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痛みとウサギと追いかけっこ  作者: ぎん
そしておやすみへ
11/27

その9~上上下下左右左右BA~

引き続きグロ注意!



「どうした!もう声も出ないか!」


眼前に広がるのは化け物と化したダリルと逃げ遅れた人たちが観客席にちらほら見える


「さっきまでの威勢はどうしたぁ!?俺様は王だ!王なんだよ!王に歯向かうものはすべてミナゴロシダァ!」


ダリルは右腕を失い、踏み潰しても叫び声すら上げなくなったナナシを蹴り飛ばす。

そうしてあたりを見回して初めて気がつく、観客はすべて逃げてしまっていて誰もいない、代わりに騎士があたりを囲み魔法使い達がその後ろで魔法を詠唱していた。


「おい!なんだよ!歓声はどうした!観客はどこへいった!俺を称えろ!俺を崇めろ!俺は・・・、あれ?俺は誰だ?俺は一体誰だ?何だこの体は?」


自分の体を見下ろしてもう人と呼べない異形の姿へと変化した自分の姿を自覚する。


「騎士団の精鋭達よ!我らの力を持ってすればあのような化け物も敵ではない!全軍進撃!魔法隊は機を見て戦略魔法を打ち込め!」


騎士達がダリルへと剣を突き立てようとするがその皮膚は剣を受け付けない。


「雑魚が!王に剣を向けるとは身の程を知れッ!」


ダリルの腕になぎ払われる騎士達、それを機と見た魔法使い達は魔法を解き放つ、ダリルを中心とした3m範囲に白色と化した高温の炎が召還される。


「邪魔だ!」


ダリルは腕を伸ばして衝撃波を伴ってなぎ払う。


「貴様ら全員、処刑してくれる!」


それは鎧を着た騎士達はダリルによってなぎ払われ叩き付けれれ投げ飛ばされた。


「弱い!よわずぎるぞ!どうした!もう終わりか!俺は王だ!すべては俺の物だ!すべての者は俺にひれ伏せばいいのだ!」


「ナナシ!」


「あぁ?」


ダリルが目に映ったのは赤い髪の女が動かなくなったマリオネットのようなゴミに駆け寄っていくところだった。


「王である俺を敬い、称えるために駆け寄って来るのならばわかるが王の眼前でそのようなゴミクズへ駆け寄るとは貴様も死刑だぁ!」


ダリルの左腕が伸びてリィムへと襲い掛かるとっさに剣でガードするがそのまま壁に叩きつけられる。

リィムは口から血を吐き出す、魔法隊がダリルを氷付けにしてその動きを止める。


「ナナシ、首輪が壊せる位の魔力があるんだからあんな化け物倒せるんだろ?私の魔力を使って癒してやるからあいつを倒してくれよ」


リィムの魔力がやさしくナナシの体を包み始める、その時、ダリルを閉じ込めている氷に亀裂が入り氷が砕ける。


「この程度で王であるこの俺を倒せると思うなよ!」


ムチのようにしならせた腕を魔法隊のいるあたりへ叩きつける、障壁を張った魔法使いもいたようだが腕は一瞬の停滞も見せずにクレータを作る。


ダリルの足元で打ち付けた剣が刃こぼれを起こしたり剣が折れた騎士達をダリルはつかみ上げた時


「【琥孔】」


ロウエンがその手を殴る。


「なにやらものすごい殺気を感じて戻ってきてみればナナシ殿は瀕死、騎士隊、魔法隊も壊滅寸前で暴れまわっているこの化け物は一体?」


「また邪魔者かぁ!王を殴るとは無礼者め!直接死刑にしてくれる!」


「ぐぅ・・・なんという力だ」


獣人族のロウエンの力を知る者たちならばこの光景は奇異なものに見えるはずだ、単純な力ならば獣人族の隣に立つものはいないとされるほど獣人族は怪力の持ち主だ、ロウエンはその中でも1,2を争うほどの実力者であると自覚している。


