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幼馴染みは色気がだだ漏れらしいのですが、私にはわかりません。  作者: 燈華


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友人たちの来訪

今年もよろしくお願いします。

ロンバルトが訪ねてきたと執事が呼びに来たのでアナスタシアは彼が待つ部屋へと向かった。

部屋に入りながら声をかける。


「ロン、どうしたの? 珍しいわね」


ロンバルトが一人で訪ねてくるのは珍しい。

たいていはマティスと一緒だ。


「いきなり悪いな。セスランは?」

「お兄様に用事? お兄様はまだ帰ってきていないわ」

「そろそろご帰宅なさるかと」


部屋の隅に控えた執事が言葉を添える。


「そうか。待たせてもらっても?」


執事がアナスタシアを見る。


「ええ、もちろん構わないわ」

「ああ、助かる」

「お兄様が帰宅したらすぐにロンが待っていると伝えてちょうだい」

「承知しました」


執事が廊下に顔を出して伝言している。

アナスタシアはロンバルトの向かいに座った。


侍女がお茶を出してくれる。

ロンバルトの前のお茶も淹れ換えられる。


夕食の前ということも考慮されてお茶菓子はなしだ。

ロンバルトの前にも置かれていないところを見ると彼は断ったのだろう。


一口お茶を飲んだロンバルトが訊いてきた。


「アナ、結局カティラス侯爵家の夜会に行くのか?」


やはり気になるのだろう。


「兄と話し合ったんだけど、断る理由が見つけられなくて行くことになったわ」

「そうか」

「お兄様と離れないようにするわ」


ロンバルトが一つ頷く。

まさかそれが心配で来たのだろうか?

ロンバルトなら有り得た。


何だかんだでロンバルトは世話焼きで心配性なところがある。

それだけアナスタシアやマティスが心配をかけた、ということもできるかもしれない。

立ち位置が兄に近い。

歳も一つだけとはいえロンバルトのほうが上だ。


小さく扉が叩かれた。

兄が帰ってきたのだろうか?


許可を出すと執事長が入ってきた。

執事長が一礼する。


「どうしたの?」

「ご歓談中失礼します。ヴィクトリア様から先触れが来ております。本日これからいらっしゃりたいそうなのですが、いかが致しますか?」


アナスタシアはロンバルトを見た。


「俺がいてもいいのなら俺のほうは別に構わない」

「そう? ではそう伝えてくれる?」

「承知しました」


執事長の代わりに部屋にいた執事が伝えに部屋を出ていく。


「あ、でもお兄様への用事なのよね? 私はヴィクトリアと話すからロンはお兄様と話せばいいわ」

「いや、アナとセスランに話があるんだ。恐らくだが、ヴィクトリア嬢の用事も同じだと思うぞ」


ロンバルトはヴィクトリアの急な来訪の理由にも心当たりがあるようだ。


「それは、ヴィーに訊いてみないとわからないわね」

「そうだな。もし違ったらヴィクトリア嬢と先に話せばいい。俺は後で構わない」

「いいの? 何なら今から先に話を聞いてもいいわよ?」


ロンバルトには二度手間になるかもしれないがそれならアナスタシアがヴィクトリアと話している間にロンバルトが兄と話せばいい。


「いや。二度手間は面倒だ」

「わかったわ」


ロンバルトがそのほうがいいならアナスタシアはそれでいい。

ただそれだと時間が遅くなるかもしれない。


「ロン、夕食食べていく?」

「あー、いいのか?」


アナスタシアが執事長に確認するように見れば彼は頷いた。


「問題ないわ。お兄様の帰りを待って話をするとなると遅くなりそうだもの」

「じゃあ言葉に甘える。悪いな」

「大丈夫よ。マティスも時々食べていくもの」

「そうか」


アナスタシアが合図を送れば侍女がそっと部屋を出ていく。

厨房に話を通してくれるのだろう。


「ロンは家に連絡しないで大丈夫?」

「見越して出る前に伝えてきた」


アナスタシアは呆れる。


「もし私が誘わなかったらどうするつもりだったの?」

「アナが誘わなくともセスランは誘ってくれるだろう」

「そうね」


ロンバルトのこともきちんと気にかけている兄はロンバルトを誘うだろう。


食事は大勢のほうが楽しい。

兄弟もおらず、両親は領地にいるロンバルトは家に帰れば一人で食事をすることになる。

それは寂しい。


だからロンバルトやマティスが来ればいつも夕食に誘っている。

使用人も慣れている。

それはマティスやロンバルトの家に遊びに行った時も同じだった。


執事が部屋に入ってくる。


「歓談中に失礼します。ヴィクトリア様がおいでになりました」

「あら」


思ったより早い。

だがロンバルトは動じた様子はない。


「通してちょうだい」

「承知しました」


執事が一礼して出ていく。

アナスタシアはロンバルトに視線を戻した。


「ロンは驚かないのね」

「まあ予想はしていたからな」


どうしてそんな予想を立てたのかはわからないが訊くことはしない。


「そう」


侍女にヴィクトリアの分のお茶の準備を頼む。

二人いるうちの一人が礼をして部屋を出ていった。


少しして部屋の扉が叩かれる。

侍女が受け答えして扉を開ける。

先程出ていった執事が戻ってきた。

一人だ。

ヴィクトリアは一緒ではない。


「失礼します。若様もお帰りになられました」

「こちらに来てくれるように言ってくれる?」

「ヴィクトリア様と会われたのでこちらにそのままエスコートしてくるとのことです」


どうやらちょうど行き合ったようだ。

兄が伝言を託したのだろう。


「そう。わかったわ」


アナスタシアが頷くと、彼は壁際に控えた。

それも兄の指示かもしれない。


それからそれ程待つことなく二人が部屋にやってきた。


「アナ、ただいま。ロン、待たせたようだな」

「アナ、急でごめんなさい。ロンバルト様も失礼します」

「お帰りなさい、お兄様。ヴィーもいらっしゃい」

「セスラン、邪魔している。ヴィクトリア嬢は俺のほうこそ悪いな」


それぞれ挨拶したところで兄がヴィクトリアをアナスタシアの隣までエスコートして座らせる。

兄はアナスタシアの斜め前にある一人掛けのソファに座った。


侍女が兄とヴィクトリアの前にお茶を置き、アナスタシアとロンバルトのお茶を取り替えた。


お茶を淹れた侍女がティーワゴンを押して退室してからアナスタシアはヴィクトリアに視線を向けた。


すいません。続きます。


読んでいただき、ありがとうございました。



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