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もしかして俺の人生って詰んでるかもしれない  作者: バナナ男さん


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19/26

19 やられた……

でもそれをしちゃうと俺のポリシーが……。でも……でも……。


う〜んう〜んと悩みながら胸元に頭を擦りつけていると、寒かったのか翔の体が震えだした。


「……?」


体感温度としてはぽかぽかしていたので、不思議に思って翔の顔を見上げると……なんと翔は起きて困った様な顔をしているではないか。


「あ……おはよう……。」


とりあえず挨拶をしたが、翔の顔は真っ赤で……熱でもあるのかとオデコに手のひらを当てた。


「顔赤いぞ。風邪でも引いたのか?」


「……源ってホントに……。────ハァ……もういいよ。」


翔は真っ赤な顔のまま俺をギュッ!と抱きしめてから起き上がり、そのままシャワーへ。

その後出てくると、そのまま朝ご飯を作り始めてくれたので、俺もヒリヒリしている身体を洗いたくて直ぐにシャワーを浴びに行った。

そうしてスッキリ爽快!になった俺は、風呂場を出て直ぐにご飯の用意を手伝おうとしたのだが──……。


「はい、源は、こ~こ!」


そのままテーブルに座らされ、搾りたてフルーツジュースを飲まされてしまった。

これも朝のルーティン。

そしてそのまま出来立ての朝ご飯を雛鳥の様に食べさせられて、翔が選んだスーツやネクタイ、その他腕時計やハンカチに至るまで全て俺が手を上げているだけで装着される。


これも朝の……。


「 ……だからこれが駄目なんだ。」


────ハッ!と我に帰ったらもう準備は終わっていて、その後は翔の運転する車で会社近くに止めてもらい、そのまま出社。


これも朝の……駄目じゃん!


頭を抱えながら去っていく翔の車を見つめ呆然としてしまった。



「駄目だ、駄目だ、駄目だ…………。」


そのままブツブツ呟きながら自分の部署に向かっていたのだが……なんだか妙な違和感に気が付き、辺りをキョロキョロと見回す。

すると、そこにはコチラを見てはヒソヒソと内緒話の様な事を言っている他部署の社員たちがいて、俺と目が合うと慌てて去っていった。


「……??なんだ?」


いつもは空気と同等というくらい目立たないはずなので、注目されている事に驚き首を傾げる。


「……寝癖でもついていたか?」


頭をペタペタと撫でつけながら、そう軽く考える事ができたのは────……自分の部署にいくまでであった。


「おい、根本!!」


「根本君!!」


部署内に入った途端、アズマと和恵が全力疾走で駆け寄ってくる。

その勢いに押され背を仰け反りながら「おはよう。」と挨拶すると、二人は頭を抱えて唸り声を上げた。


「おはようなんて呑気な事言っている場合じゃねぇぞ……!お前、今とんでもない事になってんだよ!」


「はぁ??とんでもない事って……まさか仕事のミスでもしたか!?」


焦って真っ青になると、二人は違う!と言わんばかりに首を横に振った。


「違うのよ〜もっとヤバいの!ほら、コレ見てよ! 」


和恵が差し出してきたのは一枚の紙で、それを目にした瞬間ギョっ!と目を見開く。


『根本 源は、男のくせにパパ活をして金持ちのオジさんに金を貢いでもらっている。』


『多数の男に体を売る所で副業している。』


そんな内容の言葉がズラッ~!と並んで書かれており、俺は白目を向きながら「……ナニコレ?」と二人に尋ねたが、二人も知らないらしくまた顔を横に振る。


「朝来たら、会社中に貼られていたんだ。取れる分はうちの部署の奴らで剥がしたが、それを見た他の部署の奴らの中には信じちまった奴らもいるらしい。

ほら、最近やたらお前高いモン身につけてたじゃん?だから信憑性が高いって……。」


「目立つと難癖つけるヤツはどこにでもいるからね……。この量だと複数犯な事は間違いないわ。……まぁ、犯人の目星はついているけど。」


和恵が険しい顔で眉を寄せると、他の女子社員達も大きく頷いた。


まさか……。


申し訳ないがある特定の人物を想像してしまったが、『イヤイヤ証拠もなしに……』とその考えを消そうとしたその時、突然部署内のドアが勢いよく開く。


「根本君、大丈夫?!私、貴方が心配で……!」


「……蝶野さん。」


ウルウル涙目で悲しげな様子で中に入ってきた蝶野さんは、俺を気遣う様な言葉を言いながら近づいてきた。

ちなみにその後ろからは、取り巻きらしき男性社員たちも一緒に入ってきてニヤニヤと笑みを浮かべている。

とりあえずそのまま黙っていると、蝶野さんと共に入ってきた男性職員達が一斉に俺を罵倒し始めた。


「根本、それはないわ~。確かに最近随分と羽振りがいいなって思ってたけど、まさか男相手に体売っちゃってたわけ?

きっしょ~!お前女っ気ねぇと思っていたけどゲイだったのかよ。」


「いやいや、モテなさすぎて男に走っちゃった系かもしれないっすよ~。それにしても金目当てはないっすわ~。」


「えっ?こんなん相手するヤツいんの?!お相手の金持ちジジィって、もしかして女性に相手されないくらい酷い見た目の人なんじゃね?

じゃなきゃこんなん選んで金払わないだろ〜。寧ろ金貰う方だろうよ。」


ギャハハッ!と下品な声を上げて笑う男性社員達を、部署内の人たちが止める様に言うが、全く止まる気配はない。

そして暴言を吐かれている俺を見て……蝶野さんがこっそりと笑っている顔がチラッと見えた。


困ったな……。


これ以上仕事場を騒がせるのは迷惑だろうと冷静に説明しようとしたのだが、フッとある思いが過る。


確かに俺のやってる事ってパパ活ってヤツと変わらねぇな……。


恋愛感情なしに金で成り立たせる関係。

まさに翔と俺の関係を説明するんのにピッタリな言葉かもしれない。

それにズンッと心は重くなっていき、説明しようと開きかけた口は閉じてしまった。


あ〜……俺ってやっぱり最低だ。


自分のやっている事に改めて嫌悪感が浮かび、非難してくる言葉をボンヤリと受け止め続ける。

すると、次に浮かんできたのは翔の幸せそうな笑顔だ。

そしてどうして今まで無理強いされても、なんだかんだで翔の事を大嫌いにならなかったんだろうと考えた。


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