13 無理、絶対に
「俺は翔の事を恋愛的に好きじゃないから、セックスなんてできない。
それに女性が恋愛対象だから、翔がその対象になる事もない。だから本当にごめん。」
ここは下手に期待をさせずハッキリ自分の意思を告げ、今まで貰ってきたモノを返していかなければ駄目だと考えた。
このままズルズルと翔の時間を奪っては絶対にいけない。
俺は性欲は人より少し弱いと思うが、その対象は女性……だから申し訳ないが翔の想いには答えられない。
相当な覚悟を持ってそう告げると、翔はハァ……と大きなため息をついた。
「そう。分かった。」
「ごめんな……。」
申し訳無さに下を向こうとしたが……翔は俺の顎をグッと強い力で掴み上を向かせると、憎たらしい程綺麗な顔をこれでもかと近づけてくる。
「────で?」
「……えっ??な、何が……??」
言っている意味が分からず聞き返すと、翔は更に大きなため息をついた。
「ん~……だから、今後の予定だよ。
じゃあ、まずはキスに慣れる所から始めて、徐々に触れ合う様にしていくしかないかな。はやくセックスしたいけど……まぁ、ここは公平にしないとね。」
「…………はぃ?」
────えっ?全然意味が分からない。公平って何が???
「いや……だから、俺はお前の気持ちに答えられないって────……。」
「??二回も言わなくても大丈夫だよ。だから頑張ろうね。」
「??????」
もう理解が追いつかず、プスプス黒い煙が脳から吹き出す様になると、翔は俺のオデコにフレンチキスをしながら説明してくれた。
「全く……源は本当に頭が弱いな。だから、源は俺の気持ちを受け入れたくない。俺は好きだから受け入れて欲しい。そういう事でしょ?」
「うんうん、そうそう。」
ズバリ告げられる今の状況に、必死で頷く。
恋愛とは俺の常識ではそうやってすれ違い、一方の気持ちが帰ってこなければ成立しないモノだ。
つまりこの恋愛は成立しない!────が当然の答えだと思っていたが、翔は全く予想外の答えを口にした。
「じゃあ、ここで恋愛はしない!ってなると、源の希望だけが通るって事じゃない?
それってすごく不平等だよね?
だから、源はこれから気持ちを受け入れる様に少しずつ努力する事。俺は直ぐにセックスしたいけど我慢して少しづつ進める事。
ほら、これでお互い我慢しないといけないから平等になったね!」
「????え……??えぇぇぇぇ…………??」
ゴチャッ!とした頭で必死に考えると、とりあえず俺も翔も我慢する事は確かに同じ。
でも────……なんか違う気がする!!
「いやいやいやいやっ!!?なんか違う気がする!!やっぱりそれ、おかしいだろ!」
「??どこが??でも……そっか~!源は自分の想いだけを通して良いって考えなのかな?
だったら俺もそれで。はい、遠慮なくいただきま~す。」
それはそれは美しい顔で笑った翔は、そのまま俺の乳首をコリコリと弄りだし、ズボンを力ずくで降ろしてきた。
そしてまたしてもお尻の奥に向かって指を伸ばしてきたので……俺は力の限り叫ぶ。
「分かった────!!!それでいいから!!それでお願いしま────す!!!」
体中鳥肌を立てながら半泣きで叫ぶと、翔は少々不貞腐れながらも手を止めてくれた。
「……はぁ。まぁ、仕方ないか〜。ホントはこのまま無理やり進めたいけど、少しづつ進めていくのも楽しいかもね。そういうのしたことないし……。
じゃあ、とりあえずお風呂でお互いの体を洗う所からしてみようか。」
「……あ、あぁ……。じゃあ、それで……。」
背中の流し合いなら初めてではないので了承すると、翔はほぼ丸裸の俺の服を丁寧に脱がし、次に自分の服を豪快に脱ぎ捨てる。
するとどうしても目が行くのは、まったく治まる事のない翔のソレ。
男として凄いと思う……それはそれはご立派なモノだ。
「さ、俺ちょっと限界だから早く。」
「……ん……?んんん~???」
唖然とそれを見ながらお風呂へ直行すると、泡と共に翔の身体を洗わされた。
えっ?なんかおかしくない??
初めてマジマジと見せつけられる他人の身体と、洗ってみよう体験の様な事をさせられている異常事態に、思考は遥か彼方へ飛んでいく。
「……えっ…………????????ん……んんんっ???!」
「こうやってゆっくりお互いを知っていくって、面倒だけど……なんか良いね、こういうのも!」
翔はクスクスと嬉しそうに笑いながら、楽しそうに触れてくるので、、本気で焦って翔の胸元を力いっぱい押す。
「やっ、止めろって……!こ、こんな事…………うわっ……!!」
「ん~……?」
翔は俺の抵抗などものともせずに、子ども同士や子猫同士の触り合いの延長と言われればそうかも?だけど違う!的な触り合いをし続けた。