その自分でもこの化け物が相手だと押されていた。


「【琥穿連撃】」


ダリルはその衝撃に一歩後ずさった、その事実にダリルは激しい怒りを覚える


「俺が押される事などありえない!俺は最強!何物にも負けない!雑魚が何人集まろうと俺には傷つけることなど不可能なのだ!」


ダリルはロウエンを殴り打ち上げると空中にあるロウエンの体を掴んで地面へ叩き付けた。


「ナナシ!ナナシ!」


「リィ・・・ム?」


「もう少し待って!貴方の腕をつける事はできないけれど傷を癒すくらいは出来るから!」


そうか、俺はダリルに右腕を取られて叩きつけられて気を失ったのか。


「リィム!イスカは?」


「大丈夫!知り合いだって言う宿屋の夫婦に任せてきた。」


周りを見ると避難は完了したようでもう逃げ遅れた人はいないみたいだ

騎士達では戦闘にもなっていないようだし、ロウエンさんが頑張ってくれてるけど押されてるな、早く戻らないと


「なんとかアレをなんとか倒さないとリィムとの決勝戦が出来ないよな」


「えっ?」


「ありがとう、もう大丈夫だ」


「でも、傷は完全に治ってないよ?」


「ロウエンさんだけに任せておける相手じゃないんだ」


《強化》《脳内チャット》起動!


アレの動きを止める!《重力の枷》!《鉄の杭》!


ダリルの足の上に鉄の杭が現れて皮膚に当たって止まるが重力の手助けを受けてさらに食い込んでいく!


