装備は棍棒と木の棒かなリーダーの方はナイフのようなものを持っている
今俺の武器はずっと持ってる乾燥した根っこと『安全靴』だ
普通の一般人は日頃安全靴なんて履いてないと思うんだが
俺の場合は過去に細い道でトラックとすれ違ったことがありその時に靴をタイヤにはさまれたことがある少し大きめな靴を履いていたこともあり骨折どころか怪我も無かったんだがその頃から安全靴を履くようになった。
ただし所々手が加えてあって走っても不自由が無いようになっている。
手を加えてない安全靴で走ろうとしたことがあったがその時は鉄板の端が足の甲などに当たりとても痛かった。
さてまずは6体いっぺんに相手をすると確実に負けるだろうからできれば2体くらいをこちらにおびき寄せて片付けたい
ちなみにこの時の俺は『異世界』、『ダンジョンちっくな場所』という二つの理由でハイテンションだった。
その部屋から少し離れると足元から石を拾い上げて投げる
カツンっと小さな音を聞きつけたリーダーゴブリンは下っ端4体に命令を出して確認させに来た
一列にならんだゴブリンが狭い通路を歩いてこちらへやってきた。
ゴブリンは天井が少し崩れて音を立てたと判断したのだろう後ろを向いたその瞬間
俺は後ろから根っこを振り上げて一番後ろにいたゴブリンになぐりかかった。
根っこは折れて使い物にならなくなったが襲われたゴブリンは倒せたようだ。
いきなりの奇襲にゴブリン達は少しの混乱を見せているその間に殴り倒したゴブリンの持っていた棍棒を拾い上げるのと同時に2体目のゴブリンの顎目掛けて振りぬいた。
ゴッっという鈍い音を立てて2体目のゴブリンが後ろに飛んだ。
2体目のゴブリンは3体目のゴブリンとぶつかったところで俺は2体目のゴブリンを踏みながら3体目のゴブリン胸元に蹴りを入れた
3体目は4体目を巻き込んで後ろに転がった。
3体目のゴブリンの喉を思いっきり踏みつけて4体目のゴブリンの顎を蹴り抜く。
4体とも動かなくなったことを確認する4体とも腹が動いているところをみると気絶しただけのようだ、頑丈だな・・・ゴブリン
さっきの広場まで戻ってくると2匹のリーダーゴブリン達は広場の真ん中辺りにいた
まだリーダー2匹の他にはゴブリンは見当たらないがナイフぽいものを持った相手を二人相手するのはしんどいのでこっちに来てもらうことにしようか
作戦は石をリーダーに向かって投げると後ろの通路の曲がり角を曲がったところで待ち伏せる。
追ってきたリーダーが曲がり角を曲がったところで棍棒による一撃と蹴りで一匹しとめる
残り一匹も流れでしとめるという考えだった。
足元の石を拾い手前のリーダーに向かって投げる!走ってくるリーダーを曲がり角まで・・・って火の玉!?
リーダーは魔法なんて使えるのかよぉー
曲がり角をまがった所で火の玉が壁に当たり火の粉を散らした。
俺はゴブリンが角を曲がりきる前に棍棒をフルスイングするとリーダーその1は頭を軸に半円を描いて地面に倒れた。
間髪入れず顎を全力で蹴り抜く!さっきのゴブリンとは違ってゴリっという手応え?足応え?があった
最後のリーダーはナイフを振り上げてこちらへ走ってくる棍棒の持ち手をぐっと握ると思い切り突き出した
リーダーその2は棍棒は叩くもので突くことは無いと思っていたようで顔面に直撃する。
後ろに2,3歩下がったのでそのままの勢いで胸を蹴り飛ばす
1メートルほど飛んだのを確認し足元からリーダーその2が落としたであろうナイフぽいものを拾い上げると起き上がろうとしているリーダーの頭を蹴る
最後の一撃は靴の角がクリーンヒットしたらしくリーダーその2は転がっていった。
そのあと少し待っているとその1とその2は向日葵と同じように緑の石とナイフぽいものを残して消えていた。
「またこの石か今度は緑色って何かあるのかな」
とりあえずさっきの4体のゴブリンが戻ってくる前にここを離れるか
広場の奥にまた道を発見したのでそちらを進んで行くと鉱石のような石やきっとここでやられた人間の鎧と思われる物などが置いてあった。
「これは宝物庫だよな、となるとさっきのリーダーだと思ったゴブリンはここのボスだったのかな」
所々に金、銀のコインが置いてある!これはこの世界のお金かな
おれの中のRPGの鉄則
その1勇者とは家捜しするもの!
その2魔物の宝は勇者の物!
その3魔物と戦う時は全力で!
その4出会った魔物はとりあえず倒してみよう!
という鉄則があるのでとりあえず使えそうな物ををいただいていこう
ざっと見回すとコインの詰まった袋、ボロボロの鎧、何かの石
そして・・・腕輪?
必要なのはコインの袋の中に石を入れて腕輪を左手にはめる
「ちゃちゃちゃん!なぞのうでわを装備した!・・・もしかしてこれ単なる装飾品かな?」
こっちの鎧は使い物にならないな・・・というより着方もわからないや
宝物庫に入った時と出てきた時では見た目が少し変わっただけで実際の戦闘力に変化は無かった。
出口を探して彷徨っていると階段を見つけた!ただし下り・・・
降りてみると悪臭が漂っていた。
ここは牢屋のようだ人がいれば助けてみるかもしかしたら出口を知ってるかもしれないし
牢屋だけあって見張りがいるな2体だけかな?ならこのナイフだけでいけるはず
2体のゴブリンの内一人は椅子に座って眠っていた。もう一人はその近くに立っていた
階段に背を向けた瞬間にすばやく近づいて立っていたゴブリンの口を押さえながら首をナイフで切る。
寝ているゴブリンも同じようにして倒した。
ゴブリンたちが消えると牢屋の鍵だと思われる鍵束と棍棒と両刃の剣が残っていた。
牢屋に近づくと牢屋の中には鎖に繋がれた人型の影がいくつか見えた。
「大丈夫ですか?」
俺の声に反応して数人の声が聞こえる
「たすけ・・・なのか?」
「たすかったの?」
ふむ生存者がいたようだ、地下に出口は無いだろうからって理由で降りずに出口探索しなくて正解だった。
「すぐにここから出しますね」
生存者は4人
最初はもっと数がいたらしいが一人また一人と数が減ったらしいこと
商人のキャラバンが野営中ゴブリンの大群に襲われここにいるメンバーが連れ攫われたらしいこと
後で聞いた話なのだがキャラバンというのは品物を買い付けに行く際いくつかの商人などが襲われにくくするために集まって行動する集団のことを指すらしい
なんとかゴブリンの巣から出た俺と貴族の娘だというリーナさん、リスティさん、がっしりした体格のベルムンドさん、商人のグルマさんの4人は近くの村まで一緒に行動することになった
しばらく歩くと大きな川がありその近くに村があるそうなので野営の装備もない俺等は急ぐこととなった。
衰弱しきっていたリーナさんを背負いながら近くの村を目指した。
村の入り口に差し掛かると警備の兵士の一人がこちらを見て走って近づいてきた。
「大丈夫ですか!酷い様子ですがどうしましたか?」
「ゴブリンの巣で捕まっていたので保護して来ました」
「わかりました、こちらへ」
その兵士さんはすぐに衰弱した人たち部屋へ寝かせるとと医術士の手配をしてくれた。
小説は難しいとつくづく思ってしまう。
これから主人公にはいろいろと無双してもらったりハーレムをって考えてるとストーリがめちゃくちゃになる不思議




