その15~殺人遊戯~
投稿したつもりが出来てませんでした。
窓の無いその部屋に、その女はいた。
鎖が幾重にも巻きついた状態で、表情の無い顔をこちらに向けていた。
「どうした?いつものように次の抹殺対象を教えるがいい、抵抗はせぬよ、いやこの呪具のせいで抵抗もさせてもらえんといったほうが正しいか」
表情を一切変えずにそう告げてきた女はそれ以上は話さずこちらの反応を見るようにじっとこちらを見ていた。
・・・まさかこやつはドールズなのか?・・・
ドールズ?レオそれはいったいな
何なんだ?と問おうとした時女は口を開いた。
「レオ?私がわかりますか?虚無の、リリスでございます」
・・・やはりドールズか、それにしてもその姿はどういうことなのだ、Rシリーズというのは?・・・
「今の私はこの呪具により私の自由は著しく制限されております、情報を漏らすことが出来きません、申し訳ありませんが虚無様、ここであったのも何かの縁でございます私を破壊してくださいませ」
・・・なんだと?ドールズはマスターの命を最上とし完遂するまで屈しないのではなかったのか?・・・
「私もドールズとしてそう在りましたがこの呪具を着けられてからあの人族の命令に逆らう事が出来ない、このような醜態をさらすくらいならば私を破壊してくださいませ、人族の玩具として玩ばれるのは耐えられません」
・・・呪具とは?もしや従属の首輪か?・・・
「詳しくは知らんが私の首についているものがソレだ」
・・・ナナシ、頼むあのドールズを助けてやってくれ、我の古き友なのだ・・・
「おいおい、レオ何言ってんだよ、今回の目的は救出だぜ?今夜も盗賊ノフィスがするっとこの子をいただいていきましょうか!」
・・・感謝する・・・
「何を言っている人族!私はもう人族になぞ使われたくない!」
・・・リリスよ、この人族、ナナシならばその呪具を外す事ができるかも知れぬのだ、ゆえにもうしばらく辛抱してくれ・・・
「本当なのでしょうか?虚無の、いや今はその言葉を信じようと思います、そこの人族!今の私は自己を制御できんゆえに拘束した状態で運ぶとよい」
「わかった」
鎖を切り芋虫のような状態のまま、リリスを麻袋へしまう。
城の中には眠った者しかいないので気にせず正門から出て行く、そこでばったりと出会う。
「あー、こんばんわ?昨日振りです」
「貴様!ノフィス!警邏隊っ!警邏隊っ!ノフィスだ!」
しまった、もう少し警戒するんだった昨日の見回りの兵士とうっかり鉢合わせかよ
それから増える事増える事、最初は二人だった兵士がいつのまにか4人6人と増えて今では昨日以上にいるんではないだろうか・・・
「昨日の失敗を生かして、今夜の見回りの範囲は空も含まれているぞ!今夜こそ貴様の最後だノフィス!」
いやぁ仕事熱心なことで、今日はこの後呪具の解除もあるから早めに終わらせようかな
「闇の中にて後悔の念と恐怖に悶えるがいい《蟲穴》」
夜の闇で足元がそれほど見えていなかった事も幸いして目の前に開いた大きな穴に落ちていく兵士達
「うわぁぁぁ!」 「体中を虫がぁぁぁ」 「鎧の中に入ってきたぁぁ」
「いやぁぁぁぁ」 「くぁwせdrftgyふじこlp」
穴の中から聞こえてくる悲鳴、大人数で押し寄せたせいで前がよく見えずどんどん穴へ落ちていく兵士達、レミ○グスってこんなのだったなぁ・・・と思いながらさっさと逃げるナナシ。
城まで戻ってきたナナシは最下層で何があっても対処できるように人払いをして呪具を解除していった。
リリスに着けられていた呪具は従属の首輪とは違うものの使われている術に大きな違いは無かった。
「おお、これで私は自由だようやくマスターの命を遂行できる、礼を言いたいのだが虚無の、そろそろ姿を見せてくれてもよかろう?」
・・・ドールズよすまない、私はすでに体を失っていてな、お前の前にいるナナシの中に間借りしているのだ。・・・
「あの殺しても死なない、死ぬ時は世界が終わる時、神すら殺せないと言われた貴方様が肉体を失っていたとは、もしや貴方様が肉体を失ったのは人族の『かっぷる』とやらのせいでございましょうか?」
カップル?なぜカップルがレオを殺せるんだ?
