第37章:ぼくたちの『創造主』・・・それは・・・
・・・どうやらぼくは、大きな『勘違い』をしていたらしい。
やはり、ただの『管理人』じゃなかったんだよ、彼女は・・・。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「そろそろ、シゲちゃんも、気づいているころだと思ったわ。」
「ケイちゃん、君は・・・。」
「そうよ。わたしは、あなたと同じ、『不滅の肉体』を持つ生き物・・・そして、あなたの『同胞』。」
「・・・ああ。思い出したさ。そして・・・もう、気づいていたよ、いいかげん、ぼくだって。」
「そう・・・『お芝居』は、ここらでやめにするわ。」
そういうとケイコは、
全身をブルブルふるわせて・・・
体内から、「何か」を吐き出した。
ガシャガシャーン!!
大きな物音を立てて、ドリームランドの大地に落下したものは・・・いくつもの金属製の部品・・・そして、破片の数々。
・・・実はそうなのだ。
『ぼくとキタガワケイコ』は、
もともと地球人ではない。
遠い遠い、
アンドロメダ銀河由来の巨大惑星出身の・・・
『リュイテン789.6星人』という、宇宙人なのだ・・・!
永遠の命・・・
この広大な大宇宙で、不滅の肉体を持つ、唯一の宇宙人。
自己修復能力を有し、永久に細胞分裂させ、体内循環させることで・・・
食糧も排泄行為も必要ない・・・永久不滅の寿命を保有する、『宇宙最強の生物』なのだ・・・。
ぼくたちは、
ずっと地球を監視していた。
アンドロイドを造り、ぼくたちの領域・・・『神の領域』に接近してきた、彼らの様子を。
彼らは・・・
せっかく造ったアンドロイドたちを、
自らの『性の奴隷』や『なぐさみもの』としてコキ使い・・・命というものを軽んじ、粗末に扱い・・・
また、顧みることがなくなった。
そして、
『オリジナル・ヒューマン』→『アンドロイド』→『3Dリアル』という序列を勝手に付け、
『差別』し・・・下位に位置する者たちを、迫害し、イジメにイジメぬいて、
残酷で冷酷な・・・
ローマ帝国時代の剣闘士さながらの、
『見世物としての血の決闘・殺し合い』を、「最大の人生の娯楽」として楽しむようになったのである・・・!
でも・・・さすがにぼくたち宇宙人だって、
こと、ここにいたっては、
いつまでも、こんな『残酷ショー』を、黙って見過ごすわけにはいかなかったんだ・・・。
いくら『宇宙法』の第1条・第1項に、
「いかなる理由があろうとも、他の惑星、及び星間に存在する者たちの領域にみだりに干渉し、その営みを妨げることなかれ」と明記されていてもね。