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ヴァンパイア  作者: (´・ω・`)
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新たな血族

「んん………クッソ頭痛いな、ここはどこだ?」


 剥き出しのコンクリート、崩壊しかけの壁から鉄筋が伸びている、崩れ落ちている天井から見えるきれいな満月、廃ビルだろう。


 いや、そもそもなぜ俺はこんなところで寝ているのだろうか



 酔っていた……?頭は痛いし昨日何をしていたかは一切思い出せないが、息からアルコールの匂いがしたり吐き気などの二日酔いのような症状はない




 服は…スーツだ。ポケットに煙草が入っている

「ここは……禁煙か?

いや、そもそも廃墟なのか…?」




「んーん、煙草は吸ってもいいよ」



 無邪気な少女の声がした、軽い口調だった。

ゆっくりと振り向くと20歳前後だろうか、所謂"地雷系"の服装を見に包んだ少女が入り口から前屈みで伺うような視線をこちらに向けていた。身長はさほど高くないようだ


 カチッと100円ライターの音とともにタバコに火がつく

煙が肺を満たす、徐々に頭痛がなりを潜める


「こんばんは、私はエアクラ」


 そう言って少女が黒いスカートをつまみながらお辞儀をする、中世ヨーロッパのような芝居がかったような動きだがキレイで無駄のない動きだ。正直服装とミスマッチだが何故か自然だった。

 ふぅ、と煙を吐き出し重い体に喝を入れ、ゆっくり立ち上がり挨拶を返す


「これはご丁寧に。申し遅れました、私は黒井 悠紀と申します。

………突然何を言っているか分からないと思いますがここは何処でしょうか?」


「ゆうき君ね、うん、いい名前だね。

…………そうだよねぇ、分かった。今の君の状況から話すね?長くなっちゃうから座って聞いてくれるかな?」


 周りを見渡すが椅子などはない、とはいえ先程まで床で寝ていたのだ。この際汚れなどどうでもいいから床に座ってしまおう、とにかく体が重いのだ。


「まず、色々と説明する前にゆうき君にこの言葉だけ贈るね?」


「Happy Birthday、新しい世界へ、夜の世界にようこそ!」





ジジっと煙草の燃える音だけが世界を支配した













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