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もしかして俺の人生って詰んでるかもしれない  作者: バナナ男さん


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25/26

25 自己紹介だったの?

(アズマ)


次の日の朝────。


「……な、なにコレ……??」


俺は会社に出勤して直ぐに、入口に立って白目を向く。

それは俺だけではなくて、他の出勤してきた社員達もそうで、全員が揃って白目を剥いたまま立ち尽くしていた。


まずは入口。

そこには所狭しと張られている蝶野さんの裸の写真……というか、知らない親父と何をしているのかわかる様な写真が張られていて、その全てが違う男との写真だった。

しかもその写真には、その男の名前らしきモノと何万円という値段表記まで書かれていて、明らかに不純なお付き合いをしている様な感じに見える。


「えっ……これって蝶野さん……??」


「やば……。これマジモンの売春じゃ……。」


「大学生くらいから最近のもあるみたいだね。パパ活してたのって、蝶野さんの方じゃん。」


全員が張られている写真を見ながら、ボソボソヒソヒソと話しだしたが、更にもっとドキツイモノを発見し、俺はそのまま失神しそうになった。


蝶野さんの写真の他にも、取り巻きの男たちが写っている写真も沢山張られていたのだが……、その……なんていうか……。


複数の男性達に、ハッスルされている写真であった。


こっちは蝶野さんのモノとは違い、無理やり致している様な写真だったため、どうみても犯罪チックに見える。

しかし、ところどころアヘ顔ダブルピースとか……。

お前はどこのエロ漫画のヒロインだ??という写真も数多くあって、もう見てられない!

しかも同期であったあのチャラ男など、なにかのAVタイトルの様に『チャラ男に分からセックス☆快感堕ちのアヘ顔あざ~す!』とか書かれているし……。

動画のアドレスまで書かれていて、いつの間にかやってきた和恵がそれを読み込んでみると……。


《うわぁぁぁぁぁ~ん!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!土下座するからケツにそんなモノ入れないでぇぇぇぇ!!!》


《あんっ!ああんっ!!イヤ~!!奥らめぇぇぇぇぇ~♡!!》


────という、凄く聞き覚えのある声と共に、お楽しみ動画が流れてきたのだ。


な、何を入れられているの???


そのままズッコズッコ!あんあん♡やめてぇぇ~!……と、とんでもない音と声がエンドレスで聞こえてきて、それがやがて、『もっとぉぉぉぉ~♡』に変わったので、和恵はソッ……と携帯を閉じた。


「…………。」


「…………。」


全員お通やの様に沈黙してしまい、そのまま無言で入口に張られた分を剥がして中へ。

すると、中にもズラッと続くその張り紙が見えたため、気を重くしながらそれも剥がしていった、その時────なんと蝶野さんが普通に出勤してきたのだ。


確か処分が決まるまで自宅謹慎だったはずなのに?


ギョッ!とする俺達を見て、蝶野さんは沈痛な面持ちで頭を下げた。


「この度はお騒がせしてしまい申し訳ありませんでした……。

でも……私は絶対に嘘は言ってません!

根本君は、昔から沢山の男性相手に嘘をついて誘惑してきたのは事実です!

空野君もその被害者なんです……。

そんなお金と引き替えに沢山の男性と関係するなんて……本当に最低で間違っている行為だと思っています!」


キラキラと目を正義に光らせ、必死に訴える姿は確かにいじらしくて守ってあげたいモノに見える。

しかし────……全員の視線は、懸命に剥がして丸められている、蝶野さんのお金と引き替えに関係した『最低で間違っている行為』の数々が写し出されている写真達へと注がれた。


「「「「…………。」」」」


グチャグチャに丸めているが、確かに写っていた蝶野さんのアレコレ写真を見つめたまま、誰もが口をとざしていると……蝶野さんはワッ!と泣き出し、綺麗な涙をポロポロと流す。


「それを止めてほしくてこんな事をしちゃっただけなの!空野君だって、まだ根本君の嘘を信じちゃってる……。

だからどうかお願いします!皆に協力してほしいの!空野君は大事な友だちだから……目を覚ましてほしい。お願い……。」


もう一度頭を下げる蝶野さんからは、真摯な想いが痛いほど伝わり…………心底ゾゾッ~ッ!と背筋が凍りついた。 


女性不審になりそう!


