2.間違い探し
二つ目の物語 『間違い探し』
八月十四日。
私の名前はコハル。二十歳。
今日は、近所の公園に遊びに来た。
私は、この広い公園の中を散歩するのが大好きで、いつものハイキングコースを進んでいた。
だけど先日、ここで殺人事件が起こった。
誰が亡くなったのかはまだ知らない。
でも、好きな場所は外すことができない。
すると、殺人現場の側のコースの、端の大きな木の下にあるベンチに老人が座っていた。
「こんにちは!」
明るい気持ちで過ごしてもらうためにも、元気に挨拶する。
「こんにちわ。あ、ちょいとおまちなお嬢さん」
私はそのガラついた声で話しかける、夏なのにコートを着ている老人に呼び止められた。
「どこの学校に通ってるのかな?」
「喜藤大学です!」
老人はそうか、、と言って、話を続ける。
「この奥には看板があるのを知っているかね?」
「はい。知ってますけど、、?」
看板とは、近くの山に向かうコースと、川辺に向かうコースだ。何かあったのかな、、?
「その看板が変わっているらしい。よかったら見に行っては?」
遠回りになってしまうけど、、せっかくだし行ってみるか、と思った私は老人に挨拶した。
「行ってみます。ありがとうございます」
「いやいや。気をつけて」
私はそうして、看板のところまで向かった。
「ここだ、、あれ?」
私はいつもと同じ看板を見る。
『→山 ←川』は、いつも通り、、でも、そこには『→天国』と書かれた看板が追加されていた。
「どういうこと、、?」
私は気になって、下を見た。
すると、地面にこう書かれていた。
『お疲れ様』
「え、、来た時にはなかったよね、、?」
すると、地面が浮いた。いや、地面から何かが出てきた。
「キャァーーーーーーーーーー」
私は地面に飲み込まれた。
地面の下から手が出てきて、足を掴まれ、もう上がれない、、
すると、誰かが来たみたいだった。
「看板の言う通りにするからこうなるんだよ」
そう言って、老人は去って行った。