表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染みは色気がだだ漏れらしいのですが、私にはわかりません。  作者: 燈華


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/92

友人たちとともに食べる夕食

少し待てば夕食の準備が調ったと執事長が呼びに来た。

兄がヴィクトリアをエスコートし、アナスタシアはロンバルトにエスコートされて食堂に向かった。






四人でテーブルを囲む。

和やかな雰囲気で食事が進んでいく。


「ヴィクトリア嬢、アナは学園でどうだろうか?」


不意に兄が心配そうに訊く。


「お兄様?」

「アナ、兄としては可愛い妹のことは心配なものなのよ」


ヴィクトリアが素早く取り成す。

ヴィクトリアに免じてアナスタシアは退いた。


「そういうことにしておくわ」


ヴィクトリアが微苦笑する。

それから兄に視線を向ける。


「アナはしっかりやっていますよ。心配には及びませんわ」

「ヴィクトリア嬢に迷惑はかけていないだろうか?」

「俺とマティスならいいのか?」


ちゃかすようにロンバルトが訊く。

兄がきょとんとする。


「お互い様じゃないのか?」

「……まあそうだな」


ロンバルトの心境は複雑なのだろう。

どう考えてもアナスタシアやマティスが迷惑をかけている。


マティスはわからないがアナスタシアがロンバルトにしてやれることはあまりないのだ。

代わりに頼られたら全力で力を貸そうと思っている。


「ふふ、仲がよろしいですね」


ヴィクトリアが微笑ましそうに言う。


「まあ付き合いは長いですから」

「そうなんですね。そういえば聞いたことがありませんでしたが、いつからのお付き合いなのですか?」


アナスタシアはロンバルトと顔を見合わせた。


「確か私が四、五歳の頃だったと思うわ」

「たぶん、そんな頃だったな」

「マティスのところで会ったのよね?」

「ああ。お互いに親同士が友人だったからな」

「そういう繋がりだったのですね」


実はお互いの領地は隣り合っているわけではない。

ロンバルトのところなど実は間にいくつも他領があるくらいには離れている。

アナスタシアもマティスも王都にはいなかったのでヴィクトリアはどこで出会ったのか不思議に思っていたのかもしれない。


ロンバルトや兄は時々王都にも行き、アナスタシアやマティスに毎回お土産を持ってきてくれていた。


「幼い頃のアナやセスラン様はどのような感じでしたか?」


どうやらヴィクトリアの好奇心を刺激したようだ。


「セスランは俺たち三人の兄貴分って感じだったな」

「今と変わらないわ。下の子の面倒を見ている感じね」

「歳が離れているからな」


兄とは七歳離れている。

アナスタシアだけではなくマティスやロンバルトから見ても年長者だった。


今振り返ってもお転婆でやんちゃだったアナスタシアたちは随分と迷惑をかけたかもしれない。

並ばされて叱られたことは一度や二度ではない。


マティスなんかは色気を増大させて逃れようとして余計に怒られていたりした。

兄は耐性のあるほうだが、さすがに色気を増大させれば影響を受ける。


だが、そういう姑息なことをしたことで怒りに火をつけた兄は色気をはね除けて叱り、マティスがきちんと反省するまで許すことはなかった。

マティスが反省した途端にふらふらになり、慌てて使用人に運ばれていったというおまけまである。


そんな話をヴィクトリアにした。


ヴィクトリアは楽しそうに話を聞いていた。


「昔からセスラン様は頼りになる方だったのですね」

「一番年長者だったので面倒を見ていただけですよ」


兄が照れたように言う。


「偉いですわ」

「ありがとうございます」


何となくアナスタシアは黙った。

きっとここは口を挟んではいけないところだ。

何故かそう思った。


ちらりとロンバルトを窺う。

ロンバルトも同じなのか、黙って食事を口に運んでいる。


ふとロンバルトと視線が合った。

無言で頷かれる。


アナスタシアも頷き返して小さく切った人参のグラッセを口に運んだ。


読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