・・・ドールズ、それは違うぞ確かに我はカップルを見ていてあの雰囲気の中では頭が痛くなり苛立ちのあまりすべてを消し去りたくなるとは言ったが言葉のアヤというものだ・・・
「そうでございましたか」
「えーっとできればレオ紹介なぞしてくれたらうれしいんだけどそろそろ部外者から関係者くらいにはなりたいんだが」
・・・すまない、彼女はドールズと言って大昔のエルフ族が作りし戦闘ゴーレムだ、我が知っているタイプと異なっているので後継型という事だろう、リリスよ、お主の前にいるのが我の宿主ナナシだ我とほぼ同じ力を持っておると思えばよい・・・
「ナナシ様先ほどは見事な浄化術で私のボディにダメージを与えることなく呪具を破壊していただき感謝しております」
「いえいえ、助けられてよかったです」
・・・して、リリスよ今のお主の主はどのような命を下しておるのだ?・・・
「はい、本当ならば人族の前で命を話すなど許されぬ事なのですが虚無様の前であるので特別お話させていただきます『ベルリアのダリル=キリアンの抹殺』でございます」
ダリル・・・キリアン?
・・・リリスよ、お主の命の相手なのだが・・・
「はい、もしや虚無様は対象に関して何か御存知なのですか?」
・・・その男ならば数ヶ月前に、ナナシによって葬り去った・・・
「そうでしたか、お手数ですがその記憶を共有してはいただけませんか?対象がいないことを確認すれば私の任務も終わりますので」
・・・ナナシよ、目を瞑ってくれぬか?リリスに任務が終わっている証拠を与える・・・
ああ、わかった
このときナナシは、どうやって記憶を渡すのか聞いていなかった、と言うより自分がダリルを倒した記憶が無いので、レオに全て任せていた。
「ナナシ様申し訳ありませんがもう少し屈んでいただけませんか私では届きません」
そこで首に手が回される感覚があり、口にやわらかい感覚が伝えられる・・・
驚いて目を開けるとナナシの頭をしっかりと固定してキスしているリリスが映った。
・・・ナナシ、目を閉じていろ、目からの情報が混じるとやりにくい・・・
キス・・・されてる・・・・イスカ、ごめんよ・・・俺、汚されちゃった・・・
そんな感傷に浸っていたら口の中に何かが入ってきた。
コレは!?舌!!??あの伝説のディープキッス!?
【ディープキッス】:恋人同士にのみ許される超必殺技、独身ならばリア充爆ぜろ、と呪いの言葉を吐いてしまうという。
目の前のリリスはイスカとはまた違った美人でビスクドールのようなクールな美人と言った感じなのだがまさかこんなに情熱的なキスをいきなりされるとは思わなかった!クールな人ほど内に秘めた思いは激しいと言う事ですね!
「虚無様、共有感謝いたします、確かに消滅を確認いたしました、次の命を受けますのでしばらくお待ちください。」
なぁレオ、リリスさんは一体何してるんだ?
・・・おそらく彼女のマスターと連絡を取っているものと思われる・・・
「ナナシ様私のマスターより伝言を預かっております「どーもぉー、こんばんわぁうちの子助けてくれた上に、キリアンの馬鹿どもやっちゃってくれたそうでありがとうなー、それでお礼と言っちゃなんやねんけど、この子もらったってくれへん?虚無のにーさんならこの子任せられそうやし、人族の子も子供はでけんけどこの子は上手やで?それはもう死ぬくらいにそんじゃまたなー」以上でございます」
エルフのイメージが!っていうか死ぬほどって何!?ヤったら殺られるの?