あまりに簡単に嘘をつき、人を陥れる姿はまるで化け物だ。

流石の俺も、ここまでひどい裏側を見ては、どんなに外見が綺麗でも恐ろしいと思う。

固まってしまった俺と他の社員の中で、和恵だけはニンマリと目を三日月にして、頭を下げて小動物の様に震えている蝶野さんに声を掛けた。


「へぇ~?そっか、そっか~。蝶野さんがこんな根本君がパパ活しているだのなんだのというのを周りにバラすのって、それを止めてほしかったからなんだぁ~。へぇ~ふ~んほぉ~!」


「そうだよ!だって皆にバレたら、もうそんな最低な事しなくなるでしょ?私は根本君のためにやったんだよ!」


キラキラキラ~!!

まるで真珠の様な涙を流し、頭を上げた蝶野さんへ……和恵は会社の奥へ案内する様に両手を差し出した。

そして他の女性社員達も、同じく高級ホテルの案内人の様に完璧なお辞儀と共に奥へと手を向けると、蝶野さんが訝しげな顔をする。


「……?は??な、なに……??」


蝶野さんは不思議そうにしながらも、導かれるまま手が指し示す方へ視線を向け────……。


「ぎ……ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ────────っ!!!!」


アレコレな自分の姿が写っている写真を見て、ものすごい悲鳴を上げた。


「なっ、なっ、なっ、ななななぁぁぁぁぁ────!!??な、なにこれなにこれなにこれぇぇぇぇぇっ!!!

なんでこんなモノがっ!!なんでなんでなんでぇぇぇぇ────っ!!」


蝶野さんは慌ててそこら中にベッタリ張られている自分の写真を剥がしては、グチャグチャに丸めたが、そんな事をしてももう手遅れ。

会社に出社してきた者達は、全員バッチリ見てしまったから。


プーッ!!クスクス!!している女子社員達を置いて、俺や他の冷静な男性社員達は、改めて周りを見渡し状況を確認する。

会社に張られた写真の数からはどう考えても単独班ではない上、画像のレベルや映像の作製レベルを考えるとプロの仕業だと思われる。


蝶野さん達がやった時の様に、ただ中傷する言葉だけが書かれた紙なら直ぐに用意する事も可能だが、これを一日や二日でやるのは素人では無理。

それに取り巻きの連中は、この画像が偽物じゃないから昨日、あの後……??


────ゾゾッ!!


背筋に冷たい物が走ったその時………。


「あれれ~?随分社内が騒がしいみたいだけど……どうしたのかな?」


今まさに頭の中に浮かんでいた男の声がして振り返れば……もみ手をしている社長と、空野さんが会社の入口に立っていた。


「────っ!!?」


ヒュッ!と喉が鳴り、思わず固まっていると……空野さんは壁に一枚取り残されていた蝶野さんの写真を、ペラっと剥がす。


「うわ、なにこれ?────あれ?これって……昨日見た人に随分似ているね。」


空野さんはまるで誂う様にクスクスと笑いながら、その写真を振った。

そこでやっとパニックになっていた蝶野さんは、空野さんがいる事に気づき、慌ててその手から写真を取る。


「ち、違っ!!こ、こ、これはその────に、偽物だからっ!!私はこんな事してないっ!!!お願い!!信じて……っ!!」


「う~ん……でも、これ偽物にしてはよく出来すぎてるよねぇ~。それにこんな事されるなんて、随分人に恨まれてない?一体何したのかな~。

例えば────人に酷い嘘をついちゃったとか?」


うっすらと優しげに笑う顔は、ため息が出る程美しかったが……目の奥は笑っていなくて、それにまたゾッ!としてしまった。

それに蝶野さんも気づいたのか、ヒクッ!と顔を引き攣らせて黙る。

すると、空野さんが今度は取り巻き達の写真も手に取り、ピラピラと振った。


「あれれ~?この人たちも見た事ある様な、無いような??

それにしても、知らない男の人達に突っ込まれて、こ~んなに喜んでいるなんて、『キモいゲイ野郎』ってヤツ?

うわぁ~……『こんなヤツがこの会社にいるなんて反吐が出るよ。』『あ~無理。吐き気がしそう。』『男同士もアウトなのに、複数に体売って貢がせてるなんてマジムリだわ~。』────だっけ?もしかして、あれって自己紹介だったのかな?」


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