「がぁぁぁ!」


文字通り足を釘付けされたダリルはその場にとどまる。


「ナナシ殿!無事だったか!」


「あんまり無事とは言い切れませんでしたが、なんとか」


「私も手伝おう!」


ロウエン、リィム、ナナシはそれぞれの技をダリルへ打ち込む。


「【獣王咆哮】!」「【竜炎咆哮】!」「《雷神の槌》!」


《雷神の槌》:極大の雷が落ちる


ロウエンが掌から白色の玉を飛ばし、リィムは口から火炎を吐き、止めとばかりに雷が落ちる。


「やったか?・・・」


砂煙が立ちこめる中から多少はダメージを受けたダリルが現れた。


「王に向かってこのような攻撃するとはこの狼藉者共め!」


「あれでもダメなのか!」


ダリルが足元の杭を無理やり抜いてこちらへ歩いてくる。


「まずは貴様からだぁ!」


ダリルはナナシを掴むと反対側へ投げた、ちょうどそこは入場者の入り口であった。


「ナ・・・ナシ?」


そこにはいるはずのないイスカがいた。

ダリルはこちらにもう一人少女がいることに気がついたようでリィムとロウエンを弾き飛ばしこちらへ向かってきている。


「イスカ、逃げてくれ!」


「ナナシ?ナナシは私を助けてくれたから今度は私がナナシを助けるね」


隣を通り過ぎてダリルの前に立つイスカ、その足は震えているがしっかりと目の前の化け物を見据えていた。


「ナナシは殺させない!」


「き・・貴様も狼藉者をかばったな?貴様も同罪だ!死ねぇ!」


ダリルの腕はさらに一回り太くなり、イスカに向けてふりおろそうと掲げられた。








やめろ・・・助けないと・・・


やめて         デモアシガウゴカナイ


やめてくれ        カラダニチカラガハイラナイ


やめてくれ       オレハムリョクナノカ


やめてくれ       オレハナニモスクエナイノカ


やめてくれ       アンナモノナケレバイイノニ


・・・すべてを消せば済むだろう?我に任せておけすべてを『消して』やろう・・・







世界が    黒く      染まる・・・・。
































「死ねぇ!」


誰もが赤き鮮血を撒き散らして潰される少女を幻視する。


いつまで待ってもこない衝撃にイスカが目を開けると片腕でダリルの一撃を受け止めたナナシが立っていた。


「獣人族の娘よ、端へ寄っておるがいい」


ナナシの口から出た言葉なのにナナシとは別人の声。

驚きながらもその場から離れる。


「何なんだよお前は!」


掴まれた腕を動かそうとするがびくともしない。

ナナシはダリルを空高く投げ飛ばし


「がぁぁ!」


咆哮とともに口から目に見えない何かが飛んで行きダリルへ当たり爆発を起こす。


「あぁぁぁぁ!」


ナナシが千切れた腕を掴み傷口同士をくっつけると切れていなかったかのように腕がくっ付き変化していく。

リィムは目を疑った竜人族の戦士ような鱗がナナシの体を覆い尻尾が生えている。

焼け焦げたダリルを掴んだナナシは壁に向かって叩きつけ、ダリルの体を扉を開けるように引き裂く。


「馬鹿め!」


ナナシの引き裂いた箇所が口となり炎を吐き出す。

ナナシは一旦下がって間合いを取る、立ち上がったダリルが近くにあった剣いくつかをまとめて大きな槍としナナシへ投げつける。

が、ナナシが右手を前にかざすと槍は黒い壁に吸い込まれて消えていった。


「がぁぁぁ!」


ダリルの右腕をナナシの爪が楽々と引き裂く。


「ぎゃぁぁ!なんなんだよ!なんなんだよ!お前は!」


ダリルが左手を振るうと十を越える氷の槍が出現し、ナナシに向かって飛ぶ。


ナナシも同じように腕を振るうと黒い幕のような壁が氷の槍を包み込み何事もなかったかのように消える。

ナナシの額に角のようなものが生えると同時にナナシが吼える。


「あぁぁぁ!」


飛び上がったナナシがダリルの体へ蹴りを入れる、地面へめり込み周りから見えるのは足だけとなったダリルの足を掴むと壁に向かって投げ飛ばした。

よく見るとナナシの手にはダリルの足が握られたままだった。


「返せ!俺の脚を返せぇ!」


ダリルの悲鳴にも近い叫びとともに百を越える炎の槍がナナシへ飛ぶ、全ての槍はナナシが一瞥しただけで発生した無数の黒い球体に吸い込まれていった。


「うぁぁぁぁ!」


ダリルは空を飛んで逃げようとする、高速で飛び上がったその姿は他の者には消えたようにしか見えなかった。


「がぁぁぁぁ!」


更なる咆哮により背中に羽を生やしたナナシが空に舞い上がって飛んでいく。


「なんだアレは・・・」


「俺たちの次元を超えてる」


「何だよアレ!化け物じゃないか!」


静まり返った闘技場に響く叫び。


「イスカ殿、貴方はナナシ殿のあの姿を知っていたのですか?」


首を横に振るイスカ


「あれはナナシじゃなかった」


「どういうことです?」


「ナナシは私をイスカって呼んでくれるのにあの人は『獣人族の娘』って呼んだ」


「一体どういうことなんだ」


「ナナシ・・・」


イスカはナナシの消えていった方向を見ていた。











ダリルは度重なる魔力により近くの森へ降りざるを得なかった。


「何なんだアレは!俺が王だぞ!騎士団もあの庶民も他のやつらも俺に攻撃を加えるとはそんな事は許されるはずがないんだ!」


そこで天を仰いだダリルの目に空からこちらを見下ろす金色に輝く瞳の異形(ナナシ)と目が合う。


「は、ははは・・・何なんだおまえはぁぁぁぁ!」


残りの魔力を全て使いナナシへと放つ、決まった方向性を持たせないまま打ち出された魔力は時に火に時に水に姿を変えながらナナシへ向かう、が今度もナナシの右手から打ち出された黒い球体が全てを飲み込みながらダリルへ向かう。

迫り来る黒い球体を見ながらまったく動けない事に気がつく、体には地面から生えた影のような黒い人型がダリルを捕らえていた。


「離せ!離せぇぇぇぇ!俺は王に・・・」


最後まで声を聞き取る事は出来ずにダリルは黒い球体に包まれて消える。






「終わったか、ナナシをあの娘の下へ届けねばなるまいな」


再び羽を羽ばたかせて闘技場へ戻っていく異形を複数の町の人が目撃した。


グロ展開に入ったとたん一気にマイリスト数が増えました。

世界はグロを求めていた!って事なのでしょうか?

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