「それではナナシ様、私はこれより貴方様のモノでございます、以後よろしくお願いいたします」
・・・よかったなナナシ、ドールズ初の人族マスターだぞ・・・
「つきましてはナナシ様私の名前をいただけませんか?」
「名前?リリスじゃないの?」
「リリスとは名ではなく私の型に過ぎません、ですので私に名をくださいませ」
名前ね、銀の長い髪に緑の瞳出るとこは出てる美人さんにつける名前ってどんなのがあるだろうか、あー覗き込むようにこっちを見ないでくださいイスカとは違ういい匂いがするぅ・・・
・・・ナナシ、彼女の戦闘方法や武器などから考えてみてはどうだろうか?・・・
それはいい案だ!
「それじゃあ名前はつけるけど今はいい案がないからすこし戦闘方法を見せてくれる?」
「かしこまりましたマスター、ですが私が戦闘において用いるのは、ルーン、およびこの鎌、そして私の体に埋め込まれた暗器でございます、あまり見せびらかすものではないのですが」
ルーン?
・・・ルーン文字を使った魔法の略称の事だ、今の世界にはほぼ残っていない魔法の一つで文字を媒体とし詠唱を必要としない魔法だ、主にハイ・エルフくらいしか使う者が残っておらんが強力な魔法だと聞いている・・・
「ん、ちょうどいい近づいてくる反応が4つあるな」
「こちらでも確認しました、魔法使い2剣士1狩人1と思われます」
「一人で対処できる?」
「おまかせを」
答えると同時に姿が消える、あと残ったのは宙に輝く文字だった。
「ほんとにこのあたりなんだろうな!このあたりにドライアドがいたって?」
「まちがいねぇ!おれはこの目で見て確認したんだ!緑の体に大きな花をつけた娘だった、あれは近くに棲家があるにちがいねぇぜ」
その冒険者達は貴族の依頼を受け森の中にいたというドライアドの捕獲にやってきた、ドライアドとは上半身は美女だが下半身は根を持つモンスターであり頭に大きな花を持つのが大きな特徴である、言葉を解するほどの理性をもち温厚な性格ゆえこのような密漁に遭うこともあった。
冒険者達は自らが狩る側で、自らが狩られるとは夢にも思わなかった。
「お、森を抜けたか、おい、あそこを見ろ」
「ドライアドじゃないみたいだがいい女じゃねぇか!」
森を抜けた先には小さな滝があり、冒険者達はそこで水浴びしている女を見つけるとついでに『捕獲』しようとこっそりと近づいていく、
!?冒険者達の気配に気付いた女は慌てて逃げ出す、すぐに冒険者達は回りこんで行く手を阻んだ
「よぉ、綺麗なお嬢さん俺たちと遊んでくれよ」
剣士の男が女に手を伸ばし掴んだ瞬間、男の腕が消える
「あ、がぁぁぁぁぁ!」
剣士はひじから先が無くなった痛みでのたうちまわる。
「この女何しやがった!」
狩人の男がナイフを振りかぶって切りかかる、が狩人は7つの肉の塊へと変化した。
二人の魔法使い達には女が魔法を使った様子がなくなぜ剣士と狩人がやられたのかわからなかった。
魔法使いたちは自分達が二人がかりで、魔法を使えば逃げる事くらいの隙はできると考え、《ファイアーボール》《ウインドストーム》を使うために詠唱を唱えたが声が、音が出なかった。
全ての音が消えれば詠唱は出来ない、詠唱できなければ魔法は使えない、ナナシのように無詠唱で魔法が使えれば使えなくは無いのだが今の二人はできなかった。
魔法使い、魔法が使えなければ、ただの人
ただの人は断末魔をあげるも音とならずにこの世を去った。
「お見事、今のがルーンか」
「はい、このように私の中に内蔵されているルーンはほとんどが対魔法使い用に設定されております」
「ほぉ、最初の二人を倒したのは糸なのか?」
「お分かりになりましたか、アレは私の魔力を使い作り上げた糸でございます」
「糸か、いい名を思いついた!『アラクネ』ってのはどうだ?」
「『アラクネ』・・・マスターよい名をありがとうございます、これからよろしくお願いしますね、ではマスター最後にマスターの魔力を少し分けてくださいませ」
とまた突然唇を奪われた・・・。
もうお嫁にいけない!!
アラクネにはイスカの護衛として城を任せるのがいいと思いながら右腕をしっかりと固定して離そうとしない人形を視界に納めてゆっくりと城へ戻っていくナナシだった。